NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年7月1日(火)放送分
オリジナル・ショート・ストーリー
『The Golden Rule』- 黄金律
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 巻末のword listの訳を使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s time for Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週火曜日は、オリジナルのショートストーリーをお届けします。
今回は「The Golden Rule」
釣り好きのマキと、その彼氏ショウのお話です。
二人は、SNSで話題のハンバーガー店に行く予定でしたが、閉店していたため、別のお店に行きました。そこでマキが語ったのが、自分が見つけた釣り場を守るためのルールです。
ところで、SNSなどでコンテンツが急速に広まること、いわゆる「バズる」というのはですね、英語で、”go viral” と言います。
それでは早速、聞いてみましょう。
The Golden Rule – 黄金律
月曜と火曜は、直訳と意訳の間ぐらいの和訳1パターンです。
Server: ご注文はお決まりですか?
Sho: はい。チャーハンをお願いします。
Maki: 私も。
Server: はい。チャーハン2つですね。すぐお持ちします!
Maki: あー、あのハンバーガー屋さんで本当に食べたかったのに…。
Sho: ごめん、あそこに連れて行けなくて。
閉店しちゃったなんてすごく残念だね。
Maki: うん。めっちゃショック。
でも、どうしてかしら?
つい先週、SNSで見たのに、お店の前に行列ができてた写真。
Sho: まあ、多分閉店する理由があったんだろうね。
とにかく夕食を楽しもう。
今日は、君の素晴らしい成功を祝っているんだ。
何ヶ月もすごくがんばってたよね。
Maki: ありがとう、ショウ。
Sho: (グラスを上げる)
おめでとう、マキ。
ついにあの巨大なヤマメを釣ったね!
Maki: ありがとう。そんなに大きくなかったけど。
Sho: ほぼ50cmの大きさだったよ!
そんなに大きなヤマメを釣るのは簡単じゃないさ。
Maki: そうね。
Sho: で、どんな気分?
Maki: えーっと、何ヶ月もあの巨大なヤマメを追いかけてたの。
いつもあの釣り場だったんだけど、釣れなくて。
だから、今日はすごく嬉しい。
Sho: やっと釣れたのは何でだと思う?
Maki: 忍耐力、かしら。
Sho: 忍耐力?
Maki: うん、絶好のタイミングを待つことね。
(直訳:正しい瞬間、適切な瞬間)
ヤマメは簡単にエサに食いつかないの。
とても用心深い魚だから。
Sho: それで、何をしたの?
Maki: 私も用心深くしたの。
川を観察して、近くに来る魚を待ったわ。
全く動かないように最善を尽くして。木になったみたいに。
そして、絶好のタイミングで、釣り糸を引き上げて魚を釣ったのよ。
Sho: うん、君は素晴らしかった。
君があの魚を引き上げるのを見た時、鳥肌が立ったよ。
Maki: もうー、ショウったら。
いつも釣りに一緒に行ってくれてありがとう。
Sho: いや、ありがとう、マキ。
こんなにワクワクすることに立ち会わせてくれて。
(直訳:とてもワクワクすることの一部に僕をさせてくれて)
ねえ、この写真を僕の写真共有アカウントに上げてもいい?
Maki: え?
Sho: 君があの巨大なヤマメを釣ったことを全世界に知ってほしいんだ。
Maki: ダメよ。とんでもないわ!
Sho: どうして?
Maki: あの釣り場を見つけるのは簡単じゃなかったのよ。
もしショウのアカウントにアップしたら、みんなが来て、乱獲されちゃうわ。
いい場所を見つけたら、誰にも教えない。
それが釣りの黄金律よ。
Sho: へぇ、なるほど。黄金律か。
同じ理由であのハンバーガー屋も閉店したと思う?
Maki: どんな理由?
Sho: たぶん、あまりに多くの人がお店のことを投稿して、お店が全てのお客さんに対応できなくなった。
Maki: つまり、バズったせいで閉店したってこと?
Sho: うん。
Server: こちらチャーハンです!
Sho: ありがとうございます。
よし、食べよう。
Maki: んー!このチャーハン、すごくおいしい。
今まで食べた中で一番よ!
Sho: そうだね!
でも、どうしてお客さんが少ないんだろう。
(直訳:ごくわずかの客がいる)
もっと多くの人にこの店を知ってもらうべきだ。
僕が投稿すればいいはず…
Maki: ショウ!黄金律!
Server: その通りでございます。
私の店をSNSに投稿しないでください。
私は、バズるには年を取りすぎております!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
Go viral!
バズるってすごくいいことでもあるけど、自分だけが知ってる場所、自分しか知らないものとか、そういうのも欲しいですよね。
See you tomorrow.