NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年6月5日(木)放送分
哲学者からの答え
『I Lost My Pet』
ペットロスから立ち直れない
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日にお送りするのは「Answers from Philosophers、哲学者からの答え」
今日の悩みは「I Lost My Pet」
ペットの愛犬を亡くし、悲嘆に暮れているという少年からの相談です。
フロイトが「悲しみのプロセス」を紹介してくれます。
では早速、聞いてみましょう。
Let’s 哲学!
I Lost My Pet – ペットロスから立ち直れない
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Tom: こんにちは、皆さん!
トムと小林昌平です / 「哲学者からの答え」の!
昌平はたくさん知っています / 哲学について、だから / 私は確信しています / 私たちが助けられると / あなたが答えを見つけることを / あなたの心配事への。
昌平、私たちはメッセージがあります / 中学生の男の子から / 今日。
Shohei: 何が彼を悩ませているのでしょうか。
Takuma: 僕はタクマです / それで / 僕の犬のチョコが死んで以来ずっと、僕は気分になりません / 何かをする。
僕は悲しすぎます。
僕たちは一緒に成長しました / そして / 僕たちは一緒に遊びました / 毎日。
彼女(犬のチョコ)がいなくて寂しいです / とても。
何を僕はすべきですか?
Tom: タクマ、お気の毒に思います / あなたの犬について聞いて。
そして / 私は完全に理解できます / どのようにあなたが感じているか。
私はとても悲しかった / 私の猫が死んだ時。
彼(Tomの猫)は大きな一部でした / 私の家族の。
昌平、誰かいますか / タクマを助けられる人が?
Shohei: はい、ジグムント・フロイトです。
彼は哲学者ではなく / 偉大な思想家です。
(構文:not A but B)
Tom: 私は聞いたことがあります / 彼の名前を / 以前!
Shohei: 私は確信します / あながた聞いたことがあると。(you have heard)
フロイトは言いました / 悲しみはプロセスだと。
Tom: プロセス?
さらに教えていただけますか?
Shohei: はい。
彼(フロイト)は言いました / あなたが失ったとき / 誰かを / あなたにとって大切な、あなたは経験します / 悲しみのプロセスを。
最初の段階は / 本当に悲しむことです / 特別な誰かを失ったことについて。
次の段階は / ゆっくりと回復することです / あなたの喪失から。
Tom: なるほど。
時間がかかります。
Shohei: そうです。(時間がかかります)
自然です / 悲しむことは / 長い間 / 特別な誰かがいなくなると。
あなたはたくさんのエネルギーを注ぎます / 誰かを愛することに。
だから / 簡単ではありません / 突然やめることは / それをする(誰かを愛する)のを。
たとえ / あなたのペットがもはやいなくても / あなたと一緒に、それらの感情(愛と悲しみ)はただ止まるわけではありません。
今 / あなたは経験しています / ふたつの感情を / 愛と悲しみ。
Tom: それは本当です。
私の猫が死んだ後、私は彼(猫)の夢を見ました / とても長い間。
Shohei: あなたの夢は1つの方法でした / あなたにとって / 処理するための / あなたの悲しみを / 良くなる(回復する)ために。
あなたは必要でした / この時間が / あなたの感情にとって / 変化し / そして / 前に進むために。
最後に、あなたが感じることができなくなった時 / これ以上悪く、あなたは距離を置くことができました / あなたと感情との間に / あなたが持っていた(感情) / 猫に対して。
その強い感情は変わりました / より柔らかな感情に。
Tom: なるほど。
Shohei: あなたは説明していました / 状況を / 自分自身に。
あなたは必要でした / 受け入れることが / その現実を。
Tom: それは大変でした。
Shohei: 私は分かります、しかし / 人は全てを経験すると、彼ら(人)は理解します / 彼ら(人)は生きなければならないと。
特別な誰かはいなくなりました、でも / 彼ら(特別な人)を愛したその人は / まだここにいる。
彼ら(人)はまだ感じるかもしれません / 悲しみを、ですが / それは変わります / より静かな / そして / より柔らかい悲しみに。
彼らの時間は / 一緒の(一緒に過ごした) / 良い思い出になるでしょう。
Tom: タクマ、私たちはあります / あなたの答えが!
