NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年9月18日(木)放送分
哲学者からの答え
『My Colleague Looks Down on Me』
同僚に見下されたくない
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日にお送りするのは「哲学者からの答え」
今日の悩みは「My Colleague Looks Down on Me」です。
同僚に見下され、嫌な思いをしているという悩みに対して、心理学者アドラーの理論である「課題の分離」を伝えます。
「課題を分離する」とは、どういうことなのでしょうか。
それでは、Let’s 哲学!
My Colleague Looks Down on Me – 同僚に見下されたくない
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Tom:
ようこそ / 『哲学者からの答え』へ!
私はトムです、この番組の司会です。
Shohei:
私は小林昌平です / そして / 私は大好きです / 全てが / 哲学について。
Tom:
今日 / 私たちはメッセージがあります / タケシから。
Takeshi:
私は悩みがあります。
一人の同僚がいます / 私をからかう / 私が彼に会うときはいつでも。
私は彼に会いません / そんな頻繁に / しかし / 私がする(会う)時、彼は言います / 「セリフ」のようなことを、
「君は知らなかったの / あれを?
みんな知ってる / あれを。」
彼は / いつも / 私を見下します。
私は本当に好きではありません / それが。
何を私はすべきでしょうか?
Tom:
わかります、タケシ。
それはストレスが多いに違いありません。
Shohei:
完璧な人物は / あなたにとって / オーストリアの心理学者です / アルフレッド・アドラーという名の。
心理学と哲学は / 似ている学問です。
どちらも助けることができます / あなたが理解することを / 人々をより上手に。
Tom:
私は分かり始めています / それが。
それで、どのようにアドラーは見ますか / この問題を?
Shohei:
彼の素晴らしい考えの一つは / 呼ばれています / 「課題の分離」と。
Tom:
は?
Shohei:
彼は言いました / 重要な質問は / 「誰の課題か / それは?」。
それ(「それは誰の課題か?」)は助けます / あなたが理解することを / あなたがコントロールできること / そして / あなたが責任がないこと。
Tom:
どうですか / 例は?
Shohei:
仮に / 君、トムが働いているとしましょう / 会社で / ドレスコードを持たない。
君は持っていない / どんな取引先との会議を / ある日、そこで / 君は仕事に行く / ゴルフ用の半ズボンを着て。
しかし / すると / 君の上司が来て言う / 怒って / 君は着るべきではないと / ゴルフ用の半ズボンを / 仕事に。
ここで質問です、
「誰の課題か / 決めることは / 君がゴルフ用の半ズボンを着ていくかどうか / 仕事に?」
Tom:
それは僕のものです!
Shohei:
その通りです。
君が決めます / 何を着るかを。
君の上司は覚えておかなければならない / 会社が持っていないことを / ドレスコードを。
彼の課題です / 彼の怒りにうまく対処すること / そして / 君に伝えないこと / 彼が思う事を。
Tom:
しかし / 人々はしばしば言います / 彼らが思う事を。
Shohei:
はい。
そして / アドラーは言います / それが問題だと。
人々はコントロールしようとします / 物事を / 彼らの責任ではない(事を)。
あなたは必要があります / 落ち着いて考える / そして / 理解する / 各自の課題を。
線を引いてください / あなたの課題と他の人の(課題)の間に。
Tom:
だから / それ(ここまでの説明全体)が呼ばれる / 「課題の分離」と!
Shohei:
はい。
もし我々全員が / 関わらなければ / お互いの課題に、ほとんどの人間関係の悩みは / 解決されます。
あなたが理解する時 / 誰の課題かを / それが、あなたは考えるだけでいい / あなたの(課題)についてを。
Tom:
すごい!
分離できますか / その課題を / タケシの悩みのために?
Shohei:
もちろんです。
何を同僚が思うかは / タケシについて / その同僚の課題です。
タケシの感情は / 同僚の意見について / タケシの課題です。
Tom:
わかりました!
彼は気にする必要はない / 彼の同僚が言うことを。
彼はコントロールできない / 他人が思う事を / 彼について。
Shohei:
その通りです。
Tom:
タケシ、私たちは見つけました / あなたの答えを。
分離してください / あなたの課題を / そうすれば / あなたはわかります / どの課題があなたのものであるか / そして / どの課題が(あなたのものでは)ないかを。
Shohei:
引き受けないでください / 他人の問題を。
軽減してください / 君の重荷を!
