NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年7月24日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Acrylic Aquarium Panels -水族館用アクリルパネル-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今回の発明は「Acrylic Aquarium Panels」
今や世界各地にある巨大水槽。
実はそれを可能にしているのが、アクリルパネルです。
アクリルパネルを使用した水槽が最初に誕生したのは、1969年でした。
その開発物語を聞いてみましょう。
Acrylic Aquarium Panels -水族館用アクリルパネル-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたは見たことがありますか? / ジンベエザメを / 泳いでいる / 巨大な水槽で。
これらの水槽はガラスから作られたのではなく、プラスチックの一種から作られています / アクリルと呼ばれる。
それ(アクリル)は10倍強いです / ガラスより。
今日、調べましょう / 最初の巨大なアクリル水槽について / 今まで作られた(中で最初の)。
物語は始まります / 1969年に。
高松市で / 香川県の / 計画がありました / 新しい水族館を作る。
メインアトラクションは大きなガラス水槽でした / 形をした / ドーナツ型の。
それは直径10メートルでした。
デザイナーたちは見せました / 水族館のオーナーに計画を / その水槽の。
しかし / オーナーたちは満足しませんでした / なぜなら / 柱があったからです / ガラスを支えるための。
彼ら(オーナー)は言いました。
「その柱はさえぎります / 眺めを。」
デザイナーたちは探しました / 別の材料を。
彼ら(デザイナー)はすぐに連絡を取りました / 男性と / 敷山 哲洋という名の。
彼はエンジニアでした / アクリルを扱う。
デザイナーたちは彼(敷山さん)に尋ねました / 彼(敷山さん)が作れるかどうか / 水槽を / 柱のない。
敷山氏は決意しました / その挑戦を引き受けることを。
まず、敷山氏は決めました / 厚さを / アクリルパネルの。
それ(アクリルパネル)は非常に強力でなければなりませんでした / くい止めるために / 350トンの水を。
それ(アクリルパネル)は / また / 透明でなければなりませんでした / 人々が見えるように / 魚を。
敷山氏の会社には技術がありました / 組み合わせるための / いくつかのアクリルパネルを / そして / それら(組み合わせたパネル)を透明のままにしておくための(技術)。
秘密は接着剤にありました。
接着剤は同じ材料を使用していました / パネルと(同じ)、だから / それ(接着剤)が乾いたとき、それ(接着剤)はなりました / パネルの一部に。
敷山氏は判断しました / 7.3cmの厚さのパネルが機能するはずだと。
テストするために / パネルの強度を、敷山氏は作成しました / 水槽の模型を / 実際のサイズの10分の1の。
同じ水圧にするために / 実際の水槽と(同じ)、彼は使用しました / 液体金属を / 10倍以上重い / 水よりも。
模型水槽が満杯になると、彼は注意深く確認しました / パネルを / 確かめるために / それら(パネル)が平らであると。
圧力が強すぎると、パネルは曲がるでしょう。
結果は?
それら(パネル)は完全に平らでした。
次の段階は組み立てることでした / 水槽を。
敷山氏は気付きました / 10メートルの / ドーナツ型の水槽は大きすぎて合わないだろうと / トラック内に。
そこで / 彼は決めました / パネルを切ることを / 6パーツに。
1969年の春、水槽は組み立てられました / 水族館で。
さあ時がきました / それ(水槽)を水で満たす。
敷山氏は緊張しました。
「模型水槽は機能した、しかし / これは10倍大きい。」
敷山氏と作業員たちは立ちました / 水槽の前に / そして / 見守りました。
水位が上がるにつれて、変な音がしました。
1人ずつ、作業員たちは離れました。
しかし / 敷山氏は留まりました。
水槽は大丈夫でしょうか?
ついに、それ(水槽)は満杯になりました。
アクリルパネルは強力でした / 十分に。
世界初の巨大な水槽が / 柱のない / ついに完成しました。
敷山氏は続けました / 設計することを / 巨大なアクリル水槽を / 水族館のために / 世界中の。
この日本の発明は本当に作り出しました / 世界的な水族館革命を。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
巨大な水槽で泳いでいるジンベイザメを見たことがありますか?
これらの水槽はガラスではなく、アクリルと呼ばれるプラスチックの一種でできています。アクリルはガラスの10倍の強度があります。
今日は、史上最初に作られた巨大なアクリル水槽について調べてみましょう。
物語は1969年に始まります。
香川県高松市で、新しい水族館を作る計画がありました。目玉はドーナツ型の大きなガラス水槽でした。それは直径10メートルの予定でした。
デザイナーたちは、その水槽の計画を水族館のオーナーに見せました。しかし、オーナーたちはガラスを支える柱があることに不満でした。
オーナーたちは言いました。
「その柱は視界をさえぎります。」
デザイナーたちは別の材料を探しました。彼らはすぐに、敷山 哲洋という名の男性と連絡を取りました。敷山さんはアクリルを扱うエンジニアでした。
デザイナーたちは、敷山さんに柱のない水槽を作れるかどうか尋ねました。
敷山さんはその挑戦を引き受けることにしました。
まず、敷山さんはアクリルパネルの厚さを決めました。350トンの水をくい止めるには超強力でなければなりませんでした。また、魚が見えるように透明である必要もありました。
敷山さんの会社には、いくつかのアクリルパネルを組み合わせても、透明のままにしておける技術がありました。
その秘密は接着剤にありました。接着剤はパネルと同じ材料を使用していたため、乾くとパネルの一部になりました。
敷山さんは、7.3cmの厚さのパネルが機能するはずだと判断しました。
パネルの強度をテストするため、敷山さんは実際のサイズの10分の1の模型水槽を作りました。実際の水槽と同じ水圧にするために、水の10倍以上の重さのある液体金属を使用しました。
模型水槽が満杯になると、敷山さんはパネルが平らであることを確かめるため、パネルを注意深く確認しました。
水圧が強すぎると、パネルが曲がってしまいます。
その結果は?
パネルは完全に平らでした。
次の段階は水槽の組み立てでした。
敷山さんは、10メートルのドーナツ型水槽が大きすぎてトラック内に収まらないことに気付きました。そこで、パネルを6パーツに切ることを決断しました。
1969年の春、水槽は水族館で組み立てられました。
さあ、水を入れる時です。
敷山さんは緊張していました。
「模型水槽はうまくいったが、これは10倍の大きさだ。」
敷山さんと作業員たちは、水槽の前に立ち、見守りました。水位が上がっていくと、変な音がしました。作業員たちは1人ずつ離れていきました。しかし、敷山さんは留まりました。
水槽は大丈夫でしょうか?
ついに、水槽が満杯になりました。
アクリルパネルは十分に強力でした。世界初の柱のない巨大水槽がついに完成しました。
敷山さんは世界中の水族館のために巨大アクリル水槽の設計を続けました。
この日本の発明は、本当に世界的な水族館革命を起こしました。
参考資料
和訳にあたり「NIPPURA株式会社」のHPを参考にしました。
今回は、ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画はありませんでした。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
僕が初めて、巨大水槽を見たのは沖縄でした。
あのー、学生の頃の修学旅行で。
感動したな―。でけーって思いましたね。
See you tomorrow!