NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年7月19日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「The Queen’s Neckless -女王の首飾り 第3話-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s Friday!
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週金曜日は、怪盗紳士ルパンの名作をお届けします。
今日は「The Queen’s Neckless、女王の首飾り」第3話。
伯爵が開催するランチ会で、なぜ首飾りが盗まれたのか、青年フロリアーニが見事な推理を披露します。
侵入口は小窓からだったと。
さ、真実はいかに?
Let’s dive into the story!
容疑をかけられた伯爵夫人の使用人の女性”Henriette”、こちらの和訳では”アンリエット”としています。
その他の人名も、偕成社文庫「アルセーヌ・ルパン全集1」の翻訳に合わせています。
前回までの『The Queen’s Neckless』
ここまでの過去2話です。
The Queen’s Neckless -女王の首飾り 第3話-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
伯爵は突進した / ドアへ / そして / 走り込んだ / クローゼットへ / 彼の寝室内の。
誰も話さなかった / 一言も。
沈黙が状況をさらに意味ありげなものにさせるようだった / まるで / 答えが見つかるかのごとく。
やっと / 伯爵が戻ってきた。
彼の顔は青ざめ / 声は震えていた / 彼が話した時に。
「君が正しかった。穴があった / 窓の脇に。」
伯爵はつかんだ / フロリアーニの腕を / そして / 彼に命じた / 話を続けるように。
「続けてくれたまえ、我々に話してくれ / 君の仮説の残りを。」
「私の考えでは、泥棒ははしごをかけたに違いありません / アンリエットの部屋から / あなたの部屋まで / あなたと(伯爵)夫人がパーティ会場にいた間に。
それから / 彼は見たに違いない / あなたが首飾りを隠すのを / 窓を通して。
あなたが眠りにつくと / 彼は窓の脇を切り / そして / 鉄の棒を入れた / その穴を通して / そして / リングを引っ張った / 小窓を開けるために。
それで / 彼はそれ(小窓)を通り抜けた。」
「不可能だ!
あの窓は小さすぎて / どんな男も通り抜けられない。」
「それなら / それは男性ではなく、子供だったんですよ。」
「何だと!」
「アンリエットには小さな息子がいましたね?
彼は6歳か7歳だった。」
「そうだ、彼の名前はラウールだった。」
「では / ラウールがあなたの泥棒ですよ。」
「君にはあるのかね? / 何か証拠が。」
「証拠はたくさんありますよ。
例えば、人々は注意を払いません / 子供に対して / はしごを運んでいる。
それに / はしごは / 簡単に作れるでしょう / 棚から / アンリエットの部屋にある。」
「2つの棚があった / 私の記憶が正しければ。」
「それに / コンロがあったはずです / 料理用の。
だから / 私は確信しているのです / あなたが見つけることを / 鉄の棒を / 彼らが使っていた / 火をおこすために。
ラウールはそれ(鉄の棒)を使った / リングを引っ張るために。」
一言も言わず、伯爵は部屋を出た / 再び。
そして / 誰も驚かなかった / 彼が戻り / そして / 言ったときに。
「それ(泥棒)は子供だった。
全てフロリアーニ氏の言った通りだった。」
伯爵夫人が話をさえぎった。
「それ(泥棒)は母親だったに違いありませんわ。
彼女が子供にそれ(盗み)をやらせたに決まってます。」
「いいえ、母親は何の関係もありませんでした / それ(盗み)とは。」
「では / 首飾りは?
なぜ見つからなかったのかね? / 子供の物の中から。」
「母親と違って、彼は外出していました。
彼は学校に行った、そうですね?