Tom:
また来週お会いしましょう!
さようなら!
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Tom:
『哲学者からの答え』へようこそ!
司会のトムです。
Shohei:
小林昌平です。
私は、哲学に関すること全てが大好きです。
Tom:
今日は、タケシさんからのメッセージです。
Takeshi:
私には悩みがあります。
私をからかう同僚が一人います、彼に会うといつもです。
彼とはそんな頻繁に会いませんが、会うと彼は言うんです。
「あんなことも知らなかったの?みんな知ってるよ。」みたいなことを。
彼はいつも私を見下していて、本当にそれが嫌なんです。
私はどうすればいいでしょうか?
Tom:
タケシさん、わかりますよ。
それはストレスになるでしょうね。
Shohei:
あなたにぴったりの人物は、アルフレッド・アドラーというオーストリアの心理学者です。
心理学と哲学は、似ている学問です。
どちらも、人々をより深く理解する助けになります。
Tom:
私はそれがわかり始めています。
で、アドラーはこの問題をどう見ていますか?
Shohei:
彼の素晴らしい考えの一つは、「課題の分離」と呼ばれています。
Tom:
は?
Shohei:
アドラーは言いました、重要な問いは「それは誰の課題か?」であると。
この問いは、自分がコントロールできる事や、自分に責任がない事を理解するのに役立ちます。
Tom:
例えると?
Shohei:
では、仮に、トムが、ドレスコードのない会社で働いているとしましょう。
ある日、取引先との会議が全くないので、ゴルフ用の半ズボンを履いて仕事に行く。
ところが、上司が来て怒って言う「仕事にゴルフ用の半ズボンを履いてくるべきではない」と。
ここでクエスチョン!
「君が仕事にゴルフ用の半ズボンを履いていくかどうかを決めるのは、誰の課題でしょうか?」
Tom:
それは僕の課題です!
Shohei:
その通りです。
何を着るか決めるのは、君です。
君の上司は、会社にドレスコードがないことを覚えておかなければなりません。
自分の怒りを管理することや、自分の思ったことを君に伝えないことは、彼の課題です。
Tom:
でも、人はよく自分が思った事を言います。
Shohei:
はい。そしてアドラーは、それが問題だ、と言っています。
人は、自分の責任ではないことをコントロールしようとします。
冷静に考え、各自の課題を理解する必要があります。
自分の課題と他人の課題の間に、線を引いてください。
Tom:
だから、「課題の分離」と呼ぶのですね!
Shohei:
はい。
もし我々全員が、お互いの課題に立ち入らなければ、ほとんどの人間関係の悩みは解決します。
それが誰の課題かを理解すると、自分の課題を考えるだけでよくなります。
Tom:
すごい!
タケシさんの悩みも、課題を分離できますか?
Shohei:
もちろんです。
タケシさんについて同僚が何を思うかは、その同僚の課題です。
同僚の意見についてのタケシさんの感情は、タケシさんの課題です。
Tom:
わかりました!
タケシさんは、同僚が言うことを気にする必要はないんですね。
他人が思う事を、タケシさんはコントロールできない。
Shohei:
その通りです。
Tom:
タケシさん、あなたの答えが見つかりましたよ。
あなたの課題を分離してください、そうすれば、どれが自分の課題で、どれが自分の課題ではないのか分かります。
Shohei:
他人の問題を引き受けないでください。
君の荷物を軽くしてください!
Tom:
また来週お会いしましょう!
さようなら!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
「課題の分離」
おもしろいですね~。
相手が自分のことを嫌いであるとすれば、それは相手の問題であって、自分の問題ではない。
つまり、自分にとってどうしようもできないことは、自分の課題ではないので、悩むこと自体、意味がない、ということなんですね。
それでは、See you tomorrow!
参考図書
2025年度前期(4月~9月)木曜日のテーマ「哲学者からの答え」は、下記の本を参考に英文が執筆されています。
著者:小林昌平さん (哲学者)
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』