NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年8月27日(水)放送分
アメージング・ストーリー
『Trapped Underwater for Three Days』
沈没した船の中で
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は、2023年度に放送した「Amazing Stories」
今回の話は「Trapped Underwater for Three Days」
男性は、沈没した船の中に閉じ込められてしまいました。
無事に生還できるのでしょうか。
早速、聞いてみましょう。
Trapped Underwater for Three Days – 沈没した船の中で
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
2013年、小さな船が / それに乗った12人がいる / 沈没しました / ナイジェリア沿岸で。
それ(船)は発見されました / 3日後 / 水の中で / 30mの深さ。
驚くべきことに、1人の男性が発見されました / 生きて。
聞いてみましょう / 彼の驚くべき物語を。
ハリソン・オケネは、 29歳のナイジェリア人男性、/ 働いていました / コックとして / その船で。
ある日 / 5月の、大きな波がぶつかりました / その船に / そして / それを回しました / 逆さまに。
(turn A upside down:Aをひっくり返す)
まもなく、それ(船)は始めました / 沈むことを。
ハリソンは試みました / 脱出することを / しかし / 彼はできませんでした。
部屋はいっぱいになり始めました / 水で。
ハリソンは思いました / 彼は死ぬだろうと、しかし / 彼は見つけました / 空気の残っているところを、だから / 彼は息をすることができました。
ハリソンは行きました / 水面下に / 何度か / 探すために / 出口を。
しかし / 毎回、彼は失敗しました / そして / 戻って来ました / 空気の残っているところに。
彼は決めました / 留まって待つことを。
水はとても冷たかった / そして / 彼は保つことができました / 彼の体の一部だけを / 水の外に。
彼は見つけていました / 2つの懐中電灯を、しかし / 電池が切れました / すぐに。
その後、完全に暗かった。
ハリソンは聞くことができました / 奇妙な音を / 彼の周りで。
彼は思いました、
「何が起きるだろう / 私の家族に / もし私が死んだら?」
彼にできることは / 祈ることだけでした / 助けを求めて。
(all S can do is V:SにできるのはVだけだ)
およそ3日が過ぎました。
唯一の物は / ハリソンが食べたり飲んだりしなければならなかった / その間 / 1本のコーラだけでした。
彼は空腹でした / そして / とても喉が乾きました。
また、もし彼が救助されなければ / すぐに、多すぎる二酸化炭素が存在したでしょう / 空気中に。
すると、突然、彼は聞きました / ノックする音を / そして / 光を見ました。
救助ダイバーが来ていました!
まもなくして / ハリソンは見ました / 1人のダイバーを / そして / 優しく触れました / 彼(ダイバー)に。
救助チームは言われていました / 全員が死んだと、だから / そのダイバーはとても驚いて / そして / 叫びました、
「あ!生存者がいる!」
ハリソンを救助することは / 大きな難題でした。
彼はいました / 深く水中に / 長い間、だから / 彼は多くのガスがありました / 彼の血液中に。
もし彼が上がれば / 水面に / あまりに素早く、そのガスは作るかもしれません / 泡を / 彼の血液中に、そして彼は死ぬでしょう。
だから / ダイバーたちは / ゆっくりと / ハリソンを連れて行った / 水面まで。
水面で、彼は留まりました / 特別な部屋の中に / 3日間 / ゆっくりと抜くために / ガスを / 彼の血液から。
ハリソンは / その船の唯一の生存者でした。
専門家は言います / 彼が発見された時、彼はおそらく持っていた / 数時間だけを / 生きるための。
直後 / この事故の、ハリソンは悪夢を見ました / 海の中にいることについての。
しかし / 数年後、彼は戻って来ました。
彼は今 / 働いています / プロのダイバーとして。
2022年、ハリソン働きさえしました / あるプロジェクトで / ダイバーの1人と共に / 彼を救った。
ハリソンは生き残りました / 恐ろしい状況を / 水中で。
驚くべきことです / 考えることは / 彼がもはや怖がっていない / そして今 / 働いている / 水中で!
