NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年6月18日(水)放送分
アメージング・ストーリー
『Using Miso Soup to Escape Prison』
みそ汁で脱獄した男
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は、2023年度に放送した「Amazing Stories」
今回は、「昭和の脱獄王」と呼ばれ、4回もの脱獄を行った男の話です。
ストーリーに出てくる、
“joint” は「関節」
“prison cell” は刑務所の「監房」という意味です。
では、早速、聞いてみましょ!
Using Miso Soup to Escape Prison – みそ汁で脱獄した男
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
あなたは脱獄できますか / 刑務所から?
ある日本人男性は脱獄しました / 4回、そして / 彼はそれ(脱獄)をしました / とても創造的な方法で。
さあ、何が起こったのでしょうか?
学びましょう / さらに / 彼の信じられない物語について。
白鳥由栄は最初に送られました / 刑務所へ / 1935年に / 彼が28歳の時 / なぜなら / 警察は考えたからです / 彼がある男性を殺したと。
彼の最初の脱獄のために、彼は使いました / 一本の針金を / 錠前を開けるために / 彼の監房の。
由栄は脱獄したかった / なぜなら / 刑務官たちが不親切で暴力的だったからです。
彼はしばしば考えました、
「刑務官たちは思っていない / 私たちが人間だと!」
由栄は捕まりました / たった数日後に / そして / 送られました / 違う刑務所へ。
今回、彼は脱獄しました / 監房の天井に登ることで / 壁に押して / 彼の手と足で。
それで、彼は通り抜けました / 窓を。
その後、彼は送られました / 刑務所へ / 再び。
今回 / それ(刑務所)は網走刑務所でした / 北海道東部にある。
最も危険な人だけが / 送られました / そこ(網走刑務所)へ。
彼は付けました / 手錠を / 彼の手首に / そして / 鎖を / 彼の足に / いつも / そして / 刑務官たちは決して彼を外に出させませんでした / 彼の独房から。
彼は思いました、
「彼ら(刑務官)は私に着せる / 夏服を / 冬に、そして / 冬服を / 夏に。
私は死ぬかもしれない!
私は脱獄しなければならない。」
今回、由栄は使いました / みそ汁を / 脱獄するために。
ドアに、小さな窓がありました / 鉄格子がついた。
由栄が飲むときはいつも / みそ汁を、彼はつけました / 少し(のみそ汁を) / 鉄格子に。
2,3ヶ月後、鉄は弱くなりました / 味噌の塩で、そして / 彼は取ることができました / 格子を / 窓から。
窓はとても小さかった、しかし / 由栄は持っていました / 特別な能力を。
彼は脱臼させることができました / 彼の肩の関節を。
それは意味します / 彼は抜くことができた / 彼の腕を / 彼の肩の関節から。
彼は使いました / この能力を / そして / 窓を通り抜けました。
2年間、由栄は暮らしました / 山で。
その後ある日、彼は農夫を殺しました / 盗んでいる間に / トマトを。
彼は捕まりました、そして / 今回 / 彼は言われました / 彼は受けるだろうと / 死刑を。
彼の独房にはありました / 高い壁ととても小さな窓が。
不可能に見えました / 脱獄することは、だから / 刑務官たちは使いませんでした / 手錠を。
しかし / 由栄は地下道を掘りました / 床の下に / お椀を使って。
約1年後、由栄は捕まりました / 警察に / 再び。
しかし / 事は違いました。
彼の死刑は取り消されました / そして / 彼は命じられました / 刑務所に留まるように / 20年間。
13年後、彼は釈放されました / なぜなら / 彼が良い状態でいた(行いが良かった)からです。
この刑務所で、彼はよく待遇されました / だから / 彼は脱獄しようとしませんでした。
由栄は亡くなりました / 1979年に / 71歳で。
由栄の物語はなっています / 小説やいくつかのテレビ番組に。
ある人気の漫画では、彼がモデルです / キャラクターの中の1人の。
その想像的な方法が / 彼が刑務所から脱獄した / 続けています / 人々を驚かせることを / 今日。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
あなたは刑務所から脱獄できるでしょうか?
ある日本人男性は4回脱獄しました。しかも、彼はとても独創的な方法で脱獄をしました。
さて、何が起きたのでしょうか?信じられない物語を詳しく見ていきましょう。
白鳥由栄は初めて刑務所に送られました、1935年の28歳の時に。警察が、彼が人を殺したと考えたからです。
最初の脱獄で、監房の錠前を開けるために、一本の針金を使いました。
刑務官たちが不親切で暴力的だったので、由栄は脱獄したかったのです。
彼はよく考えていました、
「刑務官たちは、俺たちを人間だと思っていない!」
由栄はわずか数日後に捕まり、別の刑務所に送られました。今度は、手足で壁を押し、監房の天井へ上り、それから窓を通り抜け脱獄しました。
その後、彼は再び刑務所に送られました。今度は、北海道東部にある網走刑務所でした。最も危険な人物だけが網走刑務所へと送られました。
彼は常に、手首に手錠、足に鎖をつけ、刑務官たちは決して彼を独房から出しませんでした。
彼は思いました、
「看守たちは俺に、冬に夏服を着せ、夏に冬服を着せる。俺は死ぬかもしれない!俺は脱獄しなければならない。」
今度は、由栄は脱獄するためにみそ汁を使いました。ドアには鉄格子がついた小さな窓がありました。由栄はみそ汁を飲むときはいつも、少し鉄格子にかけました。2,3ヶ月後、味噌の塩分で鉄が弱くなり、窓から格子を取り外すことができました。
窓はとても小さかったのですが、由栄は特別な能力がありました。彼は肩の関節を脱臼させることができたのです。つまり、腕を肩の関節から外すことができました。彼はこの能力を使い、窓を通り抜けました。
2年間、由栄は山中で暮らしました。その後ある日、トマトを盗んでいる最中に、農夫を殺害しました。彼は捕まり、今度は死刑だろうと告げられました。
彼の独房には、高い壁ととても小さな窓がありました。脱獄するのは不可能に見えたため、刑務官たちは手錠を使いませんでした。ですが由栄は、お椀を使い、床の下に地下道を掘りました。
約1年後、由栄は再び警察に捕まりました。しかし、状況が違いました。彼の死刑は取り消され、20年間刑務所に留まるよう命じられました。
彼は模範囚だったため、13年後に釈放されました。この刑務所では、彼は良い待遇を受けたため、脱獄しようとしませんでした。
由栄は、1979年に71歳で亡くなりました。
由栄の物語は、小説やいくつかのテレビ番組になっています。ある人気漫画では、彼がキャラクターのモデルです。
彼が刑務所から脱獄した想像的な方法は、現在も人々を驚かせ続けています。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
みそ汁にはそんな力があったんですか!?
家で飲むときには絶対にこぼさないようにしよう!
また明日!
参考リンク
漫画『ゴールデンカムイ』に登場する「明治の脱獄王」白石由竹は、今回のストーリーの白鳥由栄さんがモデルだそうです。
- 和訳にあたり、Wikipediaを参考にしました。
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