NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年6月10日(火)放送分
オリジナル・ショート・ストーリー
『Navigation Skills』- ナビの達人
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 巻末のword listの訳を使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週火曜日は、オリジナルのショートストーリーをお届けします。
今日のお話は「Navigation Skills、ナビの達人」
車で古民家カフェに向かっているアヤとマコト。
運転しているアヤは、これまで一度も迷ったことのない「ナビの達人」だと言いますが、さて、どうなるんでしょう。
ストーリーに出てくる、
“GPS” は「カーナビ」のこと、
“figure out ~” は「~が分かる」
“just in case” は「念のため」という意味です。
では、早速聞いてみましょう!
Navigation Skills – ナビの達人
月曜と火曜は、直訳と意訳の間ぐらいの和訳1パターンです。
Makoto: ねえ、アヤ。道合ってる?古民家カフェにすぐ着く?
Aya: もちろん!道は一本しかないわ。
Makoto: カーナビを使った方がいいと思うな、念のため。
Aya: どうして?他の道はないわ。カーナビは必要ないって。
マコト、私は、家族との車での旅行では、いつもナビゲーターだったし、一度も迷ったことないわ。
Makoto: そうかな?
君はこの場所のこと全く知らないし、今回は迷うかもしれないよ。
Aya: そんなに心配するなら、あなたがスマホの地図を確認したら?
私を案内してよ。
Makoto: まさか!俺は地図を読むのがすごく苦手なんだ。
すぐ道に迷っちゃうよ。
Aya: 本気で言ってるの?
私は本当に理解できないわ、どうすれば人が迷子になるのか。
Makoto: どういう意味?
Aya: もし誰かが私を初めての場所に連れて行っても、私は多分わかると思う、どっちが北でどっちが南か。
Makoto: どうやってそれがわかるの?
Aya: 時間を確認して、太陽を見るわ。
もし日が沈んでいってたら、その方向が西だとわかるわ。
Makoto: それは俺でもわかるよ。
でも、もし夜だったらどうするの?
Aya: 星を見るわ。
Makoto: もし曇りだったらどうするの?
Aya: もし街にいたら、標識を探すわ。
Makoto: もし田舎で、標識がなかったらどうするの?
Aya: うーん、それなら植物を見て、育っている方向を確認するわ。
Makoto: どうして?
Aya: 植物は太陽に向かって育つから、南がわかるわ。
Makoto: もし雪山で、全部真っ白だったらどうするの?
Aya: それはもう「迷子」じゃなくて、救助してもらわないと!
でも、もし怪我してなかったら、まだわかるんじゃないかな、家に帰る道が。
Makoto: すごいね。どうやってそんなことを全部習ったの?
Aya: 常識よ。
人間はかつて野生で暮らしてた、動物と全く同じように。
あなた見たことある?キツネやサルが地図を持って歩き回っているのを。
Makoto: ないけど、彼らはそんなに遠くまで移動しないから、迷子にならないんだよ。
Aya: 鳥は毎年冬に南へ飛ぶわ、地図を持たずに。
イルカやクジラは暗い海の中を深く潜るし、迷子にならずに。
Makoto: イルカやクジラはすごいナビゲーション能力を持ってるよね。
Aya: だから思うの、昔、人間もとても高度なナビゲーション能力を持っていたと。
でも世界がより便利になるにつれて、私たちはその能力を失ったんだわ。
Makoto: そう思うの?
まだその能力を持ってる人がいるかもね、君みたいに。
俺らにはカーナビは必要なさそうだね。
Aya: ええ。でも、あの、今は必要かも。
Makoto: え?どういう意味?
Aya: 私の人生で初めて、道に迷ったと思う。
Makoto: 冗談でしょ?
ついさっき、君は話してたじゃない、自分のすごいナビゲーション能力について。
Aya: ええ、でも古民家カフェが全然見つけられないの!
わあ、これが道に迷うってことね。これ新しいわ(初体験だわ)!
Makoto: アヤ!話すのをやめて、カーナビを付けて!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
どこにいても、すぐに東西南北がわかる人ってうらやましいなぁ。
彼ら彼女らにとったら、それが “common sense” 「常識」なんでしょうねぇ。
ちなみに僕のマネージャーはですね、
「俺は地図を食べてるから迷わないんだ!」って言ってました。
よく考えたら「地図を食べてる」って表現がよくわかりませんが。
すいません、こんな小話を。
See you tomorrow.