NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年9月26日(金)放送分
小泉八雲が愛した日本の民話
『The Story of Chugoro』
忠五郎のはなし (後編)
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s Friday!
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ。
森崎ウィンです。
毎週金曜日は「小泉八雲が愛した日本の民話」です。
今日は「忠五郎のはなし」の後編です。
川辺で出会った女性と、毎晩会っていた忠五郎。
その女性は一体、何者なのでしょうか。
Let’s listen!
The Story of Chugoro – 忠五郎のはなし (前編)
前編はこちらです。
The Story of Chugoro – 忠五郎のはなし (後編)
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
足軽は / 忠五郎という名の / 突然見え始めていた / 青ざめて弱々しく / 彼が始めた後 / 外出することを / 夜に。
尋ねられた時、忠五郎は言った / 彼が結婚したと / 奇妙だが美しい女性と / 彼に会う / 夜だけ。
彼は話し続けた / 彼の話を / その老人に / 彼が一緒に働く。
「あの晩、私は橋へ行きました / また。
彼女は私を連れて行った / 彼女と一緒に / 深い水の中へ / そして / 素晴らしい宮殿へ / 前のように。
そして / 毎晩 / それ以来、私はいます / 彼女と一緒に / そこに。
それから / 私は去ります / 朝に / そして / 戻ってきます / ここに。
彼女は待っています / 私を / 今晩 / だから / 私は行かなければなりません。
友よ、決して話さないでください / 誰にも / 私があなたに話したことを。
もしあなたがしたら(話せば)、 / 私は困ります。」
その老人は / 驚いて心配した。
彼は思った / 忠五郎の体験は幻覚だと / 作られた / 何か邪悪な力によって。
彼は気の毒に思った / その若者を / そして / 言った、
「私は話さない / 誰にも / 君が生きて/ そして / 元気な間は。
行って会いなさい / その女性に / しかし / 私は心配している / 悪霊が悪さをしているのではないかと / 君に。」
数時間後、忠五郎は戻ってきた。
彼は見えた / とても落胆したように / そして / 老人に言った、
「彼女はいませんでした / そこに / 初めて。
私は確信があります / 彼女は決して会ってくれない / 私に / また。
私は愚かでした / 私の約束を破って。」
忠五郎は横になった / そして / 話さなかった / それ以上。
彼は震えていた / 頭から足まで、まるで彼が寒いかのように。
朝の鐘が / 寺の / 鳴った時、忠五郎は起きようとした / しかし / できなかった。
彼はとても病気だった。
医者が呼ばれた。
「この男は血がない!
水だけだ / 彼の血管の中は。
とても難しいだろう / 彼を救うことは。
どんな種類の悪だ / これは?」
彼らは試した / 全てを / 救うために / 忠五郎の命を / しかし / 彼は亡くなった / 日が沈むと同時に。
それから / 老人は話した / 話全体を / その医者に。
「私は思った / それが / そのようなことだと。」医者は言った。
「何も救うことはできなかっただろう / 彼を。
彼は最初の男ではなかった / 彼女が滅ぼした。」
「誰だ / または / 何だ / 彼女は?
それは狐の女か?」
「いや、彼女はその川にいる / 長い間。
彼女は大好きだ / 若者の血が。」
「それは蛇女ですか / あるいは / 龍女ですか?」
「いやいや!
