NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年5月23日(木)放送分
古典が語る西洋の知恵
「The Dog and His Reflection -肉を運ぶ犬-」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
また、放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるように、スラッシュリーディング訳にしております。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English!
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdom from the West」をお送りいたします。
「古典が語る西洋の知恵」と題しまして、人生の知恵や教訓までさりげなく教えてくれるイソップ寓話を集めました。
今回は「The Dog and His Reflection、肉を運ぶ犬」です。
“reflection”とはですね、「反射」のことを言います。
では早速、聞いてみましょう!
The Dog and His Reflection -肉を運ぶ犬-
ある日、ある犬が町を歩き回っていました。
その犬は森に住んでいて、いつもお腹がすいていました。
でもその日は、すごくすごくお腹がすいていました。
だから、町に来ていました(町にいました)、何か食べるものを探しに。
ある肉屋の店主がその痩せた犬を見て、かわいそうに思いました。
店主は声をかけました。
「やあ、ワンちゃん。お腹がすいてそうだね。余ったお肉があるから。ほら、持っていきな。」
店主は大きな肉を1枚、犬に投げました。
犬はうれしそうに吠えて、口で肉をくわえました。
犬は信じられませんでした。
彼は思いました。
「僕はとても運がいい。この肉をできるだけ早く家に持って帰ろう。誰にも奪い取られたくない!」
そして、犬はできるだけ速く走りました、口で肉をくわえながら。
犬は町を出て、森の方へ向かいました。
帰り道、川に架かる橋がありました。犬は止まりました、しばらくの間、橋の上で、休憩するために。
その時、彼は川の中に何かが見えたと思いました。
「えっ? 別の犬を見たような。
それに、その犬も1枚の肉を口でくわえていた。」
犬はゆっくりと川をのぞき込みました。
犬は驚きました。
「やっぱりそうだ!別の犬がいる。
うーん、不思議だ!彼は僕によく似ている。
それに、彼も1枚の肉を口でくわえている。
でも彼の肉を見てよ!
彼の肉(肉片)は、僕のよりずっと大きい!」
犬はあまり深く考えていませんでした。
他の犬などいませんでした、当然ですが。
川は鏡のようでした。だから、犬は水に映った自分の姿を見ていたのでした。
しかし、犬は大きい方の肉のことしか考えられませんでした。
「彼の口にある肉が欲しい!僕は彼から肉を取るんだ!」
犬は吠え始めました、すると口から肉が落ちました。
それで、犬は川に飛び込みました。
しかし、犬が水面にバシャッと激突したとき、もう1匹の犬は消えました、当然ですが。
川の水は冷たく、流れが速かった。
犬は向こう岸まで泳ぎ着くために、全力を尽くさなければなりませんでした。(直訳:犬は全ての体力を使わなければなりませんでした、向こう岸まで泳ぐために)
彼は助かりました、でも彼の肉はどこかへいってしまいました。
犬は言いました。
「僕を見ろよ。僕は寒くて、濡れていて、肉も持っていない。
どうして考えなかったんだろう?川に飛び込む前に。
どうして満足できなかったんだろう?自分の肉に。」
犬は歩いて家に帰りました、寒くて、濡れていて、空腹のまま。
欲張りすぎると元も子もなくす。
類似のことわざ
・二兎を追う者は一兎をも得ず
・虻蜂取らず
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
欲張りすぎるのは良くない!
Too much greed results in nothing.
「欲張りすぎると元も子もなくす」ですね。
やっぱ、こう、人が食べてるものっておいしそうに見えたりとか、ほんとに小っちゃいところから、なんか、人が持ってる物に対してうらやむ気持ちって、すごく、こう、僕ら持ってると思うんですけれども、それが、こう、度を超えてくると、それが行動につながってっちゃうと、ちょっとあんまり良くないんじゃないかな、ってのは僕も同感です。
今日の英語でですね、
I feel sorry for you.
“feel sorry for”ってのはすごく使える言葉なので。
例えば、「あーそれ残念だね」とかって言いたい時に、
I feel sorry for you.
とかっていう風に使います。ぜひぜひ使ってください。
それでは、See you tomorrow!