NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年4月22日(月)放送分
2024年10月21日(月)再放送
オリジナル・ショート・ストーリー
「The person I Admire -尊敬する人-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Hello everyone.
Welcome back to Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週月曜日は、オリジナルのショートストーリーをお伝えします。
今日は「The person I Admire、尊敬する人」
カメラマンを目指すタクミは、日々失敗ばかりで自信を失くしている時、高校時代の後輩と偶然の再会をします。
それでは早速聞いてみましょう。
Here’s today’s story.
The person I Admire -尊敬する人-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Cameraman:ああっ!うっ!
(転ぶ)
Takumi:すみません!大丈夫ですか?
Cameraman:膝が…痛い!
なぜお前は動かさなかったんだ? / そのケーブルを。
それはお前の仕事だろ! / アシスタントカメラマンとしての。
Director:カット、カット!
Cameraman:すみません、監督。
彼は新人なんです。
Director:気にしないで、私たちはみんなミスをします。
でも、小さくしてもらえますか? / あなたの声を。
我々は撮影しています / ミュージックビデオを / アイドルグループの。
だから / 私は物事を進めたいんです / 円滑に…
Cameraman:あ、もちろんです。申し訳ありません。
Director:じゃあ、休憩しましょう。
僕が買ってきました / おやつを / そして / それら(おやつ)を廊下に置いています。
自由に召し上がってください。
*******
Cameraman:タクミ、監督が怒っただろ! / 俺に / お前のせいで。
Takumi:申し訳ありません。
Cameraman:必ず片付けておくんだ / 全てのケーブルを / オレがトイレに行ってる間に、いいな?
Takumi:もちろんです。
(ため息)
Yuri:あなたは感じる必要はないですよ / そんな悲しく。
Takumi:え?
Yuri:私たちはたくさん間違えます / それに / 私たちのダンスコーチはすごく怒ります / 私たちに / 毎回。
でも / 大事なことは / 私たちが上達していくことです。
Takumi:そうですよね…
Yuri:タクミ先輩、あなたはまだ気づきません / 私がユリだと / ですね?
Takumi:え?
Yuri:私です、ユリ。
Takumi:もちろん、私は知っています / あなたがユリさんだと。
日本のみんなが知っています / あなたを。
あなたは歌手です / 最も人気のあるアイドルグループの…
Yuri:いえ、つまり / 私はユリです、マネージャーです / 私たちの高校のサッカー部の。
Takumi:僕たちの高校…
え!君があのユリちゃん?
本当に?
Yuri:やっと!
お久しぶりです、先輩。
Takumi:信じられない!えー!
僕が言いたいのは / 君はいつも静かだった / そして / 君は社交的じゃなかった / 全然。
君は遅かった / 反応することが / それに…
Yuri:先輩!
Takumi:あっ / ごめん。
意地悪なつもりじゃなかったんだ。
Yuri:大丈夫です。私は静かでした / それに / のろかった。
Takumi:えー!すごい!
僕は確信する / 誰も / 僕たちのチームの / 気付いてない / 君があのユリちゃんだと。
Yuri:それで / あなたはなりたいんですか? / カメラマンに / 先輩。
Takumi:僕?うん、まあ…
Yuri:私は確信します! / あなたはなります / 最高のカメラマンに / 世界中で。
Takumi:わからない。
僕の上司は怒る / 僕を / ずっと / そして / 僕は失っている / 自信を / 自分自身に。
多分、僕には向いてないんだ。
Yuri:言わないでください! / そんなことを。
あなたは覚えてますか? / あなたが言ったことを / あなたが導いたとき / 私たちの弱小チームを / 全国大会へ。
Takumi:いや…
Yuri:あなたは言いました、
「何もない! / 不可能なことは。」
私は追いかけることができました / 私の夢を / なぜなら / 私は信じたから / あなたの言葉を。
Takumi:ああ…
Cameraman:タクミ!なぜお前はまだ立ってるんだ? / そこに / バカみたいに。
ケーブルがまだ出てるぞ!
俺は言った / お前に / それら(ケーブル)を片付けるように!
Takumi:申し訳ございません!
私はします! / それ(片付け)を / すぐに。
Cameraman:お前は遅い! / やること / 全てが。
Yuri:話さないで! / 彼に / そんな風に。
Cameraman:何だって?
Takumi:ユリちゃん、そんなことしなくていい…
Yuri:タクミ先輩は遅くありません。
彼はおそらく成長しています! / 毎日。
私は知っています / 彼がいつも全力を尽くしていると。
彼は上手になるでしょう / あなたよりも / すぐに / そして / 彼はつまずいて転ぶこともないでしょう / ケーブルに / あなたみたいに。
Takumi:ユリちゃん!
