NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年5月21日(水)放送分
アメージング・ストーリー
『Lost in the Sky』- 空からの帰還
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は、2023年度に放送した「Amazing Stories」
世界各地で起きた驚きの実話をお送りします。
今日の話は「Lost in the Sky」
パラグライダーの飛行中に、巨大積乱雲に巻き込まれたエヴァは、なんと高度1万メートル近くまで上昇してしまいます。
無事に戻ってこられるのでしょうか。
早速聞いてみましょう。
Ewa Wisnierskaさんのカタカナ表記は、報道記事で統一されていないようです。
今回の放送のストーリーテラーの発音が、私には「/evə/ エヴァ」と聞こえましたので、和訳内は「エヴァ」と記載しています。
Lost in the Sky – 空からの帰還
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたが聞くと / 「パラグライディング」という言葉を、あなたは思いつくかもしれない / 人を / 穏やかに飛んでいる / 空で / 晴れた日に。
しかし / 何をあなたはするだろうか / もしあなたが突然捕まったら / 嵐に?
これは実際に起こったことである / 誰かに。
聞いてみよう / 彼女の物語を。
2007年2月、Ewa Wisnierskaは、ドイツのパラグライダー / オーストラリアにいた / 参加するために / パラグライディング世界選手権に。
彼女はパラグライディングしていた / たった約4年間 / しかし / すでに優勝していた / 多くの大会で / 生まれ持った才能が理由で。
選手権の1週間前、彼女は参加した / パラグライディング競技に / 彼女のトレーニングの一部として。
その日、空はほぼ晴れていた。
エヴァは離陸した、そして / 全てうまくいった / しばらくの間。
それから、遠くに / 彼女の前方の、彼女は見た / 2,3の嵐の雲を / ゆっくりと集まっているのを。
これは危険だった / なぜなら / それら(嵐雲)はくっついて / 1つのとても大きな強力な嵐の雲になる可能性があったからだ。(結果のto不定詞)
エヴァは思った、
「私は離れるべきだ / あれらの嵐の雲から。」
しかし / それは遅すぎた。
その新たな大きな嵐の雲は彼女を引きずり込んだ / そして / 彼女を持ち上げた / 高く高く。
彼女は使おうとした / 非常事態の措置を / 降りるために / しかし / それはうまくいかなかった。
実は、ふたりの他のパラグライダーが嵐の雲の中にいた / 彼女と一緒に。
彼らのうちの1人は脱出できた。
もう1人、中国から来た男性は / 雷に打たれた。
悲しいことに、彼は生き残らなかった。
雲の中は、気温が非常に低く / そして / 小さな氷の欠片が / 飛んでいた / エヴァのそばを。
彼女は聞こえた / 雷が落ちる音が / 彼女の周り全体で。
彼女は呼びかけた/ コーチに / 彼女の無線で / そして / 言った、
「私はいます / 大きな嵐の雲の中に。
何もありません / 私にできることは。」
エヴァは疲れた / そして / 空気はどんどん薄くなっていった。
やがて / 彼女は意識を失った、しかし / 彼女はまだ上昇していた。
彼女のGPSは示した / 彼女が上昇したことを / 9,947mまで。
それは高さに近い / 飛行機が飛ぶ!
