NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年8月26日(月)放送分
オリジナル・ショート・ストーリー
「Grandma’s House -田舎のいいところ-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Hello, everyone.
This is Morisaki Win for Enjoy Simple English.
毎週月曜日は、オリジナルの「Short Stories」
今日は「Grandma’s House、田舎のいいところ」
友人チカの祖母の家でグランピングができると聞いて、付いてきたユウリ。
しかし、どうも何かが違ったようです。
Here’s today’s story!
Grandma’s House -田舎のいいところ-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Yuuri: チカ、どれぐらいさらに遠いの?
私は思わない / 私が登れるって / もう長くは。
私の足がとても疲れた!
Chika: もうすぐよ、ユウリ。
私たちがこの山を登れば / 多分あと10分、私たちには見えるわ / 大きな木が。
私のおばあちゃんはいつも採ってるの / おいしいきのこを / その木の近くで。
Yuuri: 確かなの? / あなたが採れるのか / ちゃんとしたもの(きのこ)を。
Chika: もちろんよ!
私は食べてきたわ / そのきのこを / 私が子供の頃から。
私たちはそれを入れるの / お味噌汁に。
あ、パスタが / そのきのこ入りの / 最高よ。
Yuuri: あなたは私を空腹にさせているわ。
でも、私は思わなかった / 私たちの休暇がこんな風になるとは。
Chika: どういう意味?
Yuuri: あなたは言ったわ / この場所がグランピングみたいだって。
だから私は来たの。
ここはただの田舎だわ。
何もない! / ここ。
Chika: そんなこと言わないで。
おばあちゃんの家はきれいで素敵だった / でしょ?
それ(おばあちゃんの家)にはある / お風呂もベッドも。
それはまるでグランピングよ!
Yuuri: 違う。それは違う。
グランピングは華やかなキャンプよ。
あなたのおばあちゃんの家では、私たちは木を割らなきゃいけない / 火を起こすために。
そして / 私たち水をくみ上げなきゃいけない / 井戸から / 自分たちで。
最悪なのは / 私が使えないこと / 私の携帯電話を!
電波がない / ここは!
Chika: まあ、良いことよ / 都会から出るのも / 時々は。
Yuuri: 私は大好きなの / 都会の生活が。
私は都会派なんです!
私は行きたい / コンビニに / 今すぐ!
Chika: ユウリ、声を上げないで / そんなふうに。
Yuuri: どうして?
誰もいないわ / 私の声を聞ける(人は)。
Chika: イノシシがいるわ。
Yuuri: 冗談でしょ。イノシシ?
ねえ、待ってよ!
Chika: じゃあ / もっと早く歩いて。
Yuuri: それで、どうしてあなたのおばあちゃんは住んでるの? / ここに / 1人きりで。
Chika: 私あんまりよくわからないの。
Yuuri: あなたは聞いたことないの? / 彼女に。
彼女はもうすぐ80歳です。
彼女は住んでいます / 遠く離れて / あなたの家族から。
Chika: そんなに遠くないわ。
私たちは彼女を訪ねます / 時折。
Yuuri: 彼女は何をするの? / 彼女が病気になったら。
私は見なかった / 病院を / 近くに。
Chika: ないわ(病院が)。
Yuuri: ずっともっと便利よ / 住む方が / 都会に。
話してみたら? / 彼女に。
Chika: どうして私が?
Yuuri: だって / あなたは彼女の孫です / そして / 彼女は大切です / あなたにとって。
Chika: 私は大好きよ / 彼女が / とても、でも彼女は絶対に離れないわ / 彼女の家を。
Yuuri: 教えなさいよ / 彼女に / どれだけ生活が楽か / 都会での。
教えてあげて / 彼女に / オンラインショッピング / それに / さまざまな種類を / 娯楽の。
Chika: ユウリ、みんなが望んでないの / 便利な生活を。
Yuuri: え?
Chika: ここでの生活が、おばあちゃんを幸せにしてるの。
それが正しいことなの / 彼女にとって。
私たちの家族は尊重してる / 彼女の選択を。
Yuuri: 本当に?それは変よ。
Chika: ここよ!
Yuuri: 私は聞こえる! / 何かが。
え、やだ、イノシシよ!
Yuji: 待って、僕です。
Chika: ユウジ?
Yuji: チカ?
君もここにいるの? / きのこのために。
Chika: もちろんよ。
ユウリ、こちらは私の幼馴染です / ユウジです。
ユウジ、こちらはユウリです、私の友達 / 東京から来た。
Yuji: この場所はまるで別の惑星みたいに思えるだろうね / 君にとって。
Yuuri: 全然。私は大好きです / 田舎が。
Chika: ユウリ?
