NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年7月12日(金)放送分
ルパン ~怪盗紳士~
「The Queen’s Neckless -女王の首飾り 第2話-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Oh, Yes! It’s Friday!
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週金曜日は、怪盗紳士ルパン。
今日は「The Queen’s Neckless、女王の首飾り」の第2話です。
伯爵の家に代々伝わるネックレスがなくなり、盗んだ疑いをかけられたのは、伯爵夫人の元で働いていたヘンリエッタ。
それから月日が経ち、伯爵が開催したパーティで、フロリアーニという青年が、事件を驚くべき視点で推測します。
それでは、Let’s dive into the story!
容疑をかけられた伯爵夫人の使用人の女性”Henriette”、こちらの和訳では”アンリエット”としています。
その他の人名も、偕成社文庫「アルセーヌ・ルパン全集1」の翻訳に合わせています。
前回までの『The Queen’s Neckless』
第1話はこちらです。
The Queen’s Neckless -女王の首飾り 第2話-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
「女王の首飾り」は興奮を巻き起こした / それ(ネックレス)が初めて作られたとき / 18世紀に、そして騒ぎを引き起こした / 再び / 100年後に。
なんと奇妙な偶然の一致!
盗難から数年後、昼食会が開かれた / ドルー・スピーズ伯爵の家で。
彼らが楽しんでいた時 / 食後のコーヒーを / 会話の話題が変わった / 事件(の話)へと / 行方不明の女王の首飾りの。
客たちは述べた / 自分たちの考えや仮説を。
何ひとつ現実的ではなかった。
すると / 伯爵夫人が尋ねた / 紳士に / フロリアーニという名の / 彼の意見を。
「あなたはどう思われますの?」
「ああ、私ですか?私に意見はないですよ。」
しかし、すべての客が要求した / 彼の意見を聞くことを。
彼の父は裁判官だった、そして / 彼はちょうど話していた / いくつかの冒険について。
それは証明した / 彼が優れた判断力を持ち / 賢いことを。
「確かに、私は助けました / 謎を解決することを / 最も利口な刑事でさえ解決できなかった(謎を)。
ですが / 私はシャーロック・ホームズではありません、それに / 私はほとんど知りません / この事件について。」
皆が伯爵の方を向いた、それで / 彼は説明しなければならなかった / 事件について / 行方不明の首飾りの。
「とても奇妙に聞こえます / 最初は、ですが / 私は思います / それは単純な事件だと。」
「続けてください。」
「泥棒は侵入しました / 窓から。他に方法はありません。」
「だが / 私が言ったように、窓は鍵がかかっていました。」
「ええ、もしあなたが置けば / 板やはしごを / アンリエットの部屋と窓の間に…」
「言ったでしょう、窓は鍵がかかっていたと!」
「ええ、聞きました。ですが / 小窓はどうです? / メインの窓の上の。」
「どうやってあなたは知ったのですか? / 別の窓があると。」
「ほとんどの家に / あなたの家のような / あります / それが(小窓が)、そして / そのような窓がなければ、この強盗は行われません。」
「小窓はあります、でも / それは閉まっていました / 同様に。
それで / 我々は注意を払いませんでした / それに。」
「それがあなたのミスです。もしあなたが見ていたら / 注意して、あなたは気づいていたでしょう / それが開いていたことに。」
「どうやって?」
「金属線がありますね? / リングのついた / 底に。
そして / その金属線は繋がっている / その小窓に。
あなたは金属線を引っ張る / それ(小窓)を開けるために。
私は正しいですか?」
「そうです!
しかし / 金属線は家の中にあります。
どうすれば誰がそれ(金属線)を引っ張ることができますか? / 外から」
「まず、誰かが穴を開けます / 窓に。(注:大きい方の窓)
次に、彼らは鉄の棒を入れます / 穴を通して / そしてリングを引きます。
窓が開きます。(注:開くのは小窓)」
伯爵は笑った。
「あなたの仮説は素晴らしい! / ですが / 穴はありませんでした / 窓には。」
「見えにくいです / でも / それ(穴)はそこ(窓)にあります。」
伯爵は立ち上がった / 興奮して / そして / 部屋を歩き回った / 神経質に。
「あなたは部屋を見たことがないでしょう、なのに / あなたは知っていました / 小窓があることを。それに / あなたは自信に満ちています / 穴があると。」
フロリアーニは微笑んで言った。
「これはただの仮説です。
行って、ご覧になってはいかがでしょう?私が間違っているかどうか」
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
「女王の首飾り」が18世紀に初めて作られたとき、興奮を巻き起こした。そして100年後、再び騒ぎを引き起こした。
なんという奇妙な偶然だろう!
盗難から数年後、ドルー・スピーズ伯爵の家で昼食会が開かれた。彼らが食後のコーヒーを楽しんでいる時、話題が行方不明の女王の首飾り事件に変わった。
客たちは自分の考えや仮説を述べたが、どれも現実的ではなかった。
すると、伯爵夫人がフロリアーニという名の紳士に意見を求めた。
「あなたはどう思われますの?」
「あっ、私ですか?意見はありませんよ。」
しかし、客たちは皆、彼の意見を求めた。
彼の父は裁判官で、ちょうどいくつかの冒険について彼が話したところだった。それは彼が優れた判断力を持ち、賢明であることを証明した。
「確かに、私は、最も利口な刑事でさえ解けなかった謎を解決するのを手伝ったことがあります。ですが、私はシャーロック・ホームズではありませんし、この事件についてはほとんど知らないんですよ。」
皆が伯爵の方を向いたので、彼は行方不明の首飾り事件について説明せねばならなくなった。
「最初はとても奇妙に聞こえますが、これは単純な事件だと思います。」
「続けてください。」
「泥棒は窓から侵入しました。他に方法はありません。」
「でも申した通り、窓には鍵がかかっていました。」
「板やはしごを、アンリエットの部屋と窓の間に置けば…」
「窓には鍵がかかっていたと言ったでしょう!」
「ええ、聞きました。でもメインの窓の上にある小窓はいかがです?」
「別の窓があると、どうやって分かったのですか?」
「ほとんどのあなたのような家には小窓がありますし、そういった窓がなければ、この強盗はできません。」
「小窓はありますが、同じく閉まっていましたよ。だから我々は注意を払わなかったのです。」
「それがあなたのミスです。もし注意してご覧になっていれば、それが開いていたことに気づかれたでしょう。」
「どうやって?」
「底にリングのついたワイヤーがある。ですよね?そのワイヤーは小窓に繋がっている。あなたはそのワイヤーを引っ張って小窓を開ける。正解ですか?」
「そうです!しかしワイヤーは家の中にあるんですよ。どうやって外からそれを引っ張るというのです?」
「まず、窓に穴を開ける。次に、鉄の棒を穴に入れて、リングを引き下げる。小窓が開く。」
伯爵は笑った。
「あなたの仮説は素晴らしい!だが、窓に穴はありませんでしたよ。」
「見えにくいですが、窓に穴はありますよ。」
伯爵は興奮して立ち上がり、部屋をいらいらした様子で歩き回った。
「あなたは部屋を見たこともないのに、小窓があることをご存じだった。それに穴があると自信満々だ。」
フロリアーニは微笑んで言った。
「これはただの仮説ですよ。私が間違っているかどうか、行ってご覧になってみてはいかがです?」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
大きな窓の上の小窓を開けるために開けられた小さな穴が開いてるはずだと。
どんだけ開くんだ!
フロリアーニ氏が言いましたね。
てか、ルパンどこぉ??ねぇ!早く出てきて!
Make sure to join us next Monday!