NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年8月6日(水)放送分
アメージング・ストーリー
『Finding Home Again』
25年目の帰郷
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は、2023年度に放送した「Amazing Stories」
今回の話は「Finding Home Again」
インド人の少年サルーは、5歳の時、駅で兄弟を見失い、家族と生き別れてしまいます。
そのあと、外国人夫婦に引き取られ、海外で暮らしますが、20代になってから、ある驚きの方法で故郷の街を探し当てます。
早速、聞いてみましょう。
Finding Home Again – 25年目の帰郷
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたは何をしますか / もしあなたが偶然に引き離されたら / あなたの家族から / そして / 連れて行かれたら / 別の国へ?
あなたは試しますか / 見つけることを / あなたの元の家族を?
ある男性が / オーストラリアの / 試みました / これを。
見ていきましょう / 何が起こったか。
1986年、サルー・ブライアリーは迷子になりました / ある駅で / 小さな村の / インドの。
彼はたった5歳でした。
彼は駅にいました / 彼の兄と / しかし / 突然 / 離れ離れになりました / 彼(兄)と。
サルーはパニックになりました / そして / 乗りました / 近くの電車に。
数日後、彼は到着しました / カルカッタの街に / 今は知られています / コルカタとして。
彼は電車に乗って戻りたかった / 彼の故郷へ、しかし / それは不可能でした。
彼は分かりませんでした / 彼の名字を / あるいは / 彼の故郷の名前を、だから / 彼は伝えることができませんでした / 人々に / 彼が誰なのか / あるいは / 彼がどこから来たのか。
生活した後 / 路上で / 数週間、彼は連れて行かれました / 家に / 子供のための / 親のいない。
それから、彼は養子にされました / スーとジョン・ブライアリーに / オーストラリア出身の。
まもなく、サルーは始めました / 彼の新しい生活を / タスマニアで。
スーとジョンは良く世話をしました(大切に育てた) / サルーの、そして / 彼は幸せでした。
しかし / 彼は時々思いました / 彼の生活について / インドの。
彼はとても幼かったにも関わらず、彼はありました / 明確な記憶が / 彼の母親と兄の。
ある日、彼が20代だった時、友人が彼に話しました / 彼が見つけることができるかもしれないと / 彼の故郷を / Google Earthのウェブサイトを使って。
そこで、2006年、彼は始めました / 見ることを。
(looking (at Google Earth website)の省略)
「私は始める / コルカタから / そして / 鉄道を追う / 街の外へ。」
サルーは分かっていました / 彼が電車に乗っていたと / 約2日間、だから / 彼は思いました / 彼の故郷は1,200kmの辺りにあったと / コルカタから。
彼はまた思い出しました / 貯水槽があったと / 駅の近くに。
サルーは探しました / その貯水槽を / インターネットの地図で。
そして、2011年に、数年後 / 検索の、彼はついに見つけました / ある場所を / 彼の故郷のように見えた、カンドワを。
2012年の初め、サルーは飛行機で行きました / インドへ。
カンドワで、彼は見つけました / ある家を / 彼が思った / 彼の子供時代の家だと。
(S+thinkは挿入節:a house that (he thought) was his childhood home.)
しかし / ドアは閉まっていました / そして / 鎖がありました / それ(ドア)を横切って。
一瞬、彼は思いました / 彼の家族が / 全員 / 死んでしまったと。
すると、ある男性が / 英語を話す / 近づいてきました / 彼に。
サルーは見せました / その男性に / ある写真を / 彼(サルー)自身の / 彼(サルー)が5歳だった時の / そして / 言いました / 彼(サルー)が探していると / 彼(サルー)の母親を。
その男性は理解しました / その状況を / そして / 連れて行きました / 彼(サルー)を / 彼の母親に会わせるために。
「私が会った時 / 私の母に、時間が止まった。」
サルーの母親は分かりました / それが彼女の息子だと / すぐに、そして / ふたりは抱き合いました / 長い間。
彼女は決して離れませんでした / その村を / なぜなら / 彼女は望んでいたからです / 彼女の見つからない息子が / いつか / 帰ってくることを。
25年後、サルーはついに一緒になりました / 再び / 彼の家族と。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
もしあなたが、不意に家族と引き離され、別の国に連れて行かれたら、どうしますか?元の家族を探そうとしますか?
