NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年5月8日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Canned Bread -缶入りパン-」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今日の発明は、災害用に備蓄もできる「缶入りのやわらかいパン」
開発にはどのような苦労があったのでしょうか。
早速聞いてみましょう!
Canned Bread -缶入りパン-
「缶詰めにしたパン」という言葉を聞くと、非常用の箱に入った硬いビスケットを(乾パン)思い浮かべるかもしれませんね。
今日、私たちはやわらかい缶詰パンに焦点を当てます。
どのようにしてこのパンが発明されたのか見ていきましょう。
この物語は1995年1月17日に始まります、それは阪神・淡路大震災が襲った日です。
秋元義彦という名前のパン製造業者は、支援がしたくて、パンを一杯に詰めたトラックを神戸方面へ送りました。
しかし、配達から4日後、彼は言われました、パンに緑色のカビが生えていると。
彼は尋ねられました、長持ちするパンを作れるかどうか。
「彼らは言いました。
“良いパンを作ることがあなたの使命ではないのですか?”
この言葉が私に、新しい種類のパンを開発するためのやる気を与えました。」
秋元氏は缶詰野菜からひらめきを得ました。それら(缶詰野菜)は長持ちしました。
もしかしたら、彼は缶詰パンを作れるかもしれません。
秋元氏は仕事に取りかかりました。
彼はパンを缶に入れ、3日後に興奮してそれ(缶)を開けました。
しかし、中のパンにはカビが生えていました。それでも、秋元氏は諦めませんでした。
「空気中には常にカビが存在します。」
カビは加熱によって破壊されます。そこで秋元氏は試みました、缶の中でパンを焼き、オーブンから出したらすぐにそれ(缶)を閉じるのです。
彼が缶を開けると、パンは新鮮でした、ですがパンの一部が缶に張り付いていました。
これを解決するために、秋元氏はクッキングシート(英語ではbaking paper)を使ってみました、しかしパンは、数日後に缶の中で水に濡れていました。
彼は、熱いパンから出る湯気が缶の内部を濡らしてしまうことを、見つけ出しました。
そこで彼は和紙を試すことにしました、伝統的な障子から(学んで、発想を得て)。
「和紙は、空気中の水分量を調節することができます。」
数多くの様々な種類の紙を試した後、秋元氏は、うまくいく種類の紙をついに見つけました。
1996年9月、彼の缶詰パンが完成し、彼は販売し始めました。
やがて、ますます多くの企業が秋元氏のパンを買いました。
しかし、数年後、問題が発生しました。ある1社が秋元氏に、古くなったパンを引き取るように頼みました。その会社は言いました、古いものと取り替えるために新しいパンの缶を買うと。
秋元氏は思いました。
「私の缶詰パンは役に立たないような気がしました。悲しくなりました。」
その後、2004年に、大地震が発生しました、インドネシアのスマトラ島近くで。
秋元氏は、彼の缶詰パンを地震の被災者へと送りました。
この経験が彼にアイデアをもたらしました。
秋元氏が企業に販売したパンは、3年間は状態が良かったのです。
(販売から)2年後、彼は、使われなかったパンを回収しました。
それから、このパン(回収したパン)は、食べ物が必要な人々へと与えられました。
例えば、2022年3月、パンはポーランドに送られ、ウクライナの避難民に与えられました。人々はそれ(缶詰パン)を気に入りました、なぜならケーキのように甘かったからです。
秋元氏のやわらかくて甘い缶詰パンは、人々を助け続けています、日本と世界中で。
ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画です。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
実は僕、”缶入りパン”食べたことがないんですよ。
なので、ちょっと今度買ってみたいなと思います。
英語の補足情報。
“mold” これはもう”カビ”のことを言いますね。
使い方としては、There’s mold on it.
“on”なのか”in”なのか、使うものによってちょっと変わります。注意してください。
それでは、Tune it again tomorrow.