NHKラジオ英語番組「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」
2024年4月18日(木)放送分
2024年10月17日(木)再放送
古典が語る西洋の知恵
「The Father, the Son and the Donkey」
-父親と息子とろば-
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳した部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
It’s time for Enjoy Simple English!
森崎ウィンです。
毎週木曜日は、2019年度に放送した「Wisdom from the West」をお送りします。
「古典が語る西洋の知恵」と題しまして、人生の知恵や教訓までさりげなく教えてくれるイソップ寓話を集めました。
今回は「The Father, the Son and the Donkey、父親と息子とろば」です。
では、早速聞いてみましょう!
The Father, the Son and the Donkey -父親と息子とろば-
ある日、父親と息子がロバを連れて市場に行きました。
父親はロバを縄でつなぎ、息子はその横を歩いていました。
しばらくそうして歩いていました。すると、ある旅人に出会いました。
旅人は、父親と息子を笑いました。
旅人は言いました。
「お前たちはバカだな。なぜロバを歩かせているんだ。乗ればいいのに。」
父親はしばらく考えました。旅人の言う通りにすることにしました。
息子をロバの背中に乗せ、再び歩き始めました。
やがて、彼らは団体旅行客のそばを通り過ぎました。
その中の1人の男性が大声で言いました。
「あれ見ろよ。息子がロバに乗ってるよ、父親じゃなくて。あの子は良い息子じゃないな。若者は歩いて、年配の者を乗せるべきだ。なんて怠け者の息子なんだ。父親のことを気の毒に思うよ。」
父親はまた考えました。その男の言う通りにすることにしました。
そこで、父親は息子にロバから降りるように言い、自分が乗りました。
やがて、2人の女性のそばを通り過ぎました。
女性たちは2人で話し始めました。そのうちの1人の女性が大声で言いました。
「あれ見た?父親がロバに乗ってるわ、息子じゃなくて。あの父親は良い親じゃないわね。あの子が気の毒だわ。」
父親は何が正しいのか分かりませんでした。
父親は長く真剣に考えました。そして、ある考えを思いつきました。
2人ともがロバの上に乗りました。
もう少し歩き、ようやく市場に近づきました。
多くの人々が指をさして笑い始めました。
父親は立ち止まり、1人に尋ねました。
「すみません、何か変ですか?」
「まあ、そのかわいそうなロバを気の毒に思ってね。小さな背中に、あなたと息子さんの2人も乗せてるんだから。」
再び、父親は何が正しいのか分かりませんでした。
全員が父親に違うことを言いました。
父親は新しい案を思いつくまで、考えに考えました。
「これが正しいやり方に違いない!」
彼らは1本の木の棒を見つけて、ロバの足を木の棒に結びつけました。それで今は、ロバが木の棒から逆さまにぶら下がっていました。
父親と息子はその棒を肩に担ぎ、市場に向かって歩きました。
誰もが彼らを笑いました。
市場へ向かう橋を渡っているとき、ロバの1本の足が緩んでしまいました!
ロバは足を蹴り、動き回りすぎて、棒から転落し川に落ちてしまいました。
ロバの足は縛られていたので、水の中で死んでしまいました。
ある老人が全てを見ていました。老人は言いました。
「これで思い知っただろう。みんなを満足させようとすると、誰も満足しない。」
すべての人を喜ばせようとすれば、誰も喜ばない。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
今日も素敵な教訓を得られましたね。
いやほんとね、僕この物語の中で好きな文があるんですけれども、
If you try to make everyone happy, no one is happy.
みんなを満足させようとすると、誰も満足しないよ、ってことですよね。
しっかり自分の意見を持つことの大切さ、学べましたね。
それでは、また明日お会いしましょう。
See you tomorrow.