オーストラリアのある男性が、それを試みました。何が起こったのか、見ていきましょう。
1986年、サルー・ブライアリーはインドの小さな村の駅で迷子になりました。彼はわずが5歳でした。サルーは、兄と一緒に駅にいましたが、突然兄と離れ離れになりました。サルーはパニックになり、近くにあった電車に乗りました。
数日後、サルーはカルカッタという街に着きました。現在コルカタとして知られている街です。彼は、電車に乗り故郷へ戻りたかったのですが、それは不可能でした。
サルーは、自分の名字や故郷の名前がわからなかったので、自分が誰なのか、どこから来たのかを、人々に伝えることができませんでした。
数週間の路上生活の後、サルーは親のいない子供たちのための家に連れて行かれました。その後、オーストラリア出身のスーとジョン・ブライアリー夫妻の養子となりました。まもなくして、サルーはタスマニアで新しい生活を始めました。
スーとジョンはサルーを大切に育てました。サルーは幸せでした。ですが、サルーは時々インドでの生活について思いました。彼はとても幼かったにもかかわらず、母親と兄についてはっきりとした記憶がありました。
ある日、サルーが20代の時、友人が言いました、Google Earthを使って故郷を見つけられるかもしれないと。そこで、2006年、サルーはGoogle Earthを見始めました。
「コルカタから始めて、街の外へと鉄道を追っていこう。」
サルーは、電車に約2日間乗っていたことを分かっていたので、故郷はコルカタから1,200kmの辺りにあると考えました。彼はまた、駅の近くに貯水槽があったことを思い出しました。サルーはインターネットの地図でその貯水槽を探しました。そして、2011年、検索を続けて数年後、ついに、故郷カンドワのような場所を見つけました。
2012年の初め、サルーは飛行機でインドへ行きました。カンドワで、子供時代の家だと思った家を見つけました。ですがドアは閉まっていて、ドアには鎖がかかっていました。一瞬、サルーは家族が全員死んでしまったと思いました。
すると、英語を話す男性が彼に近づいてきました。サルーはその男性に、自分が5歳だった頃の写真を見せ、母親を探していると言いました。男性は状況を理解し、彼を母親に会わせるため、連れて行きました。
「母に会った時、時が止まった。」
サルーの母親はすぐにそれが自分の息子だと分かりました。ふたりは長い間抱き合いました。
サルーの母親は、決して村を離れませんでした、いなくなった息子がいつか帰ってくることを願っていたからです。25年後、サルーはついに、また家族と一緒になれました。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
感動的な話ですよね。
25年ぶりにお母さんと再会ですよ!
お母さんも一発で我が子だってわかったのもすごいし。
聞いた時は感動しました。
See you tomorrow.
参考リンク
サルーが書いた自伝『A Long Way Home』がベストセラーになりました。
日本語版タイトルは『25年目のただいま』
映画『LION / ライオン ~25年目のただいま~』予告編
自伝を元に、2016年に映画化されました。
- 英題:LION
- 邦題:LION / ライオン ~25年目のただいま~
- 制作:2016年
- 公開:アメリカ、インド、オーストラリア、日本、世界各国
- 出演:
デーヴ・パテール
ニコール・キッドマン
デヴィッド・ウェナム - 受賞:
アカデミー賞 6部門ノミネート
ゴールデングローブ賞 4部門ノミネート
英国アカデミー賞 助演男優賞(デーヴ・パテール)
オーストラリア映画協会賞 12部門受賞
その他各国の映画賞 多数受賞
エンドロールが始まる前に書かれていた文章に、絶句しました。
Over 80,000 children go missing in India each year.
インドでは毎年、8万人以上の子供が行方不明になっている。