NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年9月18日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Ventilators for Premature Babies」
– 超低出生体重児用人工呼吸器 –
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今日の発明は「Ventilators、人工呼吸器」、それも「for Premature Babies」
早産で肺の機能が未発達の赤ちゃんに使えるというものです。
早速、聞いてみましょう。
超低出生体重児用人工呼吸器
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
人工呼吸器は機械です / 病人が呼吸をするのを助ける。
今日、私たちは見ます / どのようにして / 特別な人工呼吸器が / 赤ちゃんの命を救うことができる / 発明されたかを。
1960年代後半当時、ベトナム人男性が / Tran Ngoc Phucという名の / 工学を勉強していました / 日本の大学で。
ベトナム戦争が終わった後 / 1975年に、彼は決めました / 日本に留まることを / そして / 医療機器メーカーで働くことを。
Phuc氏は思いました。
「私は何かをしたい / 他の誰もしていない(ことを)。」
当時、日本の病院は主に使っていました / 人工呼吸器を / 海外で製造された、そこで / 彼は決めました / オリジナルの人工呼吸器を作ることを。
人工呼吸器について学んだ後 / 6ヶ月間 / 大学病院で、Phuc氏は作りました / 彼自身のバージョンを。
しかし、問題がありました。
通常、人工呼吸器は送ります / 空気を / 肺に / 約15回 / 1分につき。
その量の空気は危険です / すべての赤ちゃんにとって / そして / さらに危険です / 早産の赤ちゃんにとって。
早産の赤ちゃんは生まれます / 早くに、そのため / 彼ら(早産の赤ちゃん)の肺は強くありません。
研究を行った後、Phuc氏は発見しました / 送ることが / より小量の空気を / より頻繁に / うまくいくはずと。
しかし / どのようにすれば彼はできるでしょうか / これを?
「もしかしたら / 私は変えられる / 人工呼吸器のバルブを。」
バルブは機能しました / ドアのように / そして / 制御しました / 空気の量を / 中に入る。
もしバルブが開けたり閉めたりできれば / すばやく、おそらく / 機械は送ることができるでしょう / 非常に少量の空気を。
ついに、彼は作りました / 仕組みを / 空気を送ることができる / 肺に / 900回 / 1分につき。
すぐに、Phuc氏は始めました / 自分の会社を。
彼は望みました / もっと多くの人々が / 使うことを / 彼の人工呼吸器を。
1984年秋、彼は与えられました / チャンスを。
このころ / アメリカで、より多くの早産の赤ちゃんが生まれていました。
コンペが開催されました / 見つけるために / 最高の人工呼吸器を / 早産の赤ちゃんのための。
Phuc氏は決めました / 改良することを / 彼の人工呼吸器を / そして / 参加することを / コンペに。
彼は望みました / 彼の人工呼吸器が / 送り出すことを / 完璧な空気量を / 赤ちゃんへ。
彼は制御したいとも思いました / どのぐらいの頻度で / 空気が送られるか。
こうすれば、人工呼吸器は対応することができました / 各赤ちゃんの状況に / 完璧に。
Phuc氏は設計しました / 人工呼吸器を / 使っている / ピストンを / 各患者のために調整できる。
次は / 彼は必要でした / 会社が / 製造する / 小型モーターを / ピストンを制御できる。
彼は頼みました / 会社に次々と / それを作るように。
毎回、彼ら(会社)はできないと言いました、しかし / 彼は挑戦し続けました。
彼は言いました。
「お願いします、これは救うことができます / 赤ちゃんの命を。」
ついに、彼は見つけました / 1社を / 助けたいと望んだ、そして / 彼の超低出生体重児用人工呼吸器が完成しました。
その後すぐに、彼はプレゼンを行いました / コンペで。
彼の人工呼吸器は勝つのでしょうか?
Phuc氏は思いませんでした / 彼にチャンスがあるとは。
そして / 電話が鳴りました。
「あなたの人工呼吸器が勝ちました / コンテストで。」
その後すぐに、85台の人工呼吸器が出荷されました / アメリカへ。
現在、Phuc氏の人工呼吸器は使われています / 約30の国と地域で / 世界中の。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
人工呼吸器は、病人の呼吸を助ける機械です。
今日は、赤ちゃんの命を救うことができる特別な人工呼吸器が、どのように発明されたのか見ていきましょう。
1960年代後半、ベトナム人男性Tran Ngoc Phuc氏が、日本の大学で工学を学んでいました。1975年のベトナム戦争終結後、彼は日本に残り、医療機器メーカーで働くことにしました。
Phuc氏は思いました。
「他の誰もやっていないことをしたい。」
当時、日本の病院は、主に海外製の人工呼吸器を使用していました。そこで、Phuc氏はオリジナルの人工呼吸器を作ることにしました。
大学病院で6ヶ月間、人工呼吸器について学んだ後、Phuc氏は独自のバージョンを作成しました。しかし、問題がありました。
通常、人工呼吸器は、毎分約15回、肺に空気を送ります。その空気量は、すべての赤ちゃんにとって危険で、早産の赤ちゃんにとってはさらに危険です。早産の赤ちゃんは早く生まれるため、肺が強くありません。
研究の結果、Phuc氏は、より少量の空気をより頻繁に送ることで、うまくいく可能性があることを発見しました。
しかし、どうすればそれができるのでしょうか?
「もしかしたら、人工呼吸器のバルブを変えられるかもしれない。」
バルブはドアのように機能し、入る空気量を制御していました。バルブをすばやく開閉できれば、機械は非常に少量の空気を送ることができるかもしれません。
最終的に、Phuc氏は、毎分900回、肺に空気を送ることができる仕組みを作りました。
すぐに、Phuc氏は起業しました。もっと多くの人々に自分の人工呼吸器を使ってもらいたかったのです。
1984年秋、彼にチャンスが訪れました。
この当時のアメリカでは、早産の赤ちゃんが増えていました。早産の赤ちゃん用に最良の人工呼吸器を見つけるため、コンペが開催されました。
Phuc氏は、自分の人工呼吸器を改良し、コンペに参加することにしました。
彼は、自分の人工呼吸器が、最適な空気量を赤ちゃんに送るようにしたいと考えました。また、空気を送る頻度を制御したいと考えました。
こうして、人工呼吸器が、各赤ちゃんの状況に完璧に対応できるようになりました。
Phuc氏は、患者ごとに調整できるピストンを使った人工呼吸器を設計しました。
次に、ピストンを制御できる小型モーターを製造する会社が必要になりました。彼は、次々と会社に製造を依頼しました。毎回断られましたが、彼は挑戦し続けました。
彼は言いました。
「お願いします、これは赤ちゃんの命を救うことができるんです。」
ついに、彼を助けたいという1社が見つかり、超低出生体重児用人工呼吸器が完成しました。
その後すぐに、彼はコンペでプレゼンを行いました。
彼の人工呼吸器は優勝するのでしょうか?
Phuc氏は、自分にチャンスがあるとは思っていませんでした。
そして、電話が鳴りました。
「あなたの人工呼吸器が優勝しました。」
その後すぐに、85台の人工呼吸器がアメリカに出荷されました。
現在、Phuc氏の人工呼吸器は、世界中の約30の国と地域で使用されています。
参考資料
ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画です。
和訳にあたり「株式会社メトラン」のHPを参考にしました。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
素晴らしい開発ですね。
肺が未発達のまま産まれてきた早産の赤ちゃんの場合、人工呼吸器は小刻みに少量の空気を肺に送らないといけないんですね。
初めて知りました。
それでは、Join us again tomorrow.