NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年7月26日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「The Queen’s Neckless -女王の首飾り 最終話-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Yes! It’s Friday!
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
森崎ウィンです。
毎週金曜日は「怪盗紳士ルパン」
今日は「女王の首飾り」の最終話です。
首飾りが盗まれ、迷宮入りしていた事件を、青年フロリアーニが「それは子供の仕業であった」と見事に推理しました。
では、その子供は誰だったのでしょうか。
Let’s dive into the story!
容疑をかけられた伯爵夫人の使用人の女性”Henriette”、こちらの和訳では”アンリエット”としています。
その他の人名も、偕成社文庫「アルセーヌ・ルパン全集1」の翻訳に合わせています。
前回までの『The Queen’s Neckless』
ここまでの過去3話です。
The Queen’s Neckless -女王の首飾り 最終話-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
伯爵の笑い声が沈黙を破った。
「あなたの仮説は独創的で賢いですな。
私はあなたを祝いますよ。」
フロリアーニは答えた / 真剣な声で。
「私はただあなたに伝えているだけです / どのようにそれが起きたかを。
私は想像します / 私がその子供だと。
彼らは孤独です / そして / 母親が病気です。
子供は計画を思いつきます / 売るという / ダイヤモンドを / 首飾りの / 母親の命を救うために。
そのお金は彼女を助けます / 6年間。
年月が経ち / そして / 子供は大人になります。
その男は戻りたくなります / 彼が子供時代を過ごした場所に。
そして / 彼は出会います / 人々に / 母親が泥棒だと思っていた(人々に)。
どれほどつらいことでしょう。
あなたは想像できますか?」
彼の言葉は響いた / 静寂の中で。
伯爵が口を開いた / ついに。
「あなたは誰なのですか?」
「私ですか?
私はフロリアーニ卿です。
私たちはイタリアで会いました、覚えていらっしゃいますか?」
「では / どういう意味です? / この話は / あなたが今話してくれた。」
「私はただ話をしただけです / 時を過ごすために。
私は考えていただけです / アンリエットの息子について。
彼はとても喜ぶでしょう / もし彼があなたに伝えることができたら / 彼が泥棒だったと。」
明らかだった / フロリアーニがアンリエットの息子だと。
伯爵は判断した / 賢明だと / ふりをすることの方が / 彼(伯爵)が理解していないと。
「私はあなたの話を楽しみましたよ / とても。
あなたは何が起きたと思いますか? / この青年に。」
「彼は成功しました / 盗むことに / 女王の首飾りを / 彼がたった6歳の時に。
もちろん、彼は続けました / 盗みを。
彼は知りました / もし彼が何かを欲しがったとき / 彼がしなければならなかったことは / 両手を伸ばすことだけだった / それを手に入れるために。」
フロリアーニは笑った / 他の客たちが驚いている間。
この紳士は誰だったのか?
「あなたは私がこわいですか?
私は言い過ぎましたでしょうか?」
伯爵夫人は感情を抑え / そして / 優雅に答えた。
「全くそんなことございませんわ。
あなたのお話は大変おもしろかったです。
でも / 私は確信がございませんの / その息子が理解していたと / 本当の価値を / 首飾りの。」
「ああ、彼は理解していました。
彼は知っていました / ほとんどのダイヤモンドが偽物であると。
それに / 彼は知っていました / 首飾りがただの象徴だと / 価値のないプライドの。」
彼女のプライドが傷つけられたにもかかわらず、伯爵夫人は彼に言った / 丁寧に。
「価値はフレームにありました / 首飾りの / ダイヤモンドではなく。
あなたは思われますか? / その息子が知っていたと?」
「はい、私は信じています / その子供がそれを尊重し / そして / 今でもそれを(フレーム)持っていると。」