Yuri:約束してください / あなたが怒鳴らないと / その人へ / 私が最も尊敬している(人を) / ただあなたが怒っているというだけで。
Cameraman:ええ…わかりました。
私は約束します。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Cameraman:ああっ!うっ!
(転ぶ)
Takumi:すみません!大丈夫ですか?
Cameraman:膝が…痛い!
なぜそのケーブルを動かさなかったんだ?
アシスタントカメラマンの仕事だろ!
Director:カット、カット!
Cameraman:すみません、監督。
彼、新人なんです。
Director:気にしないで、誰でもミスはしますから。
ですが、声を小さくしてもらえますか?
アイドルグループのミュージックビデオを撮影しています。円滑に進めたいんです…
Cameraman:あ、もちろんです。申し訳ありません。
Director:じゃあ、休憩しましょう。
おやつを買ってきて廊下に置いていますから、自由に召し上がってください。
*******
Cameraman:タクミ、お前のせいでオレが監督に怒られたじゃないか!
Takumi:申し訳ありません。
Cameraman:オレがトイレに行ってる間に、必ずケーブルを全部片付けておくんだ、いいな?
Takumi:もちろんです。
(ため息)
Yuri:そんなに悲しまなくていいですよ。
Takumi:え?
Yuri:私たちはたくさん間違えますし、その度にダンスコーチはすごく怒ります。
でも大事なのは、私たちが上達してるってことです。
Takumi:そうですよね…
Yuri:タクミ先輩、私がユリだってまだ気づきませんか?
Takumi:え?
Yuri:私です、ユリ。
Takumi:もちろん、ユリさんだと分かってますよ。
日本中の誰もがユリさんを知っています。
最も人気があるアイドルグループの歌手ですから…
Yuri:そうじゃなくて、ユリです、高校のサッカー部のマネージャーの。
Takumi:僕たちの高校…
え!君があのユリちゃん?本当に?
Yuri:やっと気づいてくれましたね!
お久しぶりです、先輩。
Takumi:信じられないな!えー!
だって、君はいつも静かで、全然社交的じゃなかった。反応も鈍かったし…
Yuri:先輩!
Takumi:あっごめん。悪い意味で言ったつもりじゃないんだ。
Yuri:大丈夫です。私は静かでのろかったから。
Takumi:えーすごいね!
君があのユリちゃんだって、きっとチームの誰も気づいてないだろうな。
Yuri:それで、先輩はカメラマンになりたいんですか?
Takumi:僕?うん、まあ…
Yuri:きっと世界一のカメラマンになれると思います!
Takumi:どうかな。
上司にいつも怒られて、自信をなくしているんだ。
多分、僕には向いてないんだ。
Yuri:そんなこと言わないでください!
私たちの弱小チームを全国大会へ導いたとき、先輩が言ったこと覚えてますか?
Takumi:いや…
Yuri:「不可能なことはない!」って言ったんです。
先輩の言葉を信じたから、私も夢を追いかけることができたんです!
Takumi:ああ…
Cameraman:タクミ!なんでまだそこにバカみたいに立ってるんだ?
ケーブルがまだ出てるぞ!片付けるように言っただろ!
Takumi:申し訳ございません!すぐにやります!
Cameraman:お前は何をやっても遅い!
Yuri:そんな風に彼に言わないで!
Cameraman:何だって?
Takumi:ユリちゃん、そんなことしなくていい…
Yuri:タクミ先輩は遅くなんかありません。
彼は毎日成長しているはずです!
先輩が毎日全力を尽くしていることを、私は知っています。
先輩はすぐにあなたより上手くなります。
それに、あなたみたいにケーブルにつまずいて転ぶこともないでしょうね。
Takumi:ユリちゃん!
Yuri:ただ怒ってるってだけで、私が最も尊敬する人を怒鳴らないと約束してください。
Cameraman:ええ…わかりました。
約束します。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
実は僕もね、あの、昨日、劇的な再会をしたんですよ。
12年前にお世話になった、ドラムの先生に、偶然出会ったっていうことで、すごく、あのー、縁を感じました。
今日のポイント、”outgoing”
性格のことを言うときにこう言うんですけれども、「社交的」とかのときに使いますね。
He’s really outgoing.
「彼はすごく社交的」
ふふ…(笑)
それでは、See you tomorrow!
おまけ
森崎ウィンさんがドラムの先生に偶然会ったお話は、こちらのインタビュー記事に掲載されています。
おわり