NHKラジオ英語番組「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」
2024年4月12日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「ルパンの逮捕 第2話」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳している部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
(2024年10月の再放送時に追記します)
The Arrest of Arsène Lupin -ルパンの逮捕 第2話-
ロゼーヌが話しているときの顔色は、幽霊のように白かった。
「私が1人で旅をしているのは事実です。名前はRから始まり、私の髪は金髪です。私がアルセーヌ・ルパンかもしれないと思います。私を逮捕すべきでしょう。」
しかし、ネリー嬢は落ち着いて尋ねた。
「腕を見せていただいてもよろしいかしら?」
ルパンは腕に傷がある、と電報には書かれていた。ロゼーヌは袖をまくり上げ、腕を見せた。傷はなかった。
しかし、彼が左腕を見せたことに気づいたのは私だけだった。私が何か言おうとする前に、ジャーランド夫人が我々の方へ走ってきた。
「私の宝石、私の真珠、なくなったわ!」
皆が驚いた。泥棒は最も大きな宝石ではなく、むしろ最も美しく、最も価値のあるものを盗んだ。それはルパンがやりそうなことのように感じた。
船長がロゼーヌを連れ去って、皆が安心した。船上の生活は再び平和になった。
ネリー嬢と私は一緒に時間を過ごし、明るい月の下で彼女に愛していると告げた。私の告白に彼女は戸惑っていなかった。
(直訳:それは彼女を不幸にしなかった。/「彼女はまんざらでもなかった」の意訳はネリーのキャラクターに合わないので却下)
しかし、翌日、ロゼーヌは船長によって釈放された。ロゼーヌは、裕福な商人の息子であるという公的な文書を持っていた。また、彼の右腕には傷がなかった。
彼はこう言って皆を驚かせた。
「ルパンを見つけた方、または宝石を見つけた方に、1万フランを差し上げましょう。」
皆は、紳士泥棒のアルセーヌ・ルパンを再び探し始めた。
ネリー嬢は私に言った。
「すぐに皆さまがジャーランド夫人の宝石を見つけると思いますわ。ルパンは利口かもしれませんが、マジシャンでさえ、ダイヤモンドや真珠を消すことはできませんもの。」
「その通りですね。しかし、宝石を隠す場所はたくさんありますよ。例えば、この小さな機械の中にだって隠すことができます。」
私は、ネリー嬢に自分のコダック製カメラを見せた。
「このカメラの中には、彼女の全ての宝石が入る十分なスペースがあります。写真を撮るふりをすれば、誰も宝石がそこにあるとは思わないでしょう。」
「でも、すべての泥棒が手がかりを残す、と言われてますわ。」
(直訳:でも、人々はすべての泥棒が手がかりを残すと言います。/この文章のpeopleは乗客ではなく一般の人々)
「それはほとんどの泥棒には当てはまるかもしれませんが、アルセーヌ・ルパンには当てはまりませんよ。彼は素晴らしい泥棒です。誰も彼を見つけることはできないと私は思います。」
実際、その後2日間、誰もルパンを見つけることはできなかった。その間に、船長の時計が盗まれ、その後、一等航海士の部屋で(時計が)見つかった。ルパンは楽しんでいるようだった。
翌日の夕方、1人の船員が、船の一番暗い角から、誰かが助けを求めて叫んでいるのを聞いた。
「助けて!誰か助けて!」
男性が、頭に灰色のスカーフを巻かれ、床に横たわっていた。両手は紐で縛られていた。それはロゼーヌだった。
「突然襲われたんだ。男が私の財布を盗んでいった!」
ロゼーヌのコートにはメモが残されていた。メモにはこう書かれていた。
「1万フランありがとう。私、ルパン本人が、いただきに来ました。」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
(2024年10月の再放送時に追記します)