NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年9月11日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Makeup Brushes -化粧筆-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今回の発明は「Makeup Brushes」
開発者の髙本さんは、広島の伝統的な熊野筆の手法を使って、化粧筆を作ることを思いつきます。
どんな商品が出来上がったのでしょうか。
早速、聞いてみましょう!
Makeup Brushes -化粧筆-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
熊野は / 広島県の / 長い間有名です / その(熊野の)伝統的な筆で。
現在、それは(熊野)はまた有名です / その(熊野の)高品質な化粧筆で。
調べてみましょう / どのように / これらの世界的に有名な道具が / 最初に / 作られたかを。
1960年代、日本では、ますます多くの人々が始めました / 持ち運ぶことを / 携帯用の化粧道具を / 小さな筆が入った / 中に。
髙本 和男氏は働いていました / 彼の家族の筆工場で / 熊野にある。
彼は満足していませんでした / これらの筆の品質に / なぜなら / 先端が切られていたからです / カミソリで。
伝統的な熊野筆では、先端は切られません。
髙本氏は思いました。
「もし私が使えば / 伝統的な熊野の技術を、私は作ることができる! / 最高の化粧筆を / 世界で(一番の)。」
そして / 彼は作りました / 自分の会社を / 1974年に。
最初に、髙本氏は決めました / 異なるタイプの筆を作ることを / 顔の異なる部分用に。
彼は考えました / 丸や三角形の先端が役立つはずだと。
しかし / どうすれば彼は作れるのでしょうか? / これらの形を / 先端を切らずに。
伝統的な書道用の筆は使っていました / 道具を / 型のような。
もしかしたら / 彼は使えるかもしれません / 何か似たものを。
木片を使って、髙本氏は作りました / 型を / 丸い / 内側が。
彼は筆の繊維を(型の中に)入れました。
彼が引き出すと / それら(筆の繊維)を、繊維は滑らかで丸い形になっていました。
うまくいきました!
髙本氏は / 作ることができるようになりました / 先端を / さまざまな形で。
1981年、そのデザインが / 彼の新しい化粧筆用の / 完成しました。
これらの筆を使って、化粧品を、アイシャドウなどの、塗ることができました / 滑らかに。
髙本氏は東京へ行きました / 何度も / 彼の筆を売るために、しかし / その度に、彼は言われました。
「とても良いです、ですが / 高すぎます。」
その後、ある日、彼は見ました / 雑誌の記事を / 成功している日本人メイクアップアーティストに関する / ニューヨークにいる。
彼は思いました。
「もしこのメイクアップアーティストが使えば / 私の筆を、もしかしたら / もっと簡単になるかもしれない / 売ることが / それらを(筆を)。」
髙本氏はニューヨークに飛びました / すぐに。
そのメイクアップアーティストは言いました。
「これはすごい!」
それから / 彼女は紹介しました / 彼を / カナダの化粧品会社に。
その会社の社長は言いました。
「素晴らしい製品です。もし我が社が大口の注文をしたら、本当に作れますか? / それらを(大口の注文を)」
もちろん、髙本氏は言いました / できますと。
2ヶ月後、彼は受け取りました / ファックスを / そのカナダの会社から。
それは注文でした / 8万本の筆の。
髙本氏はわくわくしました。
それから / 彼は見ました / 締め切りを / そして / 彼の顔は真っ青になりました。
彼にはたった2ヶ月しかありませんでした!