Yuuri: どうしてあなたは私に教えてくれなかったの? / 彼について。
彼は私のタイプよ!
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Yuuri: チカ、どれぐらい遠いの?
もう長くは登れないと思う。足がすごく疲れた!
Chika: もうすぐよ、ユウリ。
あと10分くらい山を登れば、大きな木が見えるわ。
おばあちゃんがいつも、その木の近くで、おいしいきのこを採ってるの。
Yuuri: 本当にちゃんとしたきのこが採れるの?
Chika: もちろんよ!
子供の頃から、そのきのこを食べてきたわ。
きのこをお味噌汁に入れるの。
あ、きのこ入りのパスタは最高よ。
Yuuri: お腹が空いてきたわ。
でも、休暇がこんな風になるとは思ってなかったわ。
Chika: どういう意味?
Yuuri: あなたは、この場所がグランピングみたいって言ったでしょ。
だから来たの。
ここはただの田舎じゃん。ここには何もない!
Chika: そんなこと言わないで。
おばあちゃんの家、きれいで素敵だったでしょ?
お風呂もベッドもあるわ。
グランピングみたいじゃない!
Yuuri: 違う、それは違う。
グランピングは豪華なキャンプなの。
おばあちゃんの家では、火を起こすために薪を割らなきゃいけない。
それに、自分たちで水を井戸からくみ上げなきゃならないわ。
最悪なのは、携帯が使えないことよ!ここは電波がない!
Chika: まあ、時には都会から出るのも良いことよ。
Yuuri: 私は都会の生活が大好きなの。
私は都会派なんです!
今すぐコンビニに行きたい!
Chika: ユウリ、そんな風に声を上げないで。
Yuuri: なんで?私の声が聞こえる人なんていないわ。
Chika: イノシシがいるの。
Yuuri: 冗談でしょ。イノシシ?
ねえ、待って!
Chika: じゃあ、もっと早く歩いて。
Yuuri: それで、どうしておばあちゃんは、ここに1人きりで住んでるの?
Chika: よくわからない。
Yuuri: おばあちゃんに聞いたことないの?
おばあちゃん、もうすぐ80歳でしょ。
家族から遠く離れて住んでるのよ。
Chika: そんなに遠くないわ。時々、家族で訪ねてるし。
Yuuri: 病気になったらどうするの?近くに病院は見なかったけど。
Chika: 病院はないわ。
Yuuri: 都会に住むほうがずっともっと便利よ。おばあちゃんに話してみたら?
Chika: どうして私が?
Yuuri: だって、あなたはおばあちゃんの孫だし、あなたにとって大切な人でしょ。
Chika: おばあちゃんのことはすごく大好きだけど、彼女は絶対に家を離れないわ。
Yuuri: どれだけ都会の生活が楽か、おばあちゃんに教えてあげなよ。
オンラインショッピングやいろんな娯楽があること、教えてあげて。
Chika: ユウリ、みんなが便利な生活を望んでないわ。
Yuuri: え?
Chika: ここでの生活が、おばあちゃんを幸せにしてるの。
それがおばあちゃんにとって正しいことなの。
私たち家族は、おばあちゃんの選択を尊重してる。
Yuuri: 本当に?それはおかしいわ。
Chika: ここよ!
Yuuri: 何か聞こえる!
え、やだ、イノシシよ!
Yuji: 待って、僕です。
Chika: ユウジ?
Yuji: チカ?
君も、きのこを採りに、ここにいるの?
Chika: もちろんよ。
ユウリ、こちらは幼馴染のユウジ。
ユウジ、こちらは東京から来た友達のユウリ。
Yuji: この場所は、君にとっては、まるで別の惑星みたいに思えるだろうね。
Yuuri: 全然。田舎が大好きです。
Chika: ユウリ?
Yuuri: どうして彼のこと教えてくれなかったの?私のタイプだわ!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
There’s nothing here!
「ここには何もない」って、もう、それがいいんですよ!
もうね、ユウリちゃんには言ってあげたい。
あのね、何もかもがあること、もちろん素敵ですけど、何もないからこその良さってのもまたね、普段見ないところに目がいったりとかして、ほんとに素晴らしいんですよ。だから、ぜひ、キャンプ、グランピング、おばあちゃんの家、どんどん行ってほしい。はい。
It’s nice to get away from the city sometimes.
本当にチカちゃんの言うセリフに僕は、
I totally agree with her.
ですよ。
ほんとに、大賛成!
行きましょう!みんなで田舎に!
See you tomorrow.