NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年4月24日(木)放送分
哲学者からの答え
『I’m Scared of Empty Calendars』
カレンダーの空白が怖い
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週木曜日にお届けするのは「哲学者からの答え」
今回取り上げるのは「カレンダーの空白が怖い」という女性の悩みです。
この悩みに対して、フランスの哲学者ベルクソン、Bergson がヒントをくれます。
英文に出てくる “calendar apps” は、カレンダーアプリです。
では早速聞いてみましょう。
Let’s 哲学!
I’m Scared of Empty Calendars – カレンダーの空白が怖い
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
Tom: ようこそ / 「哲学者の答え」へ!
皆さん、いかがお過ごしですか?
私は望みます / 全て順調だと / ですが / もしそれ(all is good)がそう(all is good)でないなら、私たちがここにいます / あなたのために!
哲学専門家の昌平と私があなたを助けます / あなたのお悩みのことで。
今日 / 私たちはメッセージを持っています / 大学生、ミカから。
Shohei: 見てみましょう / 彼女を悩ませていることを。
Mika: こんにちは、トムと昌平。
私は不安です / 私が何の予定もないとき / 週末に。
私は感じます / まるで時間を無駄にしていると / もし私が何かをしていないと。
だから / 私は予定を作ります。
でも / いつも楽しいわけではありません。
私は知っています / 私は時間を見つけるべきだと / リラックスするための、でも / 私は怖いです / 何もしないことが。
Tom: 私は思います / 多くの人が感じていると / そのように。
あなたはどう思いますか、昌平?
Shohei: 何もしないことは / 素晴らしいことになり得ます!
いつも予定を作らないでください!
Tom: その通りですね!…え?
Shohei: 人々は / 最近 / 思っています / 人生は良いと / もしあなたがたくさんの予約や予定を持っているなら。
カレンダーアプリを見てください。
それら(カレンダーアプリ)は分けます / 各月を / 日に、それから / 分割します / 各日を / 時間に。
そして / それ(itは前文を丸ごと指す)はまるで空白のようです / あなたが埋めなければならない。
Tom: カレンダーアプリは便利です。
Shohei: そうです。(Yes, they are useful.)
でも / 時間はそうあるべきではありません。
あなたは変えなければなりません / 考え方を / 時間についての。
Tom: おー。どの哲学者が私たちを助けてくれるのですか / 今日?
Shohei: アンリ・ベルクソン、フランスの哲学者 / 20世紀の、が助けることができます。
彼は有名です / 彼の新しい考えで / 時間についての。
Tom: 何と彼(ベルクソン)は言っていますか?
Shohei: 彼(ベルクソン)は言っています / 時間には2つの顔があると。
1つは時間です / 時計やカレンダーの、そしてもう1つは「本物の時間」です。
Tom: 何ですか / 「本物の時間」とは?
Shohei: それは時間です / 本物の / あなたにとってだけの。
それ(本物の時間)は分けられていません / 時間や分に。
あなたは自由です / たくさんのことについて考えることにおいて / タイムリミットについて考えずに。
それは瞬間です / あなたのアイデアや感情にとって / 1つにまとまる。
それは起こりえます / あなたが歯を磨いている時 / または / 短い休憩を取っている時に。
Tom: どういう意味ですか?
Shohei: ベルクソンは言いました / 何の予定もない日は / とても特別だと。
それは良いです / 一歩後ろに下がるために / あなたの忙しいスケジュールから / そして / 時間を作るために / 何もしないための。
あなたが時間を費やす時 / 何もしないことに、あなたの心の中にあることは / 混ざり合うでしょう / そして / 生み出すかもしれません / 新しいアイデア、考えや感情を。
Tom: 何を私たちは「する」べきですか?