幸運にも、髙本氏は計画がありました。
通常、各筆は作られます / 1本1本 / 熟練した職人によって。
たくさん作るために / 短期間で、彼は分けました / 工程を / 80段階に。
簡単な作業は行われました / 新人によって、そして / 難しい作業は行われました / 経験豊富な職人によって。
チーム全員が、髙本氏を含めて、働きました / 深夜過ぎまで / 毎日。
なんとかして、彼らは作ることができました / 8万本の筆を / 間に合うように。
すぐに、髙本氏の筆は広まりました / 化粧品会社やメイクアップアーティストに / 世界中の。
今では / 誰でも楽しむことができます / この人気のある熊野筆を。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
広島県の熊野は、昔から伝統的な筆で有名です。現在は、高品質の化粧筆も有名です。
これらの世界的に有名な道具が、どのようにして最初に作られたのか、見ていきましょう。
1960年代、日本では、小さな筆が入った携帯用の化粧道具を持ち歩く人が増えていました。
髙本 和夫さんは、熊野にある家族の筆工場で働いていました。
彼は、工場の筆の品質に満足していませんでした。なぜなら、先端がカミソリで切られていたからです。伝統的な熊野筆では、先端を切られていません。
髙本さんは思いました。
「伝統的な熊野の技術を使えば、世界一の化粧筆を作ることができる!」
そして、1974年、彼は自分の会社を設立しました。
まず、髙本さんは、顔のさまざまな部分に合わせて、さまざまなタイプの筆を作ることにしました。彼は、丸や三角形の先端が役立つはずだと考えました。
しかし、どのようにすれば、先端を切らずに、これらの形を作れるでしょうか?
伝統的な書道用の筆では、型のような道具を使用してしました。髙本さんも、同じようなものが使えるかもしれません。
髙本さんは、木片を使って、内側が丸い型を作りました。筆の繊維を型に入れました。繊維を引き出すと、繊維が滑らかで丸い形になっていました。うまくいきました!
これで髙本さんは、さまざまな形の先端を作ることができるようになりました。
1981年、新しい化粧筆のデザインが完成しました。この筆を使えば、アイシャドウなどの化粧品を、滑らかに塗ることができました。
髙本さんは、筆を売るために何度も東京へ行きましたが、その度に言われました。
「とても良いのですが、高すぎますね。」
その後、ある日、髙本さんは、ニューヨークで成功している日本人メイクアップアーティストに関する雑誌の記事を、目にしました。
髙本さんは思いました。
「もし、このメイクアップアーティストが私の筆を使えば、筆を売るのがもっと簡単になるかもしれない。」
髙本さんはすぐにニューヨークへ飛びました。
そのメイクアップアーティストは言いました。
「これはすごい!」
そして、彼女は、髙本さんをカナダの化粧品会社に紹介しました。
その会社の社長は言いました。
「素晴らしい製品です。弊社が大量注文をしたら、本当に作れますか?」
もちろん、髙本さんは「できます」と言いました。
2ヶ月後、髙本さんは、カナダの会社からファックスを受け取りました。それは、8万本の筆の注文でした。髙本さんは大喜びしました。
それから、髙本さんは納期を見て、顔が真っ青になりました。たった2ヶ月しかありません!
幸運にも、髙本さんには計画がありました。
通常、筆は熟練した職人によって、1本1本作られます。
短期間で大量に作るために、髙本さんは、工程を80段階に分けました。
簡単な作業は新人が、難しい作業は経験豊富な職人によって行われました。
髙本さんを含めてチーム全員が、毎日深夜過ぎまで働きました。なんとかして、8万本の筆を、納期に間に合うよう作ることができました。
すぐに、髙本さんの筆は、世界中の化粧品会社やメイクアップアーティストに広まりました。
今では、誰もが、この人気の熊野筆を楽しむことができます。
参考資料
和訳にあたり「株式会社 白鳳堂」のHPと、PRESIDENT Onlineの記事を参考にしました。
今回は、ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画はありませんでした。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
2ヶ月で8万本!
この大型発注に、こう、何て言うんですか、ちゃんとしっかり応えた髙本さん、すごいですね!
なかなかね、1個1個手作りですからね。はい。
それでは、See you tomorrow.
ちなみに…
ちなみに…私も熊野筆、愛用してます。
今回のストーリーになった「白鳳堂」が有名ですが、私は「竹宝堂」推しです。こちらも熊野筆の老舗です。
お手入れは、ウタマロリキッド使ってますが、きれいな状態で長持ちしています。
洗面器にウタマロリキッドを溶いて泡立て、手の平の上でやさしくスリスリするとキレイに落ちます。ゴシゴシ力を入れると毛を傷めます。
乾燥は、傾斜のある日陰にタオルを敷き、毛先が下になるよう筆を並べて1日干します。毛先を下に向けるのは、柄に水が溜まってカビが出ないようにするためです。
おわり