NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年5月16日(木)放送分
2024年11月14日(木)再放送
古典が語る西洋の知恵
「The Fox and the Stork -きつねとこうのとり-」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日は「Wisdom from the West」
2019年度に放送した「古典が語る西洋の知恵」をお送りいたします。
人生の知恵や教訓をさりげなく教えてくれるイソップ寓話を集めました。
今日お送りするのは「The Fox and the Stork、きつねとこうのとり」です。
早速聞いてみましょう。
The Fox and the Stork -きつねとこうのとり-
ある日、あるキツネが友達のコウノトリについて考えていました。
キツネ:コウノトリのくちばしは本当に長い。
だから、大きな鼻のように見える。
すごくおもしろいな。
あっ!いい考えがある。
今日は楽しいことをしよう!
キツネはコウノトリを探しに行き、彼に尋ねました。
キツネ:僕の大事な友よ、君を招待したいんだ、今夜僕と一緒に夕食をしよう。
コウノトリ:ありがとう、キツネくん。ご親切にどうも。
それで、キツネはアイデアを準備するために家に帰りました。
それはイタズラだったのです。
夕食の時間になると、コウノトリがキツネの家に着きました。コウノトリはお腹が空いていて、夕食を楽しみにしていました。
キツネ:今日はわざわざ来てくれてありがとう。
僕らのためにスープを用意したんだ。
君が楽しんでくれるといいな。
キツネはスープをテーブルに置きました。
コウノトリは驚きました、その(平らな)器を見て。
その器は、あまり深くなかったのです。まるでお皿のようでした。
コウノトリ:まあ、ありがとう、キツネくん。
おいしそうな匂いだね。
コウノトリは器からスープを食べようとしましたが、できませんでした。
その器は平らで、(コウノトリの)くちばしは長かったのです、だから、彼は一口もスープを口に入れることができませんでした。
キツネは何口かスープを食べて、言いました。
キツネ:うーん、これはおいしい。
今日は素晴らしい料理ができた。
(直訳:今日は料理で素晴らしい仕事をした)
食べるのをやめられないよ。
あれ、僕の大事な友よ、どうして食べないの?
ごめんよ、もしスープが嫌いだったら。
コウノトリはキツネに不満を感じました。
(直訳:コウノトリはキツネに対して満足していませんでした)
でもコウノトリは怒らず、空腹で家に帰りました。
数日後、コウノトリはキツネを招待しました、自宅での夕食に。
キツネは言いました。
キツネ:僕の親愛なる友よ、今日は招待してくれて本当にありがとう。
何かすごくいい匂いがするね!
コウノトリ:やあ、キツネくん、来てくれてありがとう。
魚料理を楽しんでくれるとうれしいよ。
今日の僕たちのために作ったんだ。
コウノトリは夕食(魚料理)をテーブルに置きました。
それは、高さがある薄いボトルに入っていました。
キツネは驚きました。
コウノトリはキツネに言いました。
コウノトリ:好きなだけ食べてね。
そしてコウノトリは、自分の長いくちばしをボトルの中にいれ、魚を食べ始めました。
キツネも、コウノトリと同じ方法で食べようとしました。
キツネは、自分の口をボトルの中へ入れました、でも魚を食べることはできませんでした。
ボトルの口がとても小さかったのです。
キツネは怒り出して、言いました。
キツネ:君はあんまり優しくないんだね!
君は知ってるだろ、僕がボトルから食べられないって。
すると、コウノトリは静かに答えました。
コウノトリ:君は知ってるよね、僕がお皿から食べられないって。
でも君はスープをお皿に入れた。
だから、僕は同じことをしただけだよ、君が僕にしたことと。
自分がされて嫌なことは、他人がされても嫌なことである。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
今日の言葉の、
One bad turn deserves another.
自分がされて嫌なことは、他人がされても嫌なことである。
もー、そのまんまですね。自分がされて嫌なことは、他人にしちゃいけないよ、という。
そして、あの、キツネが表現してた、英語の中で、
Thank you for coming over today.
この “over” ってのは、ここでは、
「わざわざ来てくれてありがとう」というニュアンスが、プラスされる表現でございます。
それでは、See you tomorrow!
▸One bad turn deserves another.
【直訳】1つの悪い行為は、別の悪い行為に値する。
これに該当する日本のことわざはない。
▸One good turn deserves another.
日本のことわざ「情けは人の為ならず」に該当する。