NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年6月27日(木)放送分
古典が語る西洋の知恵
「The Crab and His Mother -かにと母親-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Welcome back to another episode of Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdom from the West」
人生の知恵や教訓までさりげなく教えてくれるイソップ寓話を集めました。
今日お送りするのは
「The Crab and His Mother、 かにと母親」
です。
それでは聞いてみよう!
The Crab and His Mother -かにと母親-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
晴れた日でした / ビーチでの。
カニと彼の母親はその日を楽しんでいました / 一緒に。
カニはビーチで遊び、母親は近くから見守っていました。
その時、母カニは見ました / 息子が歩くのを。
彼女は思いました。
「あらまあ。なんで私の息子は歩いているのかしら / あんな風に?
すごく変な感じだわ。
彼は前に真っ直ぐ歩くべき、なのに彼は動いているわ / 左から右に。
私は彼に言わなくちゃ / やめるように / それをするのを。」
それで、母カニは息子に言いました。
「可愛い息子よ、こちらに来なさい。言わないといけないことがあるの。」
カニは貝殻で遊ぶのをやめ、母親のところへ行きました。
「何、お母さん?」
カニが尋ねました。
「見せてちょうだい / どうやってあなたが歩くか、可愛い息子よ。」
カニはいつものように歩きました / 左から右へ。
「違う、違う、それは間違っているわ。
真っ直ぐ歩くべきなの、可愛い息子よ。」
カニは言いました。
「どういう意味?」
「あなたは歩いているの / 左から右へ / それか / 右から左へ。
あなたは前を真っ直ぐ見て、前に真っ直ぐ歩くべきよ。」
母カニが答えました。
「わかった、お母さん。自分の最善を尽くしてみるよ。」
カニは言いました。
カニはまっすぐ海を見て、深呼吸しました。彼はゆっくりと足を動かし、歩き始めました。
カニは動きました / 左から右へ。
彼はもう一度試しました。
しかし今度は、彼は歩きました / 右から左へ。
彼は何度も試しました、でも彼は動くしかできませんでした / 左右に。
「お母さん、僕はすごく一生懸命やってみてるんだけど、できないよ。
教えてくれる / どうやるのか?」
母カニは言いました。
「あなたのつま先が間違った方向なの。
だから、真っ直ぐ歩けないのよ。
もう一度試してごらんなさい。」
カニはやりました / 母親の言う通りに。でもそれはとても難しかったのです。
「お母さん、僕できないよ。
見せてくれる / 歩く方法を?
僕は本当に習いたいんだ」
カニは言いました。
そこで、母カニは言いました。
「よく見て / 私の真似をするのよ。」
カニはかたずをのんで、目を開きました / 実に大きく / そしてじっと見ました。
母カニは歩きました / 息子の前で。
しかし母親も左右に歩きました。
「ちょっと待って、息子よ。これは間違いだったわ。」
そして母カニは再び歩きました / 左右に。
「何かが違う…。ああ、分かったわ。私のつま先が間違った方向だったのね。」
母親は真っ直ぐ歩こうとしました、しかし彼女はバランスを崩し、倒れました。
自分ができないことを人に注意するものではない
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
晴れた日のビーチでした。カニとその母親は一緒にその日を楽しんでいました。カニはビーチで遊び、母親は近くから見守っていました。その時、母親は息子が歩くのを見て思いました。
「あらまあ。どうして私の息子はあんな風に歩いているのかしら?おかしな歩き方だわ。真っ直ぐ歩かないといけないのに、左右に動いているわ。やめるように言わなきゃ。」
それで、母親は息子に言いました。
「可愛い息子よ、こちらに来なさい。話すことがあるの。」
カニは貝殻で遊ぶのをやめ、母親のところへ行きました。
「何、お母さん?」
カニが尋ねました。
「あなたがどう歩くのか見せてちょうだい、可愛い息子よ。」
カニはいつものように左から右へ歩きました。
「違う、違う、それは間違っているわ。真っ直ぐ歩かないと、可愛い息子よ。」
カニは言いました。
「どういうこと?」
「あなたは、左から右か、右から左へ歩いているわ。真っ直ぐ前を見て、真っ直ぐ歩かないと。」
母親が答えました。
「わかった、お母さん。がんばってみるよ。」
カニは言いました。
カニはまっすぐ海を見て深呼吸しました。ゆっくりと足を動かして歩き始めました。カニは左から右へ動きました。もう一度やってみました。でも今度は右から左へ歩きました。何度もやってみましたが、左右にしか動けませんでした。
「お母さん、僕すごくがんばってるんだけど、できないよ。教えてくれる?」
母親は言いました。
「あなたのつま先の向きが間違っているから、真っ直ぐ歩けないのよ。もう一度やってごらん。」
カニは母親の言う通りにしましたが、とても難しかったです。
「お母さん、できないよ。歩き方を教えてくれる?本当に習いたいんだ。」
カニは言いました。
それで母親は言いました。
「よく見て、私の真似をするのよ。」
カニはかたずをのんで、目を大きく開いて、じっと見ました。
母親は息子の前で歩きました。しかし、母親も左右に歩きました。
「ちょっと待って、息子よ。これは間違いだったわ。」
そして、母親はまた左右に歩きました。
「何かが違う… ああ、分かったわ。私のつま先の向きが間違ってたのね。」
母親は真っ直ぐ歩こうとしましたが、バランスを崩して倒れてしまいました。
自分ができないことを人に注意するものではない
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
Do not tell others how to act, unless you can set a good example.
「自分ができないことを人に注意するものではない」でしたね。
まさにその通りですよ!
まず、自分と、己と向き合おうってことですね。
それでは、See you tomorrow.