NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年7月8日(火)放送分
オリジナル・ショート・ストーリー
『Passion』情熱がものをいう
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 巻末のword listの訳を使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週火曜日は、オリジナルのショートストーリーをお届けします。
今日は「Passion」です。
年度の途中から中学校の担任を任されたシズカ。
緊張している彼女を安心させようと、夫が中学時代の思い出を話します。
ストーリーに出てくる、
“P.E.” はですね、”Physical Education” の略で「体育」の授業。
そして、”literature” は「文学」のことですよ。
では早速、聞いてみましょう。
Passion – 情熱がものをいう
月曜と火曜は、直訳と意訳の間ぐらいの和訳1パターンです。
Wife: えー、こんにちは、皆さん。
私は井上シズカです。そして…そして短い間となりますが…
Husband: ストップ、ストップ!
シズカ、どうしてそんなに緊張してるんだ?
これはただのリハーサルだよ。
Wife: 明日が初日なのよ、担任として。
Husband: でも、もう授業は教えてるよね。
Wife: ええ、4月から。
でも、まだ教えることさえ慣れてないの。
Husband: 生徒は中学生だ。そんなに難しくないはずだよ。
(can:推量、現在形は話者の確信の強さの表れ)
Wife: あなたには分からないわ!
彼らは時々、大人よりも怖いんだから。
あー、どうして森崎先生は病気になってしまったの?
(Why did A have to V?:どうしてこんなことになってしまったのか?)
Husband: 俺が中学生の時、担任が病気になって、数ヶ月間、新しい先生が来たんだ。
Wife: そうなの?
Husband: うん。彼も若かった。
Wife: あなたやクラスメイトは、彼が好きだった?
Husband: えっと…これは言いたくないけど、彼を尊敬していなかったな、いつもの担任ほどは。
Wife: ほら?そうでしょ!
もし緊張してたら、生徒はすぐに気づくわ。
私、自分に担任ができるか分からない。
明日、ばかげたことをするかもしれないわ。
Husband: シズカ、話をさせて、さっきの俺の先生について。
Wife: わかった。
Husband: 彼は分かってた、俺たちが彼をあまり尊敬していないことを、でも彼は話し続けた、まるで全てが普通のことのように。それが1日目だった。
Wife: 次の日は何が起きたの?
Husband: その日、彼は俺たちに物語を話してくれた。それから彼は毎日、物語を話したんだ。
Wife: 物語?
Husband: そう。彼は国語を教えていて、文学マニアだった。彼は本当に日本文学が大好きだった。
Wife: あ、だったら、彼は夏目漱石や森鴎外の物語を話したのね?
Husband: そう。でも俺たちは中学生だったから、最初は全く興味がなかった。でも気づかぬうちに、物語を聞くのが待てなくなった。
Wife: どうして?
Husband: よくわからない、でも、たとえ自分が電車マニアじゃなくても、聞くのはおもしろいよね、電車に関する電車マニアの話って。
Wife: 彼らの情熱が話をおもしろくするわ。
Husband: それ!君も同じことができると思うんだ。
人の情熱には、他の人を変える力がある。
情熱が俺たちのクラスを変えたんだ。
1ヶ月後、「文学ウォーキングクラブ」っていう新しい部活を作ったよ。
Wife: わー。その部活は何をしたの?
Husband: その若い先生が、俺たちを東京の各所に連れて行ってくれた。そして有名な作家について話してくれたんだ、歩いてる間に。親たちも散歩に参加し始めて、その部活は人気になったよ。
Wife: なんて素晴らしい先生!
Husband: 俺は彼が好きだった。
だけど、ポイントは情熱。情熱が最も大事だね。
Wife: わかったわ。
でも私は体育の先生よ。文学については何も知らないわ。
Husband: 君が得意な何かをするんだよ。
Wife: 私が得意…重量挙げ、スキー、ジャグリング。
Husband: ジャグリングなんて完璧じゃん!
子供たちが好きになるよ。
Wife: ボール6つでジャグリングできるはず、それに3つのボールでのジャグリングの仕方も教えられるはず。
(could:可能性、過去形は話し手の多分…の気持ちの表れ)
Husband: それはいいね!
Wife: 練習を始めるのが良さそうね。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
Passion has the power to change others.
確かに情熱って大事ですよねぇ。
それにしてもシズカさん、スキーとジャグリング、そして重量挙げってすごいな(笑)
俺も話聞いてみたい。
えー、あれ?森崎先生、出てきましたよね?!(笑)
それでは、See you tomorrow!