NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年5月23日(金)放送分
小泉八雲が愛した日本の民話
『Of a Mirror and a Bell』- 鏡と鐘の
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s Friday!
Enjoy Simple Englishの森崎ウィンです。
毎週金曜日は「小泉八雲が愛した日本の民話」です。
今週は「鏡と鐘の」という話をお送りします。
お寺で鐘を作るために人々から銅の鏡を集めますが、鏡を渡したことに後悔した女性の話です。
ストーリーの中の、
“swamp” というのは「沼」という意味です。
それでは、Let’s listen to the story together.
Of a Mirror and a Bell – 鏡と鐘の
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
8世紀前、無間山の僧侶たちは / 遠江の国の / 頼んだ / 女性たちに / 寄付するようにと / 青銅の鏡を。
彼ら(僧侶)は鏡を欲しかった / 彼ら(僧侶)がそれら(鏡)を溶かせるように / 大きな鐘を作るために / 彼ら(僧侶)の寺に。
ある若い女性があげた / 彼女の鏡を / 寺へ、しかし / 彼女は後悔した / その選択を / あとで。
その若い女性は心の中で考えた、
「古いことわざがある / 鏡は女の魂だと。
私は気がする / 私は愚かにも手放してしまったと / 私の命の一部を。」
鐘を作る際、ひとつの鏡が / 絶対に / どうしても溶けなかった。
その若い女性のわがままな魂が / その鏡にくっついたままだった / そして / 保った / それ(鏡)を硬く冷たく / 火の中で。
皆がすぐに知った / 誰の鏡が溶けなかったかを。
その若い女性は恥じた / そして / 自殺した。
彼女は手紙を残した。
「私は幽霊になります / そして / 莫大な富を与えます / 鐘を壊す人に / それ(鐘)を鳴らすことで。」
そして、鐘が作られ / そして / 寺に吊るされると、多くの人々が行った / それ(鐘)を鳴らしに。
毎日毎日、すべての時間帯に、彼ら(人々)は鳴らし続けた / 鐘を。
しかし / 鐘はどうしても壊れなかった。
僧侶たちはうんざりした / 騒音を聞くことに、それで / 彼ら(僧侶)は鐘を転がした / 沼の中へ。
その鐘は消えた / そして / 伝説となった / 無間鐘と呼ばれる / つまり無間の鐘と。
*****
鐘が転がされた後 / 沼の中へ、人々は実際にできなかった / それ(鐘)を鳴らすこと / そして / それ(鐘)を壊すことが。
そこで / 人々は使った / 違う物を / 鐘の代わりに / そして / 願った / それが彼らを裕福にするように。
これは日本の考え方からきている / 「なぞらえる」という、使うことである / あるものを / 別のものの代わりに / 魔法の結果を得るために。
ひとりのそのような女性が梅ヶ枝だった。
彼女の恋人は武士だった / 平家一門の / そして / ある日 / その武士が / 緊急に必要とした / お金を。
梅ヶ枝は思い出した / 無間の鐘の言い伝えを / そして / 容器を取り出した / 青銅でできた / そして / それ(容器)が鐘であると想像した。
彼女はそれ(容器)を叩いた / それ(容器)が壊れるまで / そして / それ(容器)が壊れると / 彼女は叫んだ、
「私は望みます / 300の黄金の欠片を!」
同じ旅館のある客が / 彼らの状況について知った / そして / 梅ヶ枝に黄金を与えた。
梅ヶ枝と無間の鐘の物語は / 広まった、そして / 多くの人々が彼女を真似ようとした。
あるとても貧しい農夫がしようとした / 同じことを / 泥でできた鐘で。
彼は貧しかった / なぜなら / 彼が無駄にしてしまったから / 全ての彼のお金を。
彼が彼の鐘を壊すと、女性の幽霊が / 白い衣を着ている / 現れた / 地面から。
彼女は言った、
「私は聞いた / あなたの祈りを。
持って行きなさい / この壺を。」
それから / 彼女は彼に手渡した / 覆いの付いた壺を / そして / 消えた。
喜んだ男は急いでいった / 家の中へ / 彼の妻へ伝えるために / 良い知らせを。
彼らは壺を開けた / 一緒に。
それはいっぱいだった / 上まで / あるもので…
私は本当にあなたに言うことができない / 何が中にあったか。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
8世紀前、遠江の国の無間山の僧侶たちは、女性たちに青銅の鏡を寄付するよう求めた。僧侶たちが鏡を欲しがったのは、鏡を溶かし、寺に大きな鐘を作るためだった。
ある若い女性が、自分の鏡を寺に寄付したが、彼女はあとでその選択を後悔した。
若い女性は心の中で思った。
「鏡は女の魂、という古いことわざがある。私は命の一部を、愚かにも手放してしまった気がする。」
鐘を作る際、ひとつの鏡がどうしても絶対に溶けなかった。その若い女性のわがままな魂が鏡に取り憑いたままで、火の中で鏡を硬く冷たく保ったのだ。
すぐに皆が、誰の鏡が溶けなかったかを知った。
若い女性は恥じて自ら命を絶った。彼女は手紙を残していた。
「私は幽霊となり、鐘を鳴らして壊した者に莫大な富を与えます。」
そして、鐘が作られ寺に吊るされると、多くの人々がそれを鳴らしに行った。来る日も来る日も、昼夜を問わず、人々は鐘を鳴らし続けた。しかし、鐘はどうしても壊れなかった。
僧侶たちは鐘の音を聞くのにうんざりし、鐘を沼に転げ落とした。
鐘は消え、無間の鐘、無間鐘と呼ばれる伝説となった。
*****
鐘が沼に落とされた後、人々は実際に鐘を鳴らして壊すことができなくなった。そこで人々は、鐘の代わりに違う物を使って、裕福にしてくれるよう願った。
これは、日本の考え方「なぞらえる」からきている。魔法のような結果を得るために、別のものの代わりにあるものを使うことである。
そのような女性のひとりが梅ヶ枝だった。
彼女の恋人は平家一門の武士で、ある日、その武士が緊急にお金を要した。
梅ヶ枝は、無間の鐘の言い伝えを思い出し、青銅でできた容器を取り出し、容器を鐘だと想像した。彼女は壊れるまで容器を叩き、壊れると叫んだ。
「300の黄金の欠片が欲しい!」
同じ旅館にいた客が彼らの状況を知り、梅ヶ枝に黄金を与えた。
梅ヶ枝と無間の鐘の物語は広まり、多くの人々が彼女を真似ようとした。
とても貧しい農夫が、泥でできた鐘で同じことをしようとした。男は全財産を無駄にしてしまい、貧しかった。
農夫がその鐘を壊すと、白い衣を着た女性の幽霊が地面から現れた。彼女は言った。
「あなたの祈りを聞いた。この壺を持って行きなさい。」
それから、幽霊は、蓋が付いた壺を農夫に手渡し、消えた。
喜んだ男は、妻に良い知らせを伝えようと急いで家に戻った。夫婦は一緒に壺を開けた。
壺は上までぎっしり詰まっていた、あるもので…
中に何が入っていたかは、本当に言えない。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
壺の中はなにー!?
でもなんで、女性は自分のわがままな心がバレて恥ずかしくて死んでしまった後、鐘を誰かが割れば膨大な財産を与える、なんて言ったんですかねぇ。不思議だなぁ。
See you next Monday!