NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年6月13日(金)放送分
小泉八雲が愛した日本の民話
『Yuki-Onna』- 雪女
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s Friday!
How’s your day going?
エンジョイ・シンプル・イングリッシュの森崎ウィンです。
毎週金曜日は、小泉八雲の作品をお送りしています。
今日の怪談は「雪女」です。
英語の、
“sew” は「縫い物をする」の意味です。
それでは、聞いてみましょう。
Yuki-Onna – 雪女
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
ある村に / 武蔵の国の / 二人の木こりが住んでいた。
茂作は老人だった / そして / 巳之吉は若者だった / 18歳の。
あるとても寒い夜、激しい吹雪が来た、だから / 彼らは決めた / 一晩休むことを / 空き小屋で。
老人は / ほとんどすぐに / 眠りに落ちた、だが / 少年は / 横たわった / 眠らずに / 長い間。
空気はなった / どんどん冷たく。
ついに、巳之吉は眠りに落ちた。
彼(巳之吉)は起こされた / 雪で / 彼の顔に吹いてくる。
小屋の扉が開いていた、そして / 巳之吉は見た / 美しい女を / 全身白い服の。
彼女は吹いていた / 彼女の息を / 茂作に向かって。
彼女の息は明るく白い煙のようだった。
それから / 彼女は向いた / 巳之吉の方を。
彼女は体を曲げた / 彼の上に、どんどん低く / 彼女の顔がほぼ触れるまで / 彼(巳之吉)に。
彼女は / それから / 微笑んだ。
「お前はとても若い / そして / かわいい。
私は傷つけない / お前を / 今。
しかし / もしお前が話したら / 誰かに、お前の母親であっても、今夜について、私はお前を殺す。」
これらの言葉とともに / その女は去った。
巳之吉は大声で呼びかけた / 老人に、しかし / 彼(老人)は答えなかった。
茂作は凍っていた。
彼(茂作)は死んでいた。
巳之吉は病気だった / そして / ひどくおびえた / 長い間 / その日以降。
しかし / 彼は話さなかった / 何も / 女について / 白い服を着た。
彼は良くなるとすぐに、彼は戻った / 働くことに / 木こりとして。
冬に / 次の年の、彼は少女を見た / 道を歩いている。
彼女は背が高く、すらりとして / とても顔立ちが良かった。
彼らは話し始めた、そして / 少女は言った / 彼女の名前がお雪だと。
彼らが着く時までには / 村に、彼らは好きだった / お互いを / とても。
二人は結婚した / そして / 10人の子供を持った。
彼ら(子供たち)は全員男前だった / とても明るい肌の。
そして / お雪は見えた / 若くて新鮮に / その日と同じように / 彼女が初めて来た(日) / 村に。
ある夜、お雪は縫物をしていた / あんどんのそばで。
巳之吉は彼女を見た / そして / 言った、
「お前の顔は私に思い出させる / 奇妙な出来事を / 私に起こった / 私が18歳の時。
私は見た / 誰かを / 美しく白い / 今のお前と同じくらい。」
お雪は縫物を続けていた / しかし / 尋ねた、
「私に話してください / 彼女について。」
そこで / 巳之吉は彼女に話した / 恐ろしい夜について / 小屋での。
「私は確かではない / それが夢だったのかどうか。
私は本当に見たのだろうか / 雪女を?」
お雪は突然立ち上がった / そして / 叫んだ / 彼の顔に向かって、
「それはわたしー!
私はあなたに話した / 私はお前を殺すと / もしお前が言ったら / 一言 / それについて。
しかし / 私はお前を殺さない / 私たちの子供たちのために。
お前はとてもよく面倒を見るべきです / 彼ら(子供たち)のことを。
もしお前がしなければ…」
彼女の叫び声は細くなった / 風の鳴き声のように。
それから / 彼女は溶けた / 明るく白い霧の中に / 上がっていった / 屋根の穴を通って。
彼女は決して見られなかった / 再び。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
武蔵の国のある村に、二人の木こりがいた。茂作は老人で、巳之吉は18歳の若者だった。
あるとても寒い夜、激しい吹雪が来たので、ふたりは空き小屋で一晩休むことにした。老人はほとんどすぐに眠りについたが、少年は、長い時間、眠らずに横たわっていた。空気がますます冷たくなった。ついに、巳之吉は眠りについた。
巳之吉は顔に吹き付ける雪で起こされた。小屋の扉が開いており、全身白装束の美しい女を見た。女は茂作に向かって息を吹きかけていた。彼女の息は明るい白い煙のようだった。
そして女は巳之吉の方を向いた。女は巳之吉の上に身をかがめた、女の顔が巳之吉に触れそうなまで、どんどん低く近づいてきた。それから彼女は微笑んだ。
「お前はとても若くてかわいいわね。今はお前を傷つけないわ。だけど、もし今夜のことを誰かに話したら、それがお前の母親でも、私はお前を殺す。」
これらの言葉とともに、その女は去った。巳之吉は老人に大声で呼びかけたが、老人は答えなかった。茂作は凍って、死んでいた。
巳之吉は、その日以来長い間、病気で、ひどく怯えていた。だが、彼は白い服を着た女については、何も話さなかった。巳之吉は回復するとすぐに、木こりの仕事に戻った。
翌年の冬、巳之吉は道を歩いている少女を見た。少女は、背が高くすらりとして、とても美人だった。彼らは話し始め、少女は自分の名前がお雪だと言った。彼らが村に着く頃には、お互いにとても好きになっていた。
二人は結婚し、10人の子供をもうけた。子供たちは皆、とても色白な男前だった。そしてお雪は、村に初めて来た日と同じくらい若くみずみずしく見えた。
ある夜、あんどんのそばで、お雪が縫物をしていた。
巳之吉は彼女を見て言った、
「お前の顔は、わしが18歳の時に起こった奇妙な出来事を思い出させる。今のお前と同じような美しく白い誰かを見たんだ。」
お雪は縫物を続けたが、尋ねた、
「彼女について教えてください。」
そこで巳之吉は、小屋での恐ろしい夜のことをお雪に話した。
「それが夢だったのかどうか分からない。わしは本当に雪女を見たのだろうか?」
お雪は突然立ち上がり、巳之吉の顔に向かって叫んだ、
「それはわたしー!
私は言いました、そのことについて一言でも話したら殺すと。ですが、私たちの子供たちのために、あなたを殺しません。子供たちをとても大切に育てるべきです。もしあなたがそうしなければ…」
彼女の叫び声は、風が泣く音のように細くなった。それからお雪は、屋根の穴を通って昇る明るく白い霧の中に溶けた。
彼女は二度と見られることはなかった。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
雪女怖い。
でもね、
I will not kill you because of our children.
こう言って、10人もの子供を置いて去らなければいけなかった雪女、ちょっと切ないですよね。
See you next week!