もし君が見たら / 彼女を / あの橋の下で / 明るいうちに、君は思うだろう / 彼女がとても醜い生き物だと。
「どんな種類の生き物ですか?」
「単に / 一匹のカエルだ / 大きくて醜いカエルだ!」
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
忠五郎という名の足軽は、夜に出かけ始めた後から、突然、顔色が悪く弱々しく見え始めた。尋ねられると、忠五郎は言った、夜だけ会う奇妙だが美しい女性と結婚したと。
忠五郎は、一緒に働く老人に話し続けた。
「その晩、私はまた橋へ行きました。彼女は、前と同じように、深い水の中の素晴らしい宮殿へ、私を連れて行きました。それ以来毎晩、私は彼女とそこにいます。朝に離れ、ここに戻って来ます。今晩、彼女は私を待っています、だから私は行かなければなりません。友よ、私が話したことを、決して誰にも話さないでください。もしそなたが話すと、私は困ったことになります。」
老人は驚き心配した。忠五郎の体験は、何か邪悪な力によって作られた幻覚だと思った。老人は若者を気の毒に思い、言った。
「そなたが生きて元気な間は、私は誰にも話さない。行って、その女に会いなさい。だが私は悪霊が、そなたに悪さをしているのではないかと心配しておる。」
数時間後、忠五郎は戻ってきた。彼はとても落胆した様子で、老人に言った。
「初めて、彼女がそこにいませんでした。きっと彼女は、二度と私に会ってくれないでしょう。約束を破った私が愚かでした。」
忠五郎は横になり、もう何も話さなかった。彼はまるで寒がっているように、頭から足まで震えていた。
寺の朝の鐘が鳴り、忠五郎は起きようとした、だができなかった。彼は重い病だった。医者が呼ばれた。
「この男には血がない!血管の中に水しかない。彼を救うのは非常に難しいであろう。これはなんという悪であろう?」
皆は忠五郎の命を救うために手を尽くした、しかし忠五郎は、日が沈むと同時に亡くなった。
その後、老人は事の次第を医者に話した。
「そのようなことだと思った。」と医者は言った。
「何も彼を救うことはできなかったであろう。彼は、彼女が破滅させた最初の男ではない。」
「彼女は誰?もしくは何です?狐女ですか?」
「いや、彼女は長い間その川にいる。若者の血が好きなのだ。」
「蛇女ですか、それとも龍女ですか?」
「いやいや!もし昼間に、そなたがあの橋の下で彼女を見たら、ひどく醜い生き物だと思うだろう。」
「どんな生き物です?」
「ただのカエルだ、大きくて醜いカエルだ!」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
カエルだったの?!
しかも血を吸うカエルって!怖いなぁ。
水の中に連れて行くって言ってますから、亀をちょっと期待した自分がいたんですよね(笑)
皆さん、小泉八雲の作品は、いかがだったでしょうか。
怖かったですよね。
さて、エンジョイ・シンプル・イングリッシュ、来週からはですね、2021年度にお送りした内容を再放送します。
ナビゲーターは、関根麻里さんです。
そちらもぜひぜひ!聞いてください~
それでは、皆さん、
Have a nice weekend.
小泉八雲の書籍
エンジョイ・シンプル・イングリッシュで取り上げられた物語が、収録されている書籍です。
- 日本語版:小泉八雲(著)
- 英語版:Lafcadio Hearn(著)
藤子からのメッセージ

2025年4月~9月、今年も毎日和訳120話、完走しました!
昨年度と合わせて、合計240話を和訳することができました。
2024年4月に始めたこの和訳。4月1日に初めてESEを聞き、ウィンくんの “See you tomorrow.” の声に秒で堕ち、英語の勉強と推し活が同時にできるという、実に不純な動機でスタートしました笑
最初は閲覧数も1桁で、伸び伸びやっておりましたが、急激に多くの方に読んでいただけるようになり、正直、想像以上の閲覧数にプレッシャーを感じた時期もありました。ですが、そのプレッシャーこそが、私を成長させてくれました。
本来の目的は自身のレベルアップですので、本当に自力で和訳してきました。当日の朝聞くまでスクリプトは読まず、1, 2回聞いた後に初めてスクリプトを見て、当日中に和訳をアップ。毎日必死のパッチでした。
2年度分、全240話も完走できたのは、ひとえにご覧いただいた皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。そして、ESEと森崎ウィンさんに心から感謝しています。
今後もESEのファンとして学習は続けていきますが、本日をもちまして、ESE和訳のブログ掲載は卒業いたします。
少しでも、皆さまのお役に立てておりましたなら幸いです。
最後に、
この和訳を通して、皆さまが私にどのようなイメージを持たれていたかわかりませんが、私、キャピキャピしたキャラではございません。今まで推し活もしたことありませんでした。ですが、2024年4月にESEでウィンくんに沼落ちし、その5ヶ月後にライブへ行き、人生最大キャピキャピした時の様子がこちらです。
こんな人が和訳してました…最後のおまけでした(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。