自然です / 悲しむことは。
悲しんでください / あなたができなくなるまで / これ以上悲しく。
そして / あなたがいる時 / 悲しみの底に、あなたは見つけるでしょう / 強さを / 先へ進むための!
Shohei: はい、それは重要なプロセスです / あなたが経験する必要のある。
Both: また次回お会いしましょう!
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Tom: 皆さん、こんにちは!
「哲学者からの答え」のトムと小林昌平さんです!
昌平さんは哲学のことをたくさんご存じですので、私たちはきっと、皆さんの心配事に対する答えを見つける手助けができるでしょう。
昌平さん、今日は、中学生の男の子からメッセージが届いています。
Shohei: 何が彼を悩ませているのでしょうね。
Takuma: 僕はタクマです。僕の犬のチョコが死んでからずっと、何かをしたい気分になれません。悲しすぎます。僕たちは一緒に成長して、毎日一緒に遊んでいました。チョコがいなくてとても寂しいです。どうすればいいですか?
Tom: タクマくん、君の犬のことを聞き、お気の毒に思います。そして、君がどんな気持ちか、私は完全に理解できます。
私の猫が死んだ時、とても悲しかった。彼は家族の大事な一員でした。
昌平さん、タクマくんを助けられる人はいますか?
Shohei: はい、ジグムント・フロイトです。
彼は哲学者ではなく、偉大な思想家です。
Tom: 以前、彼の名前を聞いたことがあります!
Shohei: きっとあるでしょうね。
フロイトは言いました、悲しみはプロセスだと。
Tom: プロセス?
もっと詳しく教えていただけますか?
Shohei: はい。
フロイトは言いました、あなたにとって大切な誰かを失うと、悲しみのプロセスを経験すると。
最初の段階は、特別な人を失ったことを本当に悲しむことです。
次の段階は、その喪失からゆっくりと回復していくことです。
Tom: なるほど。時間がかかるのですね。
Shohei: そうです。
特別な人がいなくなると、長い時間、悲しみを感じることは自然です。誰かを愛することには、多くのエネルギーを注ぎますからね。ですから、愛することを突然やめるのは、簡単ではありません。たとえペットがもう一緒にいなくても、それらの気持ちがただ単純に止まるわけではありません。
今、あなたは、愛と悲しみというふたつの感情を経験しています。
Tom: その通りです。
私の猫が死んだ後、とても長い間、彼の夢を見ました。
Shohei: その夢は、トムが回復するために悲しみを処理する方法でした。トムにはこの時間が必要だったのです、自分の感情が変化し先へ進むために。
やがて、これ以上悪くはならないと感じることができた時、トムは距離を置くことができた、自分と猫に抱いていた感情との間に。
強い感情が、より穏やかな感情に変わったのです。
Tom: なるほど。
Shohei: トムは自分自身に状況を説明していたのです。その現実を受け入れる必要がありました。
Tom: つらかったです。
Shohei: 分かります。しかし、人はすべてを経験すると、生きなければならないことを理解します。
特別な誰かはいなくなったけど、誰かを愛していたその人は、まだここにいる。まだ悲しみを感じるかもしれませんが、それはより静かで穏やかな悲しみに変わります。一緒に過ごした時間が、良い思い出になるでしょう。
Tom: タクマくん、君の答えがありますよ!
悲しむのは自然なことだ。
悲しむんだ、これ以上悲しめなくなるまで。そして悲しみの底にいる時、前に進む強さを見つけるだろう!
Shohei: そうです、それは君が経験する必要がある重要なプロセスです。
Both: また次回お会いしましょう!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
フロイトさん、ありがとうございます。
大切な存在を失ったときは、とことん悲しんでいいんですね。
そのあとは、時間をかけてゆっくり、悲しみから回復していけばいいと。
つまり、悲しみとしっかりと向き合うことが大切だと、言っているわけですね。
いやー、わかりました。
それではまた明日。
参考図書
2025年度前期(4月~9月)木曜日のテーマ「哲学者からの答え」は、下記の本を参考に英文が執筆されています。
著者:小林昌平さん (哲学者)
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』