NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年7月25日(木)放送分
古典が語る西洋の知恵
「Icarus -イカロス-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdom from the West、古典が語る西洋の知恵」として、「ギリシャ神話」から、西洋の表現や考えなどを学びます。
今日お送りするのは「Icarus」
昔、ギリシャに「イカロス」という息子を持つ父親がいました。
2人はある日、突然とらわれてしまいます。
どうなるのでしょうか。
それでは聞いてみましょう。
Icarus -イカロス-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたは知っていますか? / イカロスを。
これはその物語です / イカロスと彼の父親の。
イカロスの父はとても得意でした / 新しいものを作ることが。
彼は働いていました / 王のために、しかし / ある日、王が突然決めました / 彼らを閉じ込めることを。
「私は入れる / お前とお前の息子イカロスを / 塔に!」
そして、父親とイカロスは閉じ込められました / 高い塔に。
父親は考えました / 方法について / 逃げるための。
「俺たちは出なければならない / ここから / そして / 別の国に行かなければならない。
しかし、王様の部下たちがどこにでもいる / 地上にも海にも。」
それから、彼は空を見ました / そして / ある考えを思いつきました。
「俺たちは逃げられない / 海路で、しかし / 俺たちは使える / 空を!」
父親とイカロスは始めました / 翼を作ることを。
まず、彼らは小さな羽を集めました。
次に、彼らは大きな羽を使いました / 曲線を作るために / 鳥の翼のように。
彼らは蝋を使いました / 小さな羽をまとめるために / そして / 糸を(使いました) / 大きな羽には。
ついに、彼らは作り終えました / 2組の翼を。
彼らが準備できたとき / 飛ぶための、父親は言いました / イカロスに。
「お前は飛ばなければならない / 真ん中を / 空の、低すぎず / そして / 高すぎず。
もしお前が跳ぶと / 低すぎで、海の空気が翼を濡らすだろう。
もしお前が跳ぶと / 高すぎで、太陽が蝋を溶かすだろう。
いなさい / 私の近くに、そうすれば / お前は安全だろう。」
「はい、お父さん」
イカロスは言いました。
父と息子は翼をつけました / そして / 飛び立ちました / 塔から。
彼らは脱出しました!
地上の人々は / 見ました / 彼ら2人を / 空中に / そして思いました。
「彼らは飛んでいる!
彼らは神々に違いない!」
2人は飛び去りました。
それから、イカロスは思いました。
「これは楽しい。
僕は飛びたい! / もっと高く。」
イカロスは忘れました / 彼の父の言葉を。
彼は始めました / 飛ぶことを / どんどん高く/ 太陽に向かって。
すると、太陽が始めました / 蝋を溶かすことを。
イカロスは言いました。
「ああ、だめだ!
羽が落ちている! / 僕の翼から。」
イカロスは彼の父に大声で呼びかけようとしました、しかし / 彼は落ちました / 海に / そして死にました。
父親は大声で叫びました。
「イカロス、私の息子よ!」
父親は最初に見つけました / 羽を。
それから、彼は見つけました / 彼の息子の体を。
彼は拾い上げました / 彼の息子の体を / そして / 彼を埋葬しました / 近くの島に。
彼は名付けました / その島をイカリアと。
もし誰かが言うなら「太陽に近づきすぎないで」と、それはあなたに言っています / 自分の限界を知るようにと。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
イカロスをご存じですか?
これはイカロスと彼の父親の物語です。
イカロスの父は新しいものを作るのがとても得意でした。彼は王のために働いていましたが、ある日、王が突然彼らを閉じ込めることに決めました。
「お前と息子のイカロスを塔に入れる!」
こうして、父親とイカロスは高い塔に閉じ込められました。
父親は脱出方法を考えました。
「俺たちはここを出て、他の国に行かなければならない。でも、王の部下たちが、地上にも海にも、いたるところにいる。」
それから、彼は空を見て、ある考えを思いつきました。
「海路では逃げられないが、空を使える!」
父親とイカロスは翼を作り始めました。
まず、小さな羽を集めました。
次に、大きな羽を使って鳥の翼のような曲線を作りました。蝋を使って小さな羽をくっつけ、大きな羽には糸を使いました。ついに、彼らは2組の翼を完成させました。
飛ぶ準備ができたとき、父親はイカロスに言いました。
「空の真ん中を飛びなさい。低すぎても高すぎてもいけない。低すぎると海の空気で翼が濡れてしまうだろう。高すぎれば太陽が蝋を溶かしてしまうだろう。私の近くにいなさい、そうすれば安全だ。」
「はい、お父さん」
イカロスは言いました。
父親と息子は翼をつけ、塔から飛び立ちました。
彼らは脱出しました!
地上の人々は空中にいる彼らを見て、思いました。
「彼らは飛んでいる!神々に違いない!」
2人は飛び去っていきました。
それから、イカロスは思いました。
「これは楽しい。もっと高く飛びたい!」
イカロスは父親の言葉を忘れました。彼は太陽に向かってどんどん高く飛び始めました。
すると、太陽が蝋を溶かし始めました。
イカロスは言いました。
「ああ、だめだ!羽が翼から落ちている!」
イカロスは父に大声で呼びかけようとしましたが、海に落ちて死んでしまいました。
父親は叫びました。
「イカロス、我が息子よ!」
父親は最初に羽を見つけました。それから、息子の遺体を見つけました。彼は息子の遺体を拾い上げ、近くの島に埋葬しました。
彼は、その島をイカリアと名付けました。
もし誰かが「太陽に近づきすぎないで」と言ったら、それは「身の程を知るように」とあなたに伝えているのです。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
今週2度目の”melt”、出てきましたねー。
「溶ける、溶かす」
もうこれで覚えましたね。
If someone says, “Don’t fly too close to the sun,” they are telling you to know your limits.
この言葉、素敵ですね。
「自分の限界を知る、身の程を知る」
つまり、
無茶をすんなよ!
ってことですよ。
それでは、See you tomorrow.