NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年5月24日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「ルパンの脱獄 第3話」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
また、放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるように、スラッシュリーディング訳にしております。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳している部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English!
森崎ウィンです。
It’s Friday!
毎週金曜日は「Lupin, The Gentleman Thief」
毎月4話完結で「怪盗紳士ルパン」の名作をお届けいたします。
今日は「ルパンの脱獄」の第3話。
独房に入れられていたルパン、ついに裁判が始まりました。
しかし出廷したルパンは別人のように瘦せ細り、名前もボードリュと名乗っています。
変装しているのか、それとも別人にすり替わってしまったのでしょうか!
Let’s dive into the story!
The Escape of Arsène Lupin -ルパンの脱獄 第3話-
アルセーヌ・ルパンの裁判は続いた。
何人かがそれぞれの話をしたが、彼らの話はつじつまが合わなかった。
そして、ガニマール刑事の番になった。
ガニマール刑事は話した、どのようにしてヨーロッパ中でルパンを追い、どうやってアメリカでルパンを捕まえたかを。
聴衆は、その冒険話に熱心に耳を傾けた。(直訳:聴衆はその冒険をとても注意して聞いた)
しかし、ガニマール刑事はどんどん落ち着かない様子に見えた、時間が経つにつれ。
判事は言った。
「大丈夫ですか?警部。具合が悪そうですが。」
「いえ、ただ…判事、囚人を注意深く見てもよろしいですか?」
ガニマール刑事は囚人へ近寄り、長い間、じっくりと彼を見た。
それから低い声で言った。
「この男はアルセーヌ・ルパンではありません。」
部屋は大きな沈黙に包まれた。(直訳:大きな沈黙が部屋を覆った)
判事は言った。
「どういう意味ですか?」
「これは誰か他の人間です。彼はルパンと入れ替わったに違いありません。」
(change places with A = Aと立場を取り替える)
「どうやってそんなことが可能なんですか?もしそうだとして、この男は誰ですか?」
法廷にいる全員が驚き、一斉に話し始めた。
サンテ刑務所の看守たちが呼ばれた、囚人を確認するために。
刑務所長は言った。
「絶対に同じ男ではありません、我々が2ヶ月前に監視していた男とは。
彼とルパンは顔が違います。」
それからある看守が言った。
「この人は24番房から来た男だと思います、でも確信がありません。なぜなら、彼はいつも壁の方を向いていました、2ヶ月前に24番房に来てからずっと。
彼は話しもしませんでした、だから私は彼の声も知りません。」
判事は囚人に優しく尋ねた。
「あなたは誰ですか?」
「私はデジレ・ボードリュです。
私は、2ヶ月前に警察に捕まりました。警察は翌日、私を釈放しました。ですがその後、2人の看守が私を刑務所に連れてきました、刑務所の護送車で。
私は1人で部屋に入れられました。
食べ物も寝る場所もありました。よかったです。」
「こんなこと信じられない。」
判事は裁判を休廷した、聴衆の喝采と笑い声の中で。
警察が記録を調べたところ、判明した。デジレ・ボードリュは実際に警察に捕まっていた、2ヶ月前に。
ボードリュは釈放されていた、同じ日の同じ時間に、ルパンが刑務所の護送車から脱獄した時と。
ルパンは言っていた。
「私は裁判に出廷しないでしょう。」
ルパンという紳士泥棒は、本当にその言葉を実現させた。
デジレ・ボードリュを刑務所に留めておく理由はなかった、それでボードリュは釈放されることになった。
しかし、ガニマール刑事には考えがあった。
ガニマール刑事は思っていた、ボードリュはルパンと関係があるに違いないと。
そこで警察はボードリュを追跡するつもりだった、彼が釈放されたときに。
1月の霧の多い朝、デジレ・ボードリュは刑務所から出てきた。
最初は、彼は分からない様子だった、何をすればいいのか。
それから、彼はセーヌ川を渡り、バスの待合室に入った。
ガニマール刑事と2人の部下は外で待っていたが、ボードリュは全く出てこなかった。
ガニマール刑事は待合室に駆け込んだ。
「ルパンはここにはいない!」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
「彼はルパンではない」
ガニマ―ル刑事、言いましたねー、はっきりと。
これはどうなることやら。
もう、来週ぜひ、皆さん聞いてください。
Don’t forget to come back on Monday!