NHKラジオ英語番組「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」
2024年4月19日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「ルパンの逮捕 第3話」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳している部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
It’s Friday!
森崎ウィンです。
毎週金曜日は「Lupin, The Gentleman Thief」
毎月4話完結で、怪盗紳士ルパンの名作をお届けします。
今日は「ルパンの逮捕の第3話」
ヨーロッパからアメリカに渡る船の中に、ルパンが紛れているという無線が入りました。
ロゼーヌって男がルパンの可能性が濃厚となりましたが、実際どうなのでしょうか。
それでは、Let’s listen!
The Arrest of Arsène Lupin -ルパンの逮捕 第3話-
船の乗客たちは、ロゼーヌがいたずらをしていると思った。
ある乗客が言った。
「ロゼーヌが自分のお金を盗んだのよ、そうすれば皆が自分をルパンだと考えなくなるわ。」
しかし私は知っている、自分で自分の手をそのように縛ることは不可能だと。
そして、ロゼーヌの胸に残されたメモの筆跡は、ルパンのものと全く同じだった。
誰もが恐怖を感じた。今は誰もがルパンになり得る。
アメリカから無線が入り始めたが、船長は、無線が知らせている内容を我々には教えなかった。その沈黙が我々を怖がらせた。
とうとう船上での最後の日になった。時間がとても長く感じられるようだった。
しかし私にとっては、それは楽しい時間だった。
ルパンのおかげでネリー嬢に近づくことができた。彼女は怖がっており保護を求めていたので、私は喜んでそれを与えた。私は、愛と幸せの甘美な夢の中にいるような気分だった。
アメリカの海岸へ近づくにつれて、アルセーヌ・ルパンの捜索は止まった。
誰がルパンなのか知る瞬間を、皆が待っていた。
「あなたはとても興奮なさっているように見えるわ、ダンドレジーさん」
ネリー嬢が私の腕に弱々しく寄りかかりながら言った。私は同意した。
「考えてみてください!これはとても興奮する瞬間で、それをあなたと一緒に過ごす機会を得たんです。」
我々が船着き場に到着すると、税関職員が船に乗り込んできた。
「ルパンがすでに船から逃げ出していても驚かないわ。」
「そうですね、ネリー嬢。おそらく、彼はむしろ死にたかったのかもしれません、捕まる代わりに。彼は海に飛び込むことができたかもしれない。」
「あなたは冗談を言って、楽しんでいらっしゃるのね!」
「失敬。待って、あちらを見てください。あの桟橋に立っている小さな老人が分かりますか?」
「傘を持って、オリーブグリーンのコートを着てらっしゃる方のこと?」
「ええ、彼がガニマールです。」
「刑事の?」
「はい、ルパンを捕まえるのは自分だと言っています。なるほど、だからですね!」
「何をおっしゃっているの?」
「今、理解しました、我々が何の情報も得られなかった理由を。ガニマールは、自分の仕事を秘密にしておくのが好きなのです。」
「それなら今回は、彼がルパンを捕まえると思われますの?」
「さあ?」
(Who knows?は決まり文句。誰が知っているでしょう → 誰も知らない、さあ?、知らないよ)
「ああ、逮捕を見るのが待ちきれませんわ!」
「我慢してください、ネリー嬢」
乗客たちは船から降り始めた。
多くの乗客がガニマールの前を通り過ぎたが、ガニマールは彼らには何の注意も払わなかった。
そして、ロゼーヌが現れた。彼が船から降りる番だった。
「私はまだ、ロゼーヌさんがルパンだと思ってますの。あなたはどう思われます?」
「ロゼーヌ氏とガニマール刑事の写真を一緒に撮ったら、とても面白いと思います。私は両手がふさがっています。撮影してもらえますか?」
私はネリー嬢にカメラを渡したが、遅すぎた。
ロゼーヌはすでに刑事の前を通り過ぎていた。ルパンは彼じゃなかった!
それでは、アルセーヌ・ルパンは誰なのか?
ついに我々の行く時が来た。
だが、我々が10歩も進まぬうちに、ガニマール刑事が私たちの前に歩み出た。
「君、少しよろしいかな。」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
ロゼーヌがルパンじゃなかった!
ルパンを追うガニマール刑事が声をかけたのは、まさかのダンドレジーでしたね。
ダンドレジーはルパンにすごい詳しい様子でしたね。
果たして、これはどうなっていくことでしょうか。
ぜひぜひ来週もお楽しみに。
Don’t forget to come back on Monday!