NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年9月4日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Home Bread Makers ホームベーカリー」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今回の発明は「Home Bread Makers」
ボタン1つで、パンが焼けるホームベーカリーです。
パンを “knead”「こねる」ための工夫や、イースト菌投入のタイミングなど、自動でおいしいパンを焼き上げる機械の開発は、試行錯誤の連続でした。
早速、聞いてみましょう。
発音:knead /nid/
Home Bread Makers – ホームベーカリー
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたはパンを作ることができます / 手で、ですが / それにはかかります / 多くの手間が。
パン焼き器を使えば、あなたは入れて / 材料を / 小麦粉、イースト、水などの / ボタンを押す / すると / 焼きたてのパンを手に入れることができます / 毎朝。
今日、私たちは知ります / どのようにこの愛されている機械が作られたかを。
1980年代半ば、パンは人気になりつつありました / 日本で。
人々は行列を作りました / 有名なパン屋に / 高級パンを買うために。
あるメンバーは / 開発チームの / 大手電機メーカーの / 思いました。
「私たちは炊きたてのご飯を炊く / 家で。私たちはパンも焼けるはずだ。」
開発チームの目標は / パン焼き器を作ることでした / 炊飯器のように機能する。つまり、1つのボタンを押す/ すると / 機械は始める / パンを作ることを / 自動的に。
パン生地は作られます / 押したり引いたりする動作によって / 「こねる」と呼ばれる。
ある社員 / この電機メーカーの、渡邊 暦さんは言います。
「こねることが / 手で / 作ります / タンパク質を / グルテンと呼ばれる。
グルテンが与えます / パンに完璧な食感を。」
チームは作りました / 試作機を / 鍋のある / 内部に / 炊飯器のような。
この鍋に、彼らは追加しました / 回転する羽根を。
彼らが材料を入れ / そして / 機械の電源を入れた時、それ(機械)は生地を作りました、ですが / その生地はただ回転しただけでした。
その羽根はできませんでした / 引っ張る動作を。
これを解決するために、チームは追加しました / 突起を / 壁の1つに / 内鍋の。
彼らは機械の電源を入れました / すると…
「うまくいきました!
突起がキャッチしました / 生地を / そして / 追加しました / その押し引きのこねる動作を。」
次のステップはさせることでした / 生地を / 完璧に膨らませる。
パンを作るとき、イーストは混ぜられます / 生地の中に / それ(生地)を膨らませるために。
しかし、イーストは非常に敏感です / 温度に。
もし温度が低すぎると、生地は膨らみません / 十分に。
もしそれ(温度)が高すぎると、それ(生地)は膨らみます / あまりにも。
だから、チームは追加しました / センサーを / 変えることができる / こねる時間と膨らむ時間を、部屋の温度に応じて。
それは良い解決策のように見えました、しかし / いつも上手くはいきませんでした。
問題はタイミングでした / イーストを投入するための。
例えば、暖かい気温では、もしあなたが投入すると / イーストを / 早く、それ(イースト)は混ざります / 生地と / あまりに長い時間 / そして / 生地を膨らませてしまいます / あまりにも。
これを解決するために、チームは追加しました / 装置を / 自動的に投入できる / イーストを / 生地に / タイマーで。
チームは実験しました / さまざまなタイミングで。
彼らはそれ(実験)をしました / 何度も何度も / そして / 見つけました / タイミングを / うまくいく。
ついに、完璧なパンが作られました。
「あのパンは成果でした / 3年間の努力 / そして / パンを焼いた / 5,000回以上も!」
1987年3月、ホームベーカリーが販売されました。
人々は言いました / それ(ホームベーカリー)は最高の発明だと / 炊飯器以来の / そして / それ(ホームベーカリー)は大ヒットしました。
後に、それ(ホームベーカリー)は人気になりました / ヨーロッパで、そして / 愛称で呼ばれました / 日本の「魔法の箱」と。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
パンは手作りすることもできますが、多くの手間がかかります。パン焼き器を使えば、小麦粉、イースト菌、水などの材料を入れ、ボタンを押すと、毎朝、焼きたてのパンが手に入ります。
今日は、どのようにして、この愛されている機械が作られたのか、見ていきましょう。
1980年代半ば、日本では、パンが人気になりつつありました。人々は高級パンを買うために、有名なパン屋に行列を作りました。
大手電機メーカーの開発チームのメンバーは、思いました。
「私たちは、自宅で、炊きたてのご飯を炊く、パンも焼けるはずだ。」
開発チームの目標は、炊飯器のようなパン焼き器を作ることでした。つまり、ボタン1つ押すだけで、自動的にパンを作り始める機械です。
パン生地は「こねる」と呼ばれる、押したり引いたりする動作で作られます。この電機メーカーの社員、渡邊 暦さんは言います。
「手でこねることで、グルテンというタンパク質が作られます。グルテンが、パンに完璧な食感を与えます。」
チームは、炊飯器のように、内部に鍋のある試作機を作りました。この内鍋に、回転する羽根を追加しました。
材料を入れて機械を動かすと、生地はできましたが、その生地はただ回転するだけでした。羽根は引っ張る動作ができなかったのです。
これを解決するために、チームは内鍋の壁の1ヶ所に突起を追加しました。機械を動かすと…
「うまくいきました!突起が、生地をキャッチし、押して引っ張る”こねる”動作を追加してくれました。」
次のステップは、生地を完璧に膨らませることでした。
パンを作るとき、生地を膨らませるために、生地にイースト菌を混ぜます。しかし、イースト菌は、温度に非常に敏感です。温度が低すぎると、生地は十分に膨らみません。温度が高すぎると、生地が膨らみすぎます。
そこで、チームは、室温に応じて、こねる時間と膨らむ時間を変えることができるセンサーを追加しました。良い解決策のように見えましたが、常に上手くいくわけではありませんでした。
問題は、イースト菌を投入するタイミングでした。例えば、暖かい気温でイースト菌を早く投入すると、イースト菌が生地と混ざる時間が長すぎて、生地が膨らみすぎてしまいます。
この問題を解決するために、チームは、タイマーを使って、生地にイースト菌を自動的に投入する装置を追加しました。チームはさまざまなタイミングで実験しました。何度も何度も実験をし、うまくいくタイミングを見つけました。
ついに、完璧なパンができました。
「あのパンは、3年間の努力と5,000回以上のパン作りの成果でした!」
1987年3月、ホームベーカリーが販売されました。
人々は、ホームベーカリーが炊飯器以来の最高の発明だと言い、大ヒットしました。
後に、ヨーロッパでも人気となり、日本の「魔法の箱」という愛称まで付けられました。
参考資料
和訳にあたりの下記の記事を参考にしました。
今回は、ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画はありませんでした。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
Japan’s magic box!
いやー、いいネーミングですよね。
「日本の魔法の箱」っていう、あー、これは素敵だ。
ホームベーカリー、これ僕ね、あの、家電量販店とかで、もちろん見たことはあるんですけど、めちゃくちゃ素通りしてるんですよね。触ったこともなければ、使ったこともないし。
でも、最近、コーヒーメーカーを買ったので、そのセットとして、ホームベーカリーをちょっと家に導入するのもありなんじゃないかな、なんて思ったりしています。
See you tomorrow!