「では、もしあなたがラウールに会うことがあったら、彼にお伝えいただけますか / 女王の首飾りは / ダイヤモンドが付いていてもいなくても / ドルー・スピーズ家に属するものだと。
それは一部です / 私たち一族の名誉の。」
「私は必ず彼に伝えます」
フロリアーニは彼女にお辞儀をし、伯爵に礼儀正しく挨拶をし / そして / 去った。
4日後、伯爵夫人は見つけた / 女王の首飾りのフレームを / 彼女の寝室で。
翌日、新聞は掲載した / 刺激的な記事を。
「あの有名な女王の首飾りが / ドルー・スピーズ家から盗まれた / 戻されました / アルセーヌ・ルパンによって。
彼はコメントしました / 彼はそれを返したかったと / その持ち主に / できるだけ早く。
彼は真の紳士です。
彼はこれ以上ないくらいすばらしい。」
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
伯爵の笑い声が沈黙を破った。
「あなたの仮説は独創的で巧妙ですな。感心しました。」
フロリアーニは真剣な声で答えた。
「私はただ、それがどのように起こったかをあなたにお伝えしただけです。私は、自分がその子供だと想像しているのです。彼らは孤独で、母親は病気です。子供は、母親の命を救うため、首飾りのダイヤモンドを売る計画を思いつきます。6年間、そのお金が彼女を助けます。年月が経ち、その子供は大人になります。その男は子供時代を過ごした場所に戻りたくなります。そして彼は、母親を泥棒だと思っていた人々に出会います。それがどれほどつらいことか。想像できますか?」
彼の言葉が静寂の中で響いた。
ついに伯爵が口を開いた。
「あなたは誰なのです?」
「私ですか?私はフロリアーニ卿ですよ。イタリアでお会いしました。覚えていらっしゃいますよね?」
「では、あなたが今話してくれた話は、どういう意味です?」
「ただ時間つぶしに話しただけですよ。アンリエットの息子のことを考えていただけです。自分が泥棒だったと彼があなたに話せたら、彼はとても喜ぶでしょうね。」
フロリアーニがアンリエットの息子であることは明らかだった。
伯爵は、自分が理解していないふりをする方が賢明だと判断した。
「あなたの話はとても楽しかったですよ。あなたはこの青年に何が起きたと思いますか?」
「彼はわずか6歳の時、女王の首飾りを盗むことに成功しました。もちろん、彼は盗みを続けました。もし何かが欲しくなれば、彼がしなければならないことは、手に入れるために両手を伸ばすことだけだと知りました。」
他の客たちが驚いている間、フロリアーニは笑った。
この紳士は誰なのか?
「私がこわいですか?言い過ぎましたでしょうか?」
伯爵夫人は感情を抑え、優雅に答えた。
「全くそんなことはございませんわ。あなたのお話は、とてもおもしろかったですもの。でも、その息子が、首飾りの本当の価値を理解していたのかは、わかりません。」
「ああ、彼は理解していましたよ。ダイヤモンドのほとんどが偽物だと知っていました。そして、首飾りが、つまらないプライドの単なる象徴であることもわかっていました。」
彼女のプライドが傷つけられたにもかかわらず、伯爵夫人は丁寧に言った。
「価値は首飾りのフレームにありますの。ダイヤモンドではなく。その息子はそれを知っていたと思われますか?」
「はい、その子供はそれを考慮し、今でも首飾りのフレームを持っている、と私は信じています。」
「では、もしラウールに会うことがありましたら、女王の首飾りは、ダイヤモンドの有無にかかわらず、ドルー・スピーズ家に属するものだとお伝えいただけますか?首飾りは、我が一族の名誉の一部なのです。」
「必ず伝えます。」
フロリアーニは彼女にお辞儀をし、伯爵に礼儀正しく挨拶し、去った。
4日後、伯爵夫人は寝室で、女王の首飾りのフレームを見つけた。
翌日、新聞に刺激的な記事が掲載された。
「あの有名な女王の首飾りが、ドルー・スピーズ家から盗まれたものですが、アルセーヌ・ルパンによって戻されました。彼はできるだけ早く持ち主に返したかったとコメントしました。彼は真の紳士です。彼はこれ以上ないくらい素晴らしい。」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
そう来たかー!
ヘンリエッタの息子がルパンだったんですね!
ってことはずっといたじゃん、ルパン。
何で気付かなかった!
またやられましたよ。
でも、その過去を紐解くと、すごく、なんかこう、染みるものありますねー。
あー、ルパン、傷ついてたんだな。
OK. Make sure to join us next Monday.