NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年7月31日(木)放送分
哲学者からの答え
『I Don’t Have a Dream』
将来の夢を決めないといけないの?
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日にお送りするのは「哲学者からの答え」
今日の悩みは「将来の夢はないといけないの?」です。
中学生の子どもから質問され、答えに困ったお母さん。
今回、解決のヒントになるのは、心理学者のクランボルツによるキャリアに関する理論です。
ストーリーに出てくる、
“unexpected” は「思いがけない」
“curious” は「好奇心の強い」という意味です。
Let’s 哲学!
I Don’t Have a Dream – 将来の夢を決めないといけないの?
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Tom: トムです / そして、
Shohei: 小林昌平です / 『哲学者からの答え』の。
Tom: 私たちはここにいます / 助けるために / あなたが答えを見つけることを / あなたの心配事に対する。
私たちはメッセージがあります / カナコからの、中学生の母親です。
Kanako:こんにちは。
私の子供についてです。
宿題で、彼は書かなければいけません / 彼の将来の夢について、そして彼はできません。(書けない)
彼は数学が得意です、だから / 彼は書けるはずです / 何かを / 科学者や研究者になることについて。
しかし / 彼はとても真面目なので / 彼は書きたくありません / 何も / 彼が確信していないことについて。
(構文:so ~ that ~)
彼は私に尋ねました、
「僕は持っていなければなならないの / 夢を / もうすでに?」
どのように / 私は答えることができますか / その質問に?
Tom: うーん、彼はたった中学校にいるだけだ。
(中学生に過ぎない、中学しか経験していない)
私が高校にいた時 、私はスピーチをしなければいけなかった / 私の夢について。
私は持っていなかった / 何も、だから / 私はただ言った / 私はなりたいと / 消防士に。
昌平、彼は決めなければなりませんか / 彼の将来を / 今?
Shohei: 私は思いません / カナコの息子が / 決めなければならないと / 今。
Tom: 本当ですか?
彼は計画しているべきではないのですか / キャリアを?
Shohei: 私に話させてください / あなたに / 心理学者について / クランボルツと呼ばれる。
彼は哲学者ではありません、しかし / 彼は思いつきました / 哲学的な答えを / 1990年代に。
Tom: OK、今 / 私は興味があります!
Shohei: クランボルツは言いました / 人のキャリアは築かれると / 行き当たりばったりの出来事によって。
あなたは計画しない / それら(random events)を。
あなたはただ / それら(random events)を起こさせておかなければならない。
Tom: ということは、あなたは必要ない / 計画が?
Shohei: クランボルツは話しました / 人々と / 成功した / 彼らの仕事で。
彼らのキャリアのほとんどは / 築かれた / 思いがけない機会で。
それらの機会(unexpected opportunities)が / 連れて行った / 彼らを / 新しい場所へ。
Tom: 私は理解しました。
私は話すことが大好きでした、だから / 私は始めました / ポッドキャストを / 私が20代の時。
それから / 友人が紹介しました / 私を / あるディレクターに / 小さなラジオ局で、そして / 彼(ディレクター)は私に与えました / 機会を / 少し話すための / 彼の番組の1つで。
今 / 私は司会をしています / 私自身のラジオ番組で!
Shohei: それはまさに / 私が話していることです、トム。
クランボルツは伝えたかった / 世界に / キャリアは築かれ得ると / することによって / あなたが好きな何かを / そして / 見ることによって / 何が起きるかを。
(a career can be built:このcanは可能性)
利用してください / 機会を / それら(opportunities)が起こる時に。
Tom: もしあなたがすでに持っていればどうすればいいですか / 夢を?
Shohei: もしあなたが持っているなら / 何かを / あなたがしたい / 将来、それは素晴らしいです。
しかし / 準備しましょう / 変えるための / あなたの計画を / もし機会が / 突然起きれば。
柔軟でいてください / たとえあなたが持っていても / 夢を。
Tom: カナコ、私たちあります / あなたの答えが!