(気温は)約マイナス50度だった / 摂氏。
ほとんどの人は生き残れないだろう / このような場所では、しかし / 約40分後、エヴァは目を覚ました。
彼女は今 / 6,900mにいた。
これはまだ危険な高さだった。
パラグライダーは通常飛ばない / 3,000mより高く。
エヴァは弱った、そして / 彼女のパラグライダーは覆われていた / 氷で、しかし / 彼女は降りなければならなかった。
そこで / 彼女は使った / 彼女の力の最後を / 操縦するために / 彼女のパラグライダーを。
「私は地球が見えた時、それは最も美しい瞬間だった。」
約45分後、彼女は着地した / 無事に。
エヴァは急いで運ばれた / 病院へ、しかし / 彼女はケガしなかった / あまりひどくは。
彼女のコーチと医師たちは信じることができなかった / エヴァがそんなに高くいて / 空に / そして / 戻ってきたことを / 生きて。
それは奇跡のようだった。
たった6日後 / この事故の、エヴァはパラグライディングに行った / 再び。
それは短い旅だった、しかし / 彼女は飛ぶことができた。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
「パラグライディング」という言葉を聞くと、思い起こすかもしれない、晴れた日に空を穏やかに飛んでいる人を。
しかし、もしあなたが突然嵐に巻き込まれたら、どうするだろうか。
これは実際に起こったことである。
彼女の物語を聞いてみよう。
2007年2月、ドイツのパラグライダー、Ewa Wisnierskaは、パラグライディング世界選手権に参加するためオーストラリアにいた。彼女は、パラグライディングをしてわずか4年ほどだったが、生まれ持った才能で、すでに多くの大会で優勝していた。
選手権の1週間前、彼女はトレーニングの一環として、パラグライディング競技に参加した。
その日、空はほぼ晴れていた。エヴァは離陸し、しばらく全てが順調だった。
その後、彼女の前方遠くに、いくつか嵐の雲がゆっくりくっついていくのが、彼女には見えた。これは危険だった。なぜなら、それらの雲は集まって、非常に大きく強力な1つの嵐雲になる可能性があったからだ。
エヴァは思った。
「あの嵐雲から離れないと。」
だが遅すぎた。
その新たな大きな嵐雲は彼女を引きずり込み、彼女をどんどん高く持ち上げた。エヴァは、降りるために非常事態の措置を使おうとしたが、うまくいかなかった。
実は、彼女と一緒に、嵐雲の中には他の2人のパラグライダーがいた。そのうちの1人は脱出できた。もう1人の中国出身の男性は、雷に打たれた。残念なことに、彼は生還しなかった。
雲の中は、気温が非常に低く、小さな氷の欠片がエヴァのそばを飛んでいた。彼女の周りのあちこちで、落雷の音が聞こえた。エヴァはコーチに無線で言った。
「大きな嵐雲の中にいます。できることがありません。」
エヴァは疲れた、それに空気はどんどん薄くなっていった。まもなく彼女は意識を失ったが、まだ彼女は上昇していた。彼女のGPSは、9,947mに達したことを示した。それは飛行機が飛ぶ高さに近い!
気温は摂氏で、約マイナス50度だった。ほとんどの人はこのような場所で生き残れないだろうが、約40分後、エヴァは目を覚ました。彼女は今6,900mにいた。これはまだ危険な高さだった。
パラグライダーは、通常3,000mより高くは飛ばない。エヴァは衰弱していて、パラグライダーは氷で覆われていた、だが彼女は降りなければならなかった。そこで、彼女は残された力を使って、パラグライダーを操縦した。
「地球が見えた時、それは最も美しい瞬間でした。」
約45分後、彼女は無事に着地した。
エヴァは急いで病院に運ばれたが、それほどひどいケガはなかった。彼女のコーチや医師たちは信じられなかった、エヴァがそんな高い上空にいて、生きて戻ってきたことに。
それはまるで奇跡のようだった。
この事故からたった6日後、エヴァは再びパラグライディングに出かけた。短いフライトだったが、彼女は飛ぶことができた。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
高度およそ1万メートル!
これみなさん、飛行機が飛ぶ高さですよ。
そんなところに行ってしまったら、”blacked out”
「意識を失って」しまいます。
ほんとに良かった、戻ってこられて。
ほんとに Amazing Story!
See you tomorrow!
参考リンク
- AFP通信の記事です。
事故から数日後の、Ewaさんの笑顔のお写真が掲載されています。
- フジテレビ『奇跡体験!アンビリバボー』では、2020年1月9日に放送されたようです。