だから / あなたが行ったとき / アンリエットの部屋に、彼はちょうど帰ってきたところだった / 学校から。
警察は調べるべきでした / 子供の学校の机と彼の本を。」
伯爵夫人が再び話した。
「どう説明されますの? / お金については / アンリエットが受け取った。
それ(お金)は証拠です / 彼女がそれ(盗み)をやった / 息子と一緒に。」
「もし彼女が強盗の一部だったとしたら、あなたは思いますか? / 彼女が手紙を書いたと / あなたへ。
彼女は感謝したでしょうか? / あなたに。
誰も考えなかった / 子供のことを、だから / 彼は自由だった / 動き回ることに。
彼は交換したに違いありません / ダイヤモンドをお金に / そして / それ(お金)を送った / 彼の母親に / 何年もの間。」
フロリアーニの声は皆を緊張させた。
その紳士はただ自信に満ちていただけでなく / 彼の仮説について、 / 彼はドルー・スピーズ家を見ているかのようだった / 敵として。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
伯爵はドアに駆け寄り、寝室のクローゼットに走り込んだ。
誰も一言も発しなかった。静寂が状況をさらに意味ありげにさせるようだった、まるで答えが見つかるかのように。
やっと、伯爵が戻ってきた。
伯爵がこう言ったとき、彼の顔は青ざめ、声は震えていた。
「君が正しかった。窓の脇に穴があった。」
伯爵はフロリアーニの腕をつかみ、話を続けるように命じた。
「続けてくれたまえ、我々に君の仮説の残りの部分を話してくれ。」
「私の考えでは、あなたと夫人がパーティ会場にいた間、泥棒はアンリエットの部屋からあなたの部屋へはしごをかけたに違いありません。それから、彼は窓越しに、あなたが首飾りを隠すのを見ていたはずです。あなたが眠りにつくと、泥棒は窓の脇を切り、鉄の棒を穴に通し、リングを引っ張り、小窓を開けた。そして小窓を通り抜けた。」
「ありえない!あの小窓は小さすぎて、どんな男も通り抜けられない。」
「それなら、男性ではなく子供だったのですよ。」
「何と!」
「アンリエットには小さな息子がいたでしょう?彼は6歳か7歳だった。」
「そうだ、彼の名前はラウールだった。」
「では、ラウールがあなたの泥棒です。」
「何か証拠はあるのかね?」
「証拠ならたくさんありますよ。例えば、はしごを運んでいる子供に、人は注意を払いません。それに、はしごはアンリエットの部屋の棚から簡単に作ることができたでしょう。」
「私の記憶が正しければ、2つの棚があった。」
「そして、料理用のコンロもあったはずです。ですから、私は、必ずあなたが鉄の棒を見つけると分かっています。彼らが火をおこすために使っていた鉄の棒を。ラウールはリングを引っ張るために、その棒を使ったのです。」
一言も言わず、伯爵は再び部屋を出た。
そして、彼が戻ってきてこう言ったとき、誰も驚かなかった。
「子供だった。全てフロリアーニ氏の言った通りだった。」
伯爵夫人が口をはさんだ。
「犯人は、母親だったに違いありませんわ。彼女が子供にやらせたに決まってます。」
「いいえ、母親は何の関係もありませんでした。」
「それなら、なぜ首飾りは子供の持ち物から見つからなかったのかね?」
「母親と違って、彼は外出していました。彼は学校に行きましたよね?だから、あなたがアンリエットの部屋に行ったとき、彼はちょうど学校から帰ってきたところだった。警察は学校の机と本を調べるべきでした。」
伯爵夫人が再び話した。
「アンリエットが受け取ったお金についてはどう説明されますの?あのお金は彼女が息子と一緒に盗みを働いた証拠です。」
「彼女が強盗に加担していたなら、あなたに手紙を書いたと思いますか?彼女はあなたに感謝したでしょうか?誰も子供のことを考えなかったので、彼は動き回るのに自由だった。彼はダイヤモンドをお金に交換し、何年もの間、その金を母親に送ったに違いありません。」
フロリアーニの声は皆を緊張させた。
その紳士は自分の仮説に自信を持っているだけでなく、ドルー・スピーズ家を敵視しているかのようだった。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
フロリアーニすごいよ!
なんでここまで言えるの?
てか、何者?
てか、あの、すごっ、えっ、まだルパン出てきてないよね!?
ルパンどこ?
え?もしかしてこれって?あの、えっと。
伯爵家にすごく敵対視してましたよね。
どういうこと?
もう、気になってしょうがない(泣)
それでは、Make sure to join us next Monday.(泣)