Shohei: あなたは行くことができます / どこかに / あまり多くの人が行かない。
あなたは散歩することができます / 公園で / または / ただ楽しむことができます / おいしい1杯のコーヒーやお茶を。
あなたは時間を使うべきです / 自分自身のために / そして / 自分自身のためだけに。
Tom: さて、ミカ、私たちは見つけました / あなたの答えを。
忙しくしないでください / 常に。
自分自身のために時間を作ってください / 何もしないための。
時々 / 何もしないことが / 向上させるでしょう / あなたの人生を / そして / どうあなたが感じるかを。
Shohei: そうです、1人の時間は / 宝物になり得ます。
それは本当の贈り物です / あなた自身への!
また次回お会いしましょう。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
Tom: 「哲学者の答え」へようこそ!
皆さん、いかがお過ごしですか?
全てが順調だと良いのですが、もしそうでなくても、私たちが、皆さんのためにここにいます!
哲学専門家の昌平さん、そして私が、あなたのお悩みについてお手伝いします。
今日は、大学生のミカさんからのメッセージです。
Shohei: 彼女が何に悩まされているのか、見てみましょう。
Mika: トムさん、昌平さん、こんにちは。
私は、週末に何も予定がないと不安になります。何かしていないと、時間を無駄にしているように感じてしまいます。だから、予定を作ります。でも、いつも楽しいとは限りません。リラックスする時間を見つけるべきだと分かってはいますが、何もしないことが怖いです。
Tom: 多くの人がそう感じると思います。どう思いますか、昌平さん?
Shohei: 何もしないことは、素晴らしいことになり得ます!
いつも予定を作らないでください!
Tom: その通りですね!…え?
Shohei: 最近、予定や予約がたくさんあれば、人生は良いものだと考えられています。カレンダーアプリを見てください。各月を日に分け、それから各日を時間で分割しています。それはまるで、埋めなければならない空白のようです。
Tom: カレンダーアプリは便利です。
Shohei: そうですね。でも、時間はそうあるべきではありません。時間についての考え方を変える必要があるんです。
Tom: おー。今日はどの哲学者が私たちを助けてくれるんですか?
Shohei: 20世紀のフランスの哲学者、アンリ・ベルクソンが助けてくれます。彼は時間に関する新しい考えで有名です。
Tom: 彼は何と言っているんですか?
Shohei: ベルクソンは、時間には2つの顔があると言っています。1つは時計やカレンダーの時間、そしてもう1つは「本物の時間」です。
Tom: 「本物の時間」とは何ですか?
Shohei: それは、あなたにとってだけの本物の時間です。時間や分に分けられていません。いろんなことを考えることにおいてあなたは自由です、時間の制限を気にせずに。それは、あなたのアイデアや感情が1つにまとまる瞬間です。歯を磨いている時や、ちょっとした休憩の時に起こることがあります。
Tom: どういう意味ですか?
Shohei: ベルクソンは、何の予定もない日はとても特別だ、と言いました。忙しいスケジュールから1歩後ろに下がり、何もしない時間を作るのが良いことなのです。何もしない時間を過ごすと、心の中にあるものが混ざり合うでしょう、そして新しいアイデアや考えや感情を生み出すかもしれません。
Tom: 私たちは何を「する」べきですか?
Shohei: あまり人が行かないどこかへ行く。公園を散歩したり、おいしいコーヒーやお茶をただ楽しむだけでも良いでしょう。自分自身のため、自分自身のためだけの時間を過ごすべきです。
Tom: さて、ミカさん、あなたの答えが見つかりましたよ。
いつも忙しくしないでください。何もしない自分のための時間を作りましょう。時には何もしないことが、あなたの人生と気持ちを向上させるでしょう。
Shohei: そうです、1人の時間は宝物になり得ます。それはあなた自身への本当の贈り物です!
また次回お会いしましょう。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
「カレンダーの空白が怖い」という悩みに対して、ベルクソンは「時間を区切る」ことが良くないといってましたね。
このストーリーの中で、僕が好きだった言葉が、
Spend time for yourself and only for yourself.
「自分1人だけのために、時間を使う」っていう。
いやー、素敵です。
それでは、See you next time.
参考図書
2025年度前期(4月~9月)木曜日のテーマ「哲学者からの答え」は、下記の本を参考に英文が執筆されています。
著者:小林昌平さん (哲学者)
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』