NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年8月8日(木)放送分
古典が語る西洋の知恵
「The King with Donkey Ears -王様の耳はろばの耳-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdon from the West」をお送りしています。
「ギリシャ神話」”Greek Myth” から、西洋の表現や考えなどを学びます。
今日お送りするのは「The King with Donkey Ears、王様の耳はろばの耳」です。
先週のミダス王がまた登場しますよ。
それでは、聞いてみましょう。
The King with Donkey Ears -王様の耳はろばの耳-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたは知っていますか？ / 物語を / ある王様の / ロバの耳を持つ。
もしかしたら / あなたは聞いたかもしれません / それ(物語)を / 以前に。
この物語もまた来ています / ギリシャ神話から。
ある日、音楽コンテストがありました / 2人の神の間で。
1人の神はパン、神でした / 自然と野原の。
もう1人の神はアポロ、神でした / 太陽、音楽 / そして / その他多くのものの。
パンは言いました / 彼の信者たちに。
「私の音楽は素敵だ。
私は思う / 私の音楽は良い / アポロの音楽と同じぐらい / そして / もしかしたら / もっと良いかもしれない！」
彼の信者の1人は、ミダス王でした。
ミダスは王です / 物に触れた / そうすると / それら(王に触れられたもの)が変わる / 金に。
しかし / その後、彼はひどく嫌いました / 裕福な生活を / そして / 住みました / 田舎に。
ミダス王は言いました。
「私は思います / あなたは正しいです、パン。
あなたは最高の音楽家です。」
アポロが聞いたとき / これを、彼は同意しました / 開催することに / 音楽コンテストを。
アポロは頼みました / 山の神に / 審判になるように。
パンが演奏しました / 最初に。
それは美しかった / 単純に。
次に、アポロが立ち上がりました / そして / 演奏しました / 彼のハープを。
その調和は魔法のようでした。
山の神はすぐに言いました。
「アポロが勝者だ。」
そこにいた全員が同意しました、しかし / ミダス王は反対しました。
「私はそう思いません。
私は思います / パンの方が良かったと。」
アポロは怒りました / ミダス王に。
彼(アポロ)は言いました。
「お前の人間の耳は、何の役にも立たない！」
突然、ミダス王の耳が始めました / 長くなり / 毛が増えて / そして / 見えました / まるでロバの耳のように。
ミダス王は驚きました / そして / 悲しみました。
しかし / 彼は考えました。
「もし私がかぶれば / 何か大きなものを / 自分の頭に、私は隠せる / それら(耳)を。」
それで、彼は隠しました / 彼のロバの耳を、そして / 誰もわかりませんでした。
しかし / 1人が知っていました / 王の秘密を。
それは王の美容師でした。
ミダス王は言いました / 美容師に。
「言うな / 誰にも。
もしお前が破れば / 約束を、私は殺す！ / お前を。」
美容師は怖がりました / そして / 約束を守りました。
しかし / しばらくすると、彼は思いました。
「私はこの秘密を守れない / これ以上。
何が私にできるだろうか？」
それから、彼は考えを思いつきました。
美容師は掘りました / 深い穴を / 地面に / そして / 言いました / 静かに / その穴に向かって。
「王様の耳はロバの耳だ！」
それから、彼は埋めました / その穴を。
美容師は思いました。
「私はとても気分が良くなった！ / 今。」
そして去りました。
やがて / 草が始めました / 生えることを / その穴の上に。
それ(草)が高くなったとき、それは始めました / ささやくことを / その秘密を。
「王様の耳はロバの耳だ。」
そして / 皆が知りました。
今 / あなたは知っています / 元の物語を / その王様の / ロバの耳を持つ。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
ロバの耳を持つ王様の物語をご存知ですか？
もしかすると、以前に聞いたことがあるかもしれません。
この物語もまた、ギリシャ神話に由来しています。
ある日、2人の神の間で音楽コンテストがありました。
1人は、自然と野原の神であるパンでした。
もう1人は、太陽、音楽、その他多くの物の神であるアポロでした。
パンは信者たちに言いました。
「私の音楽は素敵だ。アポロの音楽と同じくらい、もしかしたらもっと素晴らしいかもしれない！」
彼の信者の1人が、ミダス王でした。
ミダスは、物に触れるとそれが金に変わる王です。しかしその後、ミダス王は裕福な生活を嫌い、田舎に住んでいました。
ミダス王は言いました。
「あなたが正しいと思います、パン様。あなたは最高の音楽家です。」
アポロはこれを聞き、音楽コンテストを開催することに同意しました。
アポロは、山の神に審査員を依頼しました。
パンが最初に演奏しました。
それは単純に美しいものでした。
次にアポロが立ち上がり、ハープを演奏しました。
その調和は魔法のようでした。
山の神はすぐに言いました。
「アポロが勝者だ。」
そこにいた全員が同意しましたが、ミダス王は反対しました。
「私はそう思いません。パン様の方が良かったと思います。」
アポロはミダス王に怒りました。
「お前の人間の耳は、何の役にも立たない！」
突然、ミダス王の耳が、毛が増えて長くなり始め、そして、まるでロバの耳のようになりました。
ミダス王は驚き、悲しみました。
しかし、彼は考えました。
「頭に何か大きなものをかぶれば、耳を隠せるだろう。」
それで、彼はロバの耳を隠し、誰もわかりませんでした。
しかし、ある人が王の秘密を知っていました。王の美容師です。
ミダス王は美容師に言いました。
「誰にも言うな。約束を破ればお前を殺す！」
美容師は怖がり、約束を守りました。
ですが、しばらくして、彼は思いました。
「もうこれ以上は秘密を守れない。どうしよう？」
そこで、彼はアイデアを思いつきました。
美容師は地面に深い穴を掘り、その穴に向かって静かに言いました。
「王様の耳はロバの耳だ！」
それから、穴を埋めました。
美容師は思いました。
「これでとても気分が良くなった！」
そして去りました。
やがて、その穴の上に草が生え始めました。草が伸びると、あの秘密をささやき始めました。
「王様の耳はロバの耳だ。」
そして、皆が知ることになりました。
これで、ロバの耳を持つ王様の元々の物語がわかりましたね。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
この話、違うバージョンはね、僕ミャンマーで小さい頃、聞いたことあるんですけど、この大本が「王様の耳はろばの耳」ってのは、今日初めて知りました。
いやー、勉強になりました。
See you tomorrow!
