NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年7月15日(火)放送分
オリジナル・ショート・ストーリー
『A Suitcase and a Gentleman』
スーツケースと紳士
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 巻末のword listの訳を使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週火曜日は、オリジナルのショートストーリーです。
今回は「A Suitcase and a Gentleman」です。
ハルミは新幹線で出会った男性に、一目惚れしてしまいます。
ストーリーに出てくる英語の、
“the flu” は「インフルエンザ」
“overhead luggage rack” は「上の荷物棚」のことですよ。
それでは、Let’s listen together!
A Suitcase and a Gentleman – スーツケースと紳士
月曜と火曜は、直訳と意訳の間ぐらいの和訳1パターンです。
Harumi:
(電話で)
エリ、信じられる?
推しに会いにわざわざ東京まで来たのに、ライブが中止になってん、バンドメンバーの半分がインフルエンザやって。
それで、帰ろうと外に出たら、バケツひっくり返したみたいに雨が降っててん!
今どこって?
ちょうど大阪行きの新幹線に乗るとこ…
もしもし?もしもし?
(心の中で)
あー、バッテリーなくなった!今日、最悪やん!
席見つけて、ずっと寝よ。
えっと…15のE、15のE。ここや!
スーツケースを上の荷物棚に置くだけ…よいしょ…
なんでスーツケースこんなに重いん?
コンサート会場でグッズ買いすぎたかも。
お願い。いける!
あー、無理や。
Man: お手伝いしましょうか。
Harumi: え?
Man: そこに上げるのはこれ1つだけですか?
Harumi: はい。でもすごく重くて。
Man: 大丈夫ですよ。
Harumi: あ!とても簡単そうでしたね。
Man: 私の席はあなたの2列後ろです。
降りる準備ができたら教えてください。
Harumi: ありがとうございます。
(新幹線が発車する)
(心の中で)
今、何が起きたん?
イケメンが荷物手伝ってくれたよね。心奪われた。
エリに話さな!
あー、携帯切れてる。
モバイルバッテリーどこ?
あかん、スーツケースの中や。
Man: 何かありました?
Harumi: いえ、特に、でも…
Man: スーツケースの中の物が必要でした?
Harumi: はい。
Man: そうですか。
はい、どうぞ。
Harumi: ありがとうございます。時間かかりませんので。
Man: ご心配なく。ごゆっくり。
Harumi:
(心の中で)
めっちゃ紳士やん!
こんなに親切な男性に今まで会ったことないって。
20代かな?いや、30代やわ、あんなに自然に手伝えるなんて。
(男性に)
必要なものは取れました。ありがとうございます。
Man: どういたしまして。
また必要なことがあれば、いつでも言ってください。
Harumi: ありがとうございます!
(心の中で)
ほんまにエリに話さなあかんわ!
LINEしよ。
Harumi:
(心の中で)
あ、返事来た!
え?どういう意味?
だまされないで?罠かもしれへん?
まさか!私からお金盗もうとしてないって!
でも待って。今日はついてない日やし。こういう日はだまされるかもしれへん。
でもめっちゃいい人やし…(眠りに落ちる)
Announcement: 次の停車駅は、京都、京都…
Harumi: 寝てた!
あ、どうも。
Man: 私は京都で降りますので、棚からスーツケースを下ろしました。
大阪で降りるとおっしゃっていたのを、お聞きしたので。
Harumi: 本当にありがとうございます!
Man: では。
Harumi:
(心の中で)
エリ!彼は私をだまそうとしてなかったで。
ほんまに紳士やん。
あ、あかん!電話番号とか何も聞いてなかった!
今日ほんまに最悪やわ!
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
紳士だねぇ。
かっこよすぎませんか!
あの、見習います!