大丈夫です / もしあなたの息子が持っていなくても / 夢を / 今すぐ。
彼は / 彼の目と耳を開いておくべきだ / 機会に対して。
それは助けます / 彼が見つけることを / 彼の将来を。
Shohei: 良いことです / 試すのは / 違ったことを。
もし彼が好きでなければ / 何かを、それから / 彼は試すべきです / 他の何かを。
最高のことは / 人生で / しばしば / 事前に準備されていません。
しかし / それら(The best things)は起こります / 人々に / チャンスを掴む / そして / 変化を恐れない(人々に)。
Tom: 好奇心旺盛でいましょう、柔軟でいましょう / そして / チャンスを掴んでください。
必ず聞いてください / 来週!
Both: さようなら。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Tom: トムです、そして、
Shohei: 『哲学者からの答え』の小林昌平です。
Tom: 私たちは、皆さんの心配事の答えを見つけるお手伝いをするため、ここにいます。
中学生のお母さま、カナコさんからのメッセージです。
Kanako: こんにちは。私の子供のことです。
息子は、宿題で将来の夢について書かなければいけないのですが、彼は書くことができないのです。
息子は数学が得意なので、科学者や研究者になるとか何か書けるはずです。
でも、彼はとても真面目なので、自分で確信が持てないことについて何も書きたくないのです。
息子は私に尋ねました
「僕は、もう夢を持ってないといけないの?」
私は、どのようにその質問に答えればいいでしょうか?
Tom: うーん、彼は中学生に過ぎません。
私は高校の時、夢についてスピーチをしなければいけませんでした。何も夢がなかったので、消防士になりたいと、ただ言いました。
昌平さん、彼は今、自分の将来を決めなければならないのでしょうか?
Shohei: カナコさんの息子さんは、今、決めなくていいと思います。
Tom: 本当ですか?
キャリアを計画しているべきではないのですか?
Shohei: クランボルツという心理学者について、お話しさせてください。
彼は哲学者ではありませんが、1990年代に哲学的な答えを思いつきました。
Tom: おーっと、今、興味が湧きましたよ!
Shohei: クランボルツは言いました、人のキャリアは行き当たりばったりの出来事によって築かれると。
それらの出来事を計画しない。
ただ、出来事が起きるままにしておかないといけません。
Tom: ということは、計画は必要ないのでしょうか?
Shohei: クランボルツは、仕事で成功した人々と話しました。
彼らのキャリアのほとんどは、思いがけない機会によって築かれていました。それらの思いがけない機会が、彼らを新しい場所へと連れて行ったのです。
Tom: 理解しました。
私は話すことが大好きでした、そこで、20代の時にポッドキャストを始めました。すると、小さなラジオ局で、友人があるディレクターに私を紹介してくれました、そして、そのディレクターが私に、彼の番組で少し話す機会をくれました。
今、私は自分のラジオ番組で司会をしています!
Shohei: トム、それがまさに私が話していることです。
クランボルツは世界に伝えたかったのです、自分の好きなことをし、何が起きるかを見ることで、キャリアは築かれる可能性があると。
チャンスが起きた時、それを利用してください。
Tom: もしすでに夢があるなら、どうすればいいでしょうか?
Shohei: 将来やりたいことがあるなら、それは素晴らしいです。
ですが、もしチャンスが突然起きれば、計画を変える準備をしておきましょう。たとえ夢があったとしても、柔軟でいてください。
Tom: カナコさん、あなたの答えがあります!
今すぐに、息子さんが夢を持たなくても大丈夫です。チャンスに対して、目と耳を開いておくのです。それが息子さんが将来を見つける助けになります。
Shohei: いろいろなことを試すのは良いことです。もし息子さんが何かを好きでなければ、他のことを試しましょう。
人生で最高のことは、しばしば事前に準備されていません。
ですが、チャンスを掴み、変化を恐れない人々に、最高の出来事が起こります。
Tom: 好奇心を持ちましょう、柔軟でいてください、そしてチャンスを掴んでください。
来週もお聞きください!
Both: さようなら。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
将来の夢が書けなくても大丈夫。
クランボルツは、成功したビジネスマン達を調べて、こう言いましたね。
Most of their careers were built on unexpected opportunities.
多くの人のキャリアは、偶然の出来事の結果によって形成されている。
好奇心を持って、柔軟に物事を捉え、そしてチャンスが来たら掴む。
この考え大事ですねぇ。
参考図書
2025年度前期(4月~9月)木曜日のテーマ「哲学者からの答え」は、下記の本を参考に英文が執筆されています。
著者:小林昌平さん (哲学者)
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』