NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2025年4月11日(金)放送分
小泉八雲が愛した日本の民謡
『Oshidori』- おしどり
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
How is your day going?
It’s Friday.
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
森崎ウィンです。
毎週金曜日は、小泉八雲が愛した日本の民話です。
今日は「おしどり」というお話をお届けします。
“mandarin duck”
おしどりは、仲の良い夫婦を象徴する鳥ですね。
それでは、聞いてみましょう。
Oshidori – おしどり
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
- 放送を聞きながら英語の語順で意味を取りたい場合
→ スラッシュリーディング訳をご覧ください - 物語の全体的内容を理解したい場合
→ 自然な日本語訳バージョンをご覧ください
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
かつて / 村允という名の猟師がいた / 住んでいた / 田村の郷に / 陸奥地方の。
ある日、彼は狩りに行った / そして / 捕まえられなかった / 何も。
しかし / 帰り道 / 赤沼という場所で、彼は見た / 二羽のおしどりを / 一緒に泳いでいる / