NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』で、英語学習をしています。
この記事では、2025年度の放送内容をご紹介します。
- 番組概要
- 2025年度の放送内容
- 英語レベル
- テキスト内容

エンジョイ・シンプル・イングリッシュ とは?
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』の概要をご紹介します。
番組コンセプト
目的:多読多聴
1話あたり約400~500語の物語を聞きます。
1ヶ月合計20話を聞くと、月に約1万語に触れられます。
- 大量の英文を読んだり聞いたりすることで、大意をつかみながら物語を味わう力を養います
- 日常会話でよく使う英語表現が学べます
- 実際の英語のスピードやリズムが学べます
- 曜日ごとに様々なストーリーが楽しめます
- 声優さんの演技と効果音で本格的なラジオドラマが楽しめます
初級者でも、楽しみながら英語に触れられるのが特徴です。
テキスト執筆者
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』の全物語の英文は、番組オリジナルです。
スクリプトを監修および執筆されているのは、Daniel Stewartさん。
カナダ出身で、国際多読教育学会(ERF)の理事でいらっしゃいます。
4月号テキストの巻頭に掲載されていたリスナー向けメッセージを和訳しておりますので、気になる方はご覧ください。
番組ナビゲーター
2025年度の番組ナビゲーターは、俳優・アーティストの森崎ウィンさん。
2024年度からナビゲーターを務めていらっしゃいます。
オープニングやエンディングで、英語表現の解説をしてくれたり、彼の美しい英語発音やプライベートトークが聞けるのも、番組の魅力の1つです。
2025年度からは、テキストで連載も始まりました。このページの一番下でご紹介しています。
声優
本編の物語を読んでいるのはプロの声優さんです。
- アメリカ発音のネイティブスピーカー
- 男性4名、女性4名
- 男性のお1人は「英語のハノン 中級・上級」のジャック・マルジさん
- 女性のお1人は「英語のハノン 中級・上級」のアニャ・フローリスさん
たった8名で、子供・大人・動物とさまざまな役を演じ分けていらっしゃいます。
2024年度は6名でしたが、2025年度はお2人増え8名のネイティブスピーカー朗読が聞けます。
NHKに起用されるネイティブスピーカー声優(芸能人、キャスター除く)の発音は、美しくクリアなお手本発音です。
番組構成
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は5分番組です。
- 約30秒オープニングトーク
・本日のテーマ紹介
・ポイントとなる英単語解説 - 約4分本日のストーリー
- 約30秒エンディングトーク
・英文の解説や使い方
・ストーリーの感想
放送時間
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』の放送時間は下記の通りです。
- 放送局:NHKラジオ第2放送
- 放送日:月曜日~金曜日
- 放送時間:AM6:00~6:05
本放送後、再放送が当日に5回あります。再放送時間はテキストにてご確認ください。
本放送の時間が早朝に変わりました。朝活での英語学習にもおすすめです。
聞き逃し配信あり
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は、リアルタイムで聞けなくても、インターネットまたはスマホアプリの「NHKラジオ らじるらじる」で1週間の聞き逃し配信があります。
「らじるらじる」では、本放送の数分後から配信がスタートします。
「NHKラジオ らじるらじる」は日本国内でのみ視聴が可能です。
復習用に繰り返し聞くことができます。
前週分の聞き逃し配信はアプリで
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は、スマホアプリの「NHKゴガク アプリ」でも聞き逃し配信がされています。
「NHKゴガク アプリ」は日本国外からも利用可能です。
アプリでは前週分が放送されていますので、1週間遅れでの視聴になります。
番組は1年コース
2025年度の『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は、1年コースです。
- 2025年4月~9月:新作を放送
- 2025年10月~2026年3月:2021年度後期分を再放送
10月以降は過年度の再放送。長期リスナーにとっては4年ぶりの復習に、新規リスナーにとっては新作となり、全リスナーに学びのある1年間です。
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 英語レベルは?
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』の英語レベルは、中学英語を一通り学んだ初中級者が対象です。金曜日は高校レベルです。
テキストを読んで8割以上理解できるか、が目安かなと思います。テキストを読んでも内容があまり理解できない場合は、文法の学び直しをおすすめします。
番組が設定しているレベル
下記は、テキストに記載されているレベルを表にしたものです。
曜日 | 学校 | CEFR | 英検 | TOEIC |
---|---|---|---|---|
月~木 | 中学 | A2 | 準2~2級 | ~550 |
金 | 高校 | B1 | 2~準1級 | ~780 |
外国語をどれくらい話せるか・書けるか・理解できるかを示すための基準です。ヨーロッパで開発された基準ですが、現在では世界中で広く使われています。A1(初級)~C2(上級)までの6段階に分かれています。
個人的に感じたレベル感
私は、2024年度からエンジョイ・シンプル・イングリッシュを聞き始めましたが、2025年度は昨年度より少しレベルアップしたかな、という印象です。
語数も、昨年2024年度は400語以下の回がありましたが、2025年度は平均約450語です。一文が長かったり、スピードが速く感じる回も多いかもしれません。
下記は、私が個人的に評価した難易度です。初級者用素材としてどうかという視点です。
曜日 | 学校 | CEFR | 文法 | 語彙 | スピード |
---|---|---|---|---|---|
月 | 中学 | A2 | 基本 | 基本 | ゆっくり |
火 | 中学 | A2 | 基本 | 基本 | ゆっくり |
水 | 中学 高校 | B1 | 基本 | 基本 難 | 普通 速い |
木 | 高校 | B1 | 基本 応用 | 難 | 普通 |
金 | 高校 | B1 | 基本 応用 | 難 | 普通 |
各ストーリーごとでもレベルが異なりますが、ざっくり分けると、以下の通りです。
- 月、火:初中級
- 水:中級
- 木、金:むずかし目の中級
水曜日の英文は、基本的な語彙が中心ですが、語数が多いためスピードが速く感じられるかもしれません。また、過去形を中心に、使われている時制も幅広く、専門的な語彙が使われることもあるため、1回目のリスニングでは難しく感じるかもしれません。テキスト巻末のWord Listを確認し、英文音読で意味を理解した上で聞くと、内容を理解しやすくなるかと思います。
木曜日の英文は、会話形式で理解しやすいのですが、哲学という抽象的な概念を表すため、語彙も言い回しも抽象的な箇所が多く理解に思考力が必要です。それを補うため、日常生活に置き換えた具体例が提示されていますので、意味を自分に落とし込んで、音読やリスニングを繰り返すことで、力がついていくと思います。
金曜日の英文は、物語の展開がシンプルで、情景描写や登場人物の感情表現が豊かなため、流れはイメージしやすいかと思います。ただ、文学的な言い回しや複雑な文構造が所々に見られるため、分かりにくいと感じるフレーズや文章があると思います。丁寧に英文構造を解読することで克服できます。
あくまで、1人の英語学習者としての個人的分析ですので、ご参考までに。
(ちなみに、2025年春時点の私のレベルは、LRがC1、SWがB1~B2です。)
テキスト監修 Daniel先生の解説
Daniel先生が、レベルやテキストの使い方についてアドバイスしてくださっています。
テキスト巻頭にも同じ内容が記載されています。
2025年度 前期 各曜日のテーマ紹介
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は曜日ごとにテーマが決まっています。
2025年度前期(2025年4月~9月)のテーマは、以下の通りです。
- 月曜日:発見!世界のお祭り
- 火曜日:オリジナル会話劇
- 水曜日:アメージング・ストーリー
- 木曜日:哲学者からの答え
- 金曜日:小泉八雲が愛した日本の民話
プロの朗読劇を英語で楽しめる贅沢な番組です。
月曜日:発見!世界のお祭り
月曜日のテーマは『発見!世界のお祭り』
宇宙人コンビが地球を偵察する、という設定で世界のお祭りを紹介する会話劇。
イチカとバチカが宇宙船で各国を訪れ、たまたま人だかりを見つけるとそこがお祭り中だった、という流れで会話が進みます。
現地の人からお祭りの内容や起源を教わり、お祭りを体験し、地球人や地球を知っていきます。
何も知らない宇宙人が質問して、地球人が親切に細かく教えてあげる、という会話のキャッチボールのため、内容が理解しやすいです。
そして、物語の型が下記のように決まっているのも、理解しやすいポイントです。
これ何?→地元の人が助けてくれる→お祭りの説明→interesting!→体験→楽しい!
宇宙人が世界旅行という設定が絶妙で、子供も大人も一緒に楽しめます。
世界中のお祭りの内容も歴史も知れて、想像以上におもしろい「聞くガイドブック」です。
火曜日:オリジナル会話劇
火曜日のテーマは『オリジナル・ショート・ストーリー』
毎年定番のテーマで、2~3人の会話劇です。
設定は、家族・男女・友人・学校・職場などの日常生活。
トピックは、雑談やハプニング、世相を反映した時事ネタまで幅広く扱われています。そのため、様々な単語や表現を、物語を楽しみながら学習できます。
Aさんが質問し、Bさんが回答する、といった対話形式ですので、会話のキャッチボールを学ぶことできます。
水曜日:アメージング・ストーリー
水曜日のテーマは『アメージング・ストーリー』
National Geographicの記事になったり、テレビ番組「奇跡体験アンビリバボー」で再現ドラマ化された、世界各地で起きた驚くべき実話です。
2023年度に放送された人気のテーマでした。
2025年度は、2023年度の放送分から選ばれた物語が放送されます。2023年度のリスナーにとっては復習、新規リスナーにとっては新作です。
ナレーション形式の物語で、登場人物が時々セリフを話します。バラエティー番組でよく見る再現ドラマのようなイメージです。
ラジオのため音声だけなのですが、頭に映像が浮かんでくる臨場感のある物語です。
木曜日:哲学者からの答え
木曜日のテーマは『哲学者からの答え』
現代人のお悩みを、有名な哲学者の言葉から解決へと導きます。
設定は、ラジオのお悩み相談コーナー。司会のTomと解説者Shoheiの会話形式で、リスナーから届いたお悩みに答えます。
ラジオ英語講座の中で、別のラジオ番組を聞くという、こちらもおもしろい設定です。
エンジョイ・シンプル・イングリッシュは、中学や高校でも活用されているせいか、お悩みは学生向けがメインですが、大人になったからこそ沁みる部分もあり(笑)、深みのあるありがたい人生の教訓が聞けます。
そして、月曜日と同じく、木曜日も物語の型が下記のように決まっています。
お悩み → 共感 → 答え → 解説 → 具体例 → まとめ
これは、英語でも哲学が理解しやすいように工夫されているポイントです。
また、英語スピーチのお手本中のお手本構成です。英検や、その他スピーキングテスト、ライティングテスト対策の勉強にもなる回です。
「哲学」と聞くだけで堅いイメージがありますが、わかりやすく説明されていて、「哲学」を身近に感じられる内容です。
英文の執筆にあたっては、下記の本が原案になっています。
著者:哲学者 小林昌平さん
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』
金曜日:小泉八雲が愛した日本の民話
金曜日のテーマは『小泉八雲が愛した日本の民話』
小泉八雲の本名は、ラフカディオ・ハーン。あの有名怪談「耳なし芳一」や「ろくろ首」などを執筆した作家です。
ちなみに、2025年秋の朝ドラ「ばけばけ」は、小泉八雲の妻セツがモデルです。
春から夏にエンジョイ・シンプル・イングリッシュで小泉八雲の作品が放送され、秋から朝ドラが始まります。
なぜ異国からラフカディオ・ハーンが来日し、小泉八雲と名乗って日本の物語を執筆したのか…。小泉八雲の人物像を知りたくて、朝ドラにもハマるかもしれませんね。
エンジョイ・シンプル・イングリッシュで取り上げられる物語は「怪談」ですが、おどろおどろしい怖い雰囲気ではなく、BGMや声優さんの演技がドラマチックで、感動的だったり切ないストーリーに胸を打たれます。
他曜日に比べて、文法や単語レベルは一段上の設定です。ただ、元の物語を知っていたり、日本文化のため、意外と内容はイメージしやすいかもしれません。
2025年度 後期 各曜日のテーマ紹介
2025年度の後期(2025年10月~2026年3月)は、2021年度後期分の再放送です。
詳細わかり次第、追記いたします。
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ テキスト内容
『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』は、テキストが販売されています。
発売日
毎月15日頃、次月号が発売されます。
- 紙の本
(書店・インターネットで購入可) - Kindle版
(Amazon)
テキストの内容
テキストの内容は以下の通りです。
- 放送カレンダー
- 英文スクリプト
- 単語リスト
日本語訳は掲載されていない
テキストに、日本語訳は掲載されていません。
ダニエル先生の解説による番組コンセプトは以下の通りです。
- ストーリー全体の内容を把握するように心がける
- 英語を英語のまま理解する
- ストーリーを楽しむ
そのため、意図的に日本語訳を掲載していないのかなと思っています。
まとめ
NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』について、ご紹介しました。
最後まとめます。
- 番組コンセプト:多読多聴
- 5分番組
- 1話:400~500語
- 1ヶ月で約1万語に触れられる
- 物語:会話/小説/自己啓発
- 英語レベル:初中級~中級
私は、2024年度から『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』を毎日聞き、和訳したり、シャドーイングをしたりと、何度も繰り返し聞いて理解することを継続したおかげで、リスニング力と読解力が飛躍的に向上しました。
毎日の物語を追いかけるのが難しい場合は、まず最初に2つ好きな曜日を決め、1週間何度も聞いて、テキストを読んで、文法や英文構造をしっかり理解するところから始めてみると良いかと。慣れてきたら他の曜日も増やしていかれると英語力が伸びていくと思います。
森崎ウィンさん 連載
2025年度から、テキストに森崎ウィンさんの連載が掲載されています。
テキストに掲載されているのは、ご本人が執筆された日本語版です。
英語翻訳版がNHKのサイトで公開されていますので、リンクを貼っておきます。
2025年度4月号
2025年度5月号
最後までお読みいただきありがとうございました。