「TOEIC、前より難しくなった?」
特に、2016年に試験形式が変更されて以降、試験の難易度が上がったという声が多く聞かれます。
私の感覚では、特に2024年以降、TOEICの難化傾向の話題をSNSで目にすることが増えました。
なぜ、TOEICは難しくなっているのでしょうか?
この記事では、その主な理由と、難化傾向に対応するための効果的な対策法を解説します。
1.出題形式の変化と情報量の増加
TOEICの難化を実感する最大の要因は、情報量の増加です。
リスニング問題の変化
リスニング問題では、特にPart 3とPart 4に変化がありました。
以前は2人での会話がほとんどでしたが、最近では3人での会話問題や、図や表を見ながら解答する問題が増えました。
ただ聞き取るだけでなく、複数の情報を整理し、状況を正確に把握する力が求められます。
リーディング問題の変化
リーディング問題で特に頭を抱えるのは、Part 7の長文問題です。
シングル・パッセージ、ダブル・パッセージ、トリプル・パッセージの設問数が増加し、全体として読まなければならない文章量が大幅に増えました。
時間内にすべてを解き終えるのが難しくなったと感じる人が増えています。
2.語彙・文法の難化と多様化
単語や文法も、以前より難しくなっています。
以前は、TOEIC対策として一般的な単語や構文を覚えていれば対応できました。しかし、最近は、より専門的で複雑な単語や表現が、問題文や選択肢に含まれるケースが増えました。
特に、Part 5(短文穴埋め問題)は問題数は減ったものの、文の構造や意味を正確に理解しなければ解けない問題が増加しており、単純な暗記だけでは通用しにくくなっています。
3.シチュエーションの多様化
TOEICはビジネスシーンの問題がメインですが、最近では、ビジネス以外のトピックも増え、より幅広い知識が求められるようになりました。
これまでのオフィスでの会話に加え、ポッドキャスト、タブレット端末、SNSなど、現代の生活に即したテクノロジー関連の話題も多くなっています。
また、医療や科学など、ニッチな分野のトピックも出題されるようになりました。
これにより、会話の意図や状況を正確に読み取ることが、以前よりも難しくなっています。
4.難化の背景にあると考えられる理由
TOEICが難しくなっている背景には、以下のような理由が考えられます。
対策情報の普及
TOEIC対策の参考書やオンライン講座が豊富になり、多くの受験者が効率的な学習法を身につけて、高得点を取りやすくなりました。
そのため、試験の公平性と差別化を図るために、難易度を上げる必要が出てきたと考えられます。
英語力の多角的測定
単純な文法や語彙の知識だけでなく、複数の情報を統合的に理解したり、状況に応じて意図を推測したりする、より実践的な英語力を測定しようとする傾向が強まっています。
5.対策をすれば必ずスコアは伸びる
TOEICは難化傾向にあると言えますが、決してスコアが上がらないわけではありません。
重要なのは、最新の出題傾向に対応した対策です。
以下の点を意識して学習しましょう。
- 時間配分を意識した問題演習
- 長文読解力を高めるための多読
- 多様なシチュエーションに慣れる
試験が近づいてきたら、最新の公式問題集を必ず解きましょう。
最低2回は時間を測って本番通りに。
できれば日を空けて忘れた頃に、パート毎にじっくり何度か解くのが理想です。
6.TOEIC攻略の鍵は「英語の基礎力」
そして何より、TOEICスコアを上げるために最も重要なのは、「英語の基礎力」です。
小手先のテクニックや、特定の対策法だけでは、多様な形式や専門的な内容に対応することは難しくなりました。
文法や語彙の知識はもちろんのこと、文章全体を素早く正確に理解するリーディング力、そして聞き取った情報を整理するリスニング力といった、本質的な英語力が求められています。
TOEIC対策だけにこだわらず、英語力そのものを底上げしていく地道な努力こそが、TOEICのスコアアップへの一番の近道です。
英語力向上の先に、TOEICのスコアアップが待っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。