NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年6月19日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Bottled Green Tea -ボトル入り緑茶飲料-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今日の発明は「ボトル入り緑茶飲料、Bottled Green Tea」
緑茶をどこでも気軽に飲んでもらいたい!
メーカーは、缶入りのお茶や、ペットボトル入りのお茶を販売しようと、開発に乗り出します。
しかし、本来のお茶の色や香りを残すためには、さまざまなハードルをクリアする必要がありました。
課題解決の1つのカギが「窒素」
英語で “nitrogen” です。
早速聞いてみましょう。
【名詞】nitrogen /naɪtrəʤən/ 窒素
Bottled Green Tea -ボトル入り緑茶飲料-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
ボトル入りの緑茶は、どこでも、いつでも楽しむことができます。今日は、この人気のある発明の後にある物語を見ていきます。
1970年代、コーヒーやコーラのような飲み物が人気になり始めました。
主に緑茶を販売していたある会社は、心配になり始めました。その会社はもっと多くの人々に緑茶を飲んで欲しかった、そこで、会社は開発チームを作りました。
彼らの最初のアイデアは、缶入りの緑茶でした。
法律は言いました、缶入りの飲み物は中にどんな細菌もあってはならないと。
そのため、ほとんどの会社は缶を加熱していました、缶の中のどんな細菌も殺すために。
チームはこれを緑茶の缶で試してみました。しかし、うまくいきませんでした。
社 三雄氏、開発チームの主要メンバー、は言います。
「お茶が赤くなり、焼き芋のような匂いがしました。」
これは起きました、お茶の中のカテキンが原因で。
カテキンは加熱されると、缶の中の酸素と結合し、色が変わります。すべての酸素は取り除かれる必要がありました。これはできるのでしょうか?
それからある日、社氏は聞きました、興味深いことを、炭酸飲料を作ることについて、コーラのような。
缶の中の泡を保つために、それはCO2(二酸化炭素)で満たされていました。もしかしたら、彼らも同じことができるかもしれません。
チームは窒素ガスを使用することを考えました、なぜなら窒素は人間にとって危険ではないからです。私たちが呼吸する空気のほとんどは窒素ガスです。
そのアイデアというのは、酸素と入れ替えるために缶に窒素を加え、すぐに閉じることでした。その後、缶は加熱されます。
チームはこれを試しました、そして彼らが缶を開けると、お茶は緑色でした。
1985年2月、缶入りの緑茶が販売されました。
しかし、すぐ後に、プラスチックボトルが清涼飲料用として人気になりました。
お茶メーカーもこれらのボトルを使用したいと思いました。しかし、彼らが緑茶をボトルに入れてみると、大きな問題がありました。
粉のようなものが見えたのです、ボトルの底に。
「それは人にとって悪いものではありませんでしたが、見た目があまり良くありませんでした。」
チームはすぐに見つけ出しました、なぜこれが起こるのかを。
お茶のカテキンとカフェインが、お茶の中の他のものに触れると、それらは結びつきました。それから、それらが底に沈みました。
チームは多くの異なる種類のフィルターを使用してみました、それ(沈殿物)を取り除くために。
残念ながら、フィルターの内の何ひとつ効果がありませんでした。
会社の何人かは言い始めました、ボトル入りの緑茶は不可能だと。
しかし、社氏は言います。
「私たちは諦めませんでした、人々に緑茶の素晴らしさを認識してもらいたかったので。」
その後すぐに、社氏はハイテクフィルターを試しました。1,000分の1ミリメートルより大きいものは、フィルターを通過できませんでした。
社氏は新しいフィルターを通してお茶を注ぎ、一晩置きました。翌朝、彼は緊張してボトルを見ました。
底には何もありませんでした!
1990年、初めてのボトル入り緑茶が日本で販売されました。
今、この健康的な飲み物は人々に楽しまれています、多くの国や地域で。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
ボトル入りの緑茶は、いつでもどこでも楽しむことができます。今日は、この人気の発明品の裏にある物語を見てみましょう。
1970年代、コーヒーやコーラなどの飲み物が人気を集め始めました。
主に緑茶を販売していた会社は心配になり始めました。もっと多くの人に緑茶を飲んでもらいたいと考え、会社は開発チームを立ち上げました。
開発チームの最初のアイデアは缶入りの緑茶でした。法律では、缶入りの飲み物には細菌が混入してはならないと定められていました。そのため、ほとんどの会社は、中の細菌を殺すために缶を加熱していました。
開発チームも、加熱処理を緑茶の缶で試してみましたが、うまくいきませんでした。
開発チームの主要メンバーである社 三雄さんはこう話します。
「お茶が赤くなり、焼き芋のような臭いがしました。」
これは、お茶に含まれるカテキンが原因でした。カテキンは加熱されると、缶の中の酸素と結合し、色が変わってしまうのです。すべての酸素を取り除く必要がありました。これは可能なのでしょうか?
それからある日、社さんはコーラなどの炭酸飲料の製造について興味深い話を耳にしました。缶の中の泡を保つために、缶にはCO2(二酸化炭素)が充填されていました。もしかしたら、緑茶でも同じことができるかもしれません。
チームは、人間にとって有害ではない窒素ガスを使用することを考えました。私たちが吸っている空気のほとんどは窒素ガスです。
そのアイデアとは、缶の中に窒素を充填し、酸素と入れ替え、すぐにフタをするというものでした。その後、缶を加熱します。
チームはこれを試しました。そして、缶を開けると、お茶は緑色でした。
1985年2月、缶入りの緑茶が発売されました。
しかし、その後すぐに、プラスチックボトルが清涼飲料用として人気になりました。
お茶メーカーもこのボトルを使いたいと考えましたが、緑茶をボトルに入れてみると、大きな問題がありました。底に粉のようなものが見えたのです。
「それは人体への害はありませんが、見た目があまり良くありませんでした。」
チームはすぐに、これが起こっている理由を見つけました。お茶のカテキンとカフェインがお茶の中の他の成分に触れると、結びついてしまうのです。そして、それらが沈殿してしまうのでした。
チームは、この沈殿物を取り除くためにさまざまな種類のフィルターを試しました。残念ながら、どれも効果がありませんでした。
会社の中には、ボトル入りの緑茶は不可能だと言い始める人もいました。
しかし、社さんはこう言います。
「私たちは、緑茶の素晴らしさを人々に知ってもらいたかったので、諦めませんでした。」
その後まもなく、社さんはハイテクフィルターを試しました。このフィルターは、1,000分の1ミリメートルより大きいものは通しませんでした。
社さんは新しいフィルターを通してお茶を入れ、一晩放置しました。翌朝、彼は緊張しながらボトルを確認しました。底には何もありませんでした!
1990年、日本で初めてのボトル入り緑茶が発売されました。現在では、この健康的な飲み物は、多くの国や地域の人々に楽しまれています。
参考資料
和訳にあたり、株式会社伊藤園 公式アカウントのnoteを参考にしました。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
“nitrogen”
僕も初めて知りました、「窒素」のこと言うんですね。
“oxygen”
これは、もう「酸素」ですね。
今となっては、撮影現場では、お弁当にお茶が付くっていうのは、もう必ずあるんですよ。ありがたいですね。
それでは、Tune it again tomorrow.