NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年6月20日(木)放送分
古典が語る西洋の知恵
「The Lion and the Fox -ライオンときつね-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdom from the West」
人生の知恵や教訓までさりげなく教えてくれるイソップ寓話を集めました。
今回は「The Lion and the Fox、ライオンときつね」です。
では早速聞いてみましょう!
The Lion and the Fox -ライオンときつね-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
年老いたお腹を空かせたライオンが草の中で横たわっていました。彼はまだ動物の王様でした、ですが、彼はもうあまり強くありませんでした。彼は素早く動くことができず、彼の歯や爪も鋭くありませんでした。
ライオンは考えました。
「俺は年を取ってきた。俺にはどんどん難しくなっている、動物を捕まえるのが。
俺は何かをしなければならない。しなければ、俺には食べるものが何もなくなる。」
そこで、ライオンは考えました、方法を、動物を捕まえるための、もっと簡単に。
しかし、何が彼にできるでしょうか?
彼は速く走れませんでした、以前と同じようには。
彼は強くありませんでした、以前と同じようには。
すると、素晴らしいアイデアが彼に浮かびました。
「あは!俺には素晴らしいアイデアがあるぞ!俺は何もする必要はないんだ。ただ病気になればいいんだ。」
そして、ライオンは自分の洞窟に入り、横になりました。
彼は健康でした、でも言いました。
「ああ、とても具合が悪い」と何度も何度も。そして、彼は待ちました。
すぐに、すべての動物たちがニュースを聞きました。彼らは皆それについて話しました。
「聞いた?ライオンが病気だよ!」
「うん、聞いたよ。僕は彼が怖い、けど、僕たちは彼を見に行ったほうがいいよ。彼はまだ僕たちの王だから。」
多くの動物たちがライオンを見に行きました。ライオンは一匹ずつあいさつしました、洞窟の中から。
彼は言いました。
「私を見に来てくれてありがとう。でも、洞窟の中へ入ってもらえますか、1度に1人ずつで。私はまだ病気です、だから外に出ることができません。でも、あなたたちの顔が見たいです。」
そこで、動物たちは洞窟の中に入りました、一匹ずつ。
そして、彼らは皆ライオンに食べられました、一匹ずつ。
ライオンは思いました。
「これはとても簡単だ!今や、俺はもうお腹が空くことはない。」
しばらくたって、1匹のキツネが洞窟に来ました。彼は周りを見回して、洞窟の外にとどまりました。
キツネはライオンに言いました。
「ライオン様、お元気ですか?お聞きしまして、あなたがご病気だと。」
ライオンは答えました、洞窟の中から。
「私を見に来てくれてありがとう、キツネくん。でも、まだ気分が悪いんだ。中に入ってきてくれないか、私と話すために。」
キツネはしばらく考えました。それから、彼は答えました。
「ありがとうございます、ですが私は外にいようと思います。ライオン様、質問してもよろしいでしょうか?」
ライオンは待ちくたびれていました、キツネが入ってくるのを、でも彼は愛想よく答えました。
「もちろん、何でも聞いてくれたまえ。」
そこで、キツネは尋ねました。
「私は多くの足跡が見えます、あなたの洞窟に入っていく。
ですが、全く見えません、出てくる足跡は。
だから、教えてください。
あなたの見舞い客はどのようにして出て行くのですか?」
人の災難を見て危険を察知せよ
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
年老いた空腹のライオンが草の中に横たわっていました。彼は依然として動物の王様でしたが、もはやあまり強くはありませんでした。素早く動くことができず、歯と爪も鋭くはありませんでした。
ライオンは考えました。
「俺は年老いてきた。獲物を捕まえるのもどんどん難しくなってきた。何かしなければ。そうしないと、食べるものがなくなってしまう。」
そこで、ライオンはより簡単に獲物を捕まえる方法を考えました。しかし、彼に何ができるでしょう?
以前のように速く走ることもできませんし、以前のような力もありませんでした。
すると、ある素晴らしい考えが浮かびました。
「あは!素晴らしい考えが浮かんだぞ!俺は何もしなくていい。ただ、病気になればいいのだ。」
そして、ライオンは洞窟に入り横たわりました。彼は健康でしたが言いました。
「ああ、とても具合が悪い。」と何度も何度も。そして、待ちました。
すぐに、すべての動物たちがその知らせを聞きました。みんな、そのことについて話しました。
「聞いた?ライオンが病気だよ!」
「うん、聞いたよ。怖いけど、見舞いに行った方がいいよね。彼はまだ僕たちの王様だし。」
多くの動物たちがライオンを見舞いに行きました。ライオンは、洞窟の中から一匹ずつに挨拶をしました。
「見舞いに来てくれてありがとう。ですが、1人ずつ洞窟の中に入ってきてもらえませんか?私はまだ病気なので、外に出られないんです。でも、皆の顔が見たいです。」
それで、動物たちは一匹ずつ洞窟の中に入りました。そして、動物たちは皆、一匹ずつライオンに食べられてしまいました。
ライオンは思いました。
「これはとても簡単だぞ!これで、もうお腹を空かせることはない。」
しばらくして、1匹のキツネが洞窟にやってきました。キツネはぐるりと見回して、洞窟の外にとどまりました。
キツネはライオンに言いました。
「ライオン様、お元気ですか?ご病気だとお聞きしましたが。」
ライオンは洞窟の中から答えました。
「見舞いに来てくれてありがとう、キツネくん。だが、まだ具合が悪いんだ。話をするために中に入ってくれないか?」
キツネはしばらく考えました。そして、答えました。
「ありがとうございます。ですが、外にいようと思います。ライオン様、質問してもよろしいでしょうか?」
ライオンは、キツネが入ってくるのを待ちくたびれていましたが、愛想よく答えました。
「もちろん、何でも聞いてくれたまえ。」
そこで、キツネは尋ねました。
「洞窟に入っていく多くの足跡が見えますが、出てくる足跡は1つも見えません。そこで、どうか教えてください。あなたの見舞い客はどのようにして出ていくのですか?」
人の災難を見て危険を察知せよ
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
Take warning from the misfortunes of others.
「人の災難を見て危険を察知せよ」という意味ですね。
これもいい教訓ですね。
キツネはよくあの “footprints” 「足跡」気付きましたね。
もう中に入っていく方向ばっかりで、出てくる足跡がないという。
よく気付いた!えらい!(笑)
See you next time!