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
2013年、12人が乗った小さな船がナイジェリア沿岸で沈没しました。船は3日後に、水深30m地点で発見されました。
驚くべきことに、1名の男性生存者が発見されました。彼の驚くべき物語を聞いてみましょう。
29歳のナイジェリア人男性ハリソン・オケネは、その船でコックとして働いていました。5月のある日、大きな波が船を襲い、船は転覆しました。まもなく、船は沈み始めました。
ハリソンは脱出しようとしましたが、できませんでした。部屋は水で満たされ始めました。自分は死ぬと思いました、でも、空気のある場所を見つけ、息をすることができました。
ハリソンは出口を探すため、何度か水中に潜りました。ですが、毎回失敗し、空気のある場所に戻って来ました。彼はじっと待つことにしました。
水はとても冷たく、体の一部しか水の外に出すことができませんでした。懐中電灯を2つ見つけましたが、電池はすぐに切れました。そして、真っ暗になりました。
周りから変な物音が聞こえました。ハリソンは思いました。
「もし私が死んだら、家族はどうなるだろう?」
彼にできることは、助けを求めて祈ることだけでした。およそ3日が過ぎました。その間、ハリソンが飲食しなければならなかったのは、1本のコーラだけでした。彼は空腹で、喉がとても乾きました。それに、すぐに救助されなければ、空気中に過剰な二酸化炭素が存在する状態になるでしょう。
すると、突然、彼はノックする音を聞き、光を見ました。救助ダイバーが来ていたのです!まもなくして、ハリソンには1人のダイバーが見え、そっとダイバーに触れました。
救助チームには、全員死亡と伝えられていたため、ダイバーはびっくりして叫びました。
「あ!生存者がいる!」
ハリソンを救出するのは大きな難題でした。彼は長時間、水中深くにいたため、血液中に大量のガスがあったのです。もし彼があまりに素早く水面に上がると、ガスが血液中に泡を作るかもしれず、そうなれば死に至ります。
そのため、ダイバーたちはゆっくりとハリソンを水面まで連れていきました。水面で、ハリソンは特別な部屋の中に3日間留まりました、血液中のガスをゆっくりと抜くために。
ハリソンは船の唯一の生存者でした。専門家によると、発見された時、おそらく彼が生きていられるのは、数時間しかなかったとのことです。
この事故の直後、ハリソンは海の中にいる悪夢を見ました。ですが数年後、彼は戻って来ました。
ハリソンは今、プロのダイバーとして働いています。2022年には、ハリソンを救助したダイバーの1人と一緒に、あるプロジェクトで働いたことさえあります。
ハリソンは、水中での恐ろしい状況から生き残りました。彼がもはや怖がることもなく、現在、水中で働いていると思うと、驚くべきことです!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
無事に生還できてよかったぁ。
密閉空間ではですね、人間の呼吸によって、二酸化炭素の濃度が上がります。
濃度が上がり続けると、命のリスクにつながります。
ハリソンさんはあと少しのところを、幸運にも、レスキューダイバーに助けられたそうなんですね。
それで、ハリソンさん、そのあとダイバーになったってことですから。
すごい方だ!
See you tomorrow.
参考リンク
ハリソン・オケネさんが救助された時の、実際の様子です。
イギリスの新聞「The Telegraph」のYouTubeチャンネルです。
ハリソン・オケネさんのインタビューです。
発音は、アフリカアクセントです。英語字幕が表示できます。
ざっと要約
前半~中盤:船内でトイレに入ってるときに大きな揺れ。何が起きたかわからずトイレから出たら水中。他のドアも開かない。その後の救助までの経緯はESEの物語通り。
25分頃~:徐々に元の生活に戻り、オフィスワークで仕事も再開。ガンビアへ旅行。ビーチがきれいで泳いだ。水が怖くないと思った。ダイバーになることを決意。家族や周りも反対したけど、人生で自分がやりことをやろうと思った。みんなに黙ってダイバーの訓練を開始。最初はインストラクターも嫌がったけど、パニックになったりしないところを見せて訓練を続けた。3年間訓練して30m潜れるようになった。今はプロのダイバーだ。
33分頃~:みんなも大丈夫だよ。乗り越えられるよ。怖がらず勇気を持って人生を生きてね。
おまけ:長文読解 4択クイズ
AIが問題を作ってくれましたのでシェアします。長文読解学習のお役に立てば。
問題
①What was the immediate cause of the ship sinking?
- It was hit by a large wave and turned upside down.
- It was attacked by pirates.
- The engine stopped working.
- There was too much weight on the ship.
②How did Harrison Okene survive for three days after the ship sank?
- He swam to the surface and waited on a life raft.
- He found a small room with fresh water and food.
- He stayed inside an air pocket in the shipwreck.
- He was rescued by a passing ship.
③Why was it so dangerous to bring Harrison Okene to the surface quickly?
- The change in pressure could have caused him to faint.
- The cold water would have put him into shock.
- Gas in his blood could have created fatal bubbles.
- He was too weak to climb up to the surface.
④What does Harrison Okene do now?
- He still works as a cook, but on land.
- He has nightmares and is afraid of the ocean.
- He works as a professional diver.
- He helps rescue divers by providing special equipment.
回答&日本語訳
①:A
②:C
③:C
④:C
①船が沈没した直接の原因は何でしたか?
- 船は大きな波に襲われ、ひっくり返った。
- 海賊に襲われた。
- エンジンが故障した。
- 船に過度の重量が積まれていた。
②ハリソン・オケネは、船が沈没した後、どのようにして3日間生き延びたのですか?
- 彼は水面に泳ぎ、救命いかだの上で待った。
- 彼は真水と食料のある小さな部屋を見つけた。
- 彼は難破船のエアポケットの中に留まった。
- 彼は通りかかった船に救助された。
③ハリソン・オケネを急いで水面に引き上げるのはなぜそれほど危険だったのですか?
- 圧力の変化で気絶する可能性があった。
- 冷たい水でショック状態に陥っただろう。
- 彼の血液中のガスが致命的な泡を発生させたかもしれない。
- 彼は水面に上がるには衰弱しすぎていた。
④ハリソン・オケネは現在何をしていますか?
- 彼はまだ料理人として働いていますが、陸上で働いています。
- 彼は悪夢にうなされ、海が怖いです。
- プロのダイバーとして働いています。
- 特殊な装備を提供することで、ダイバーの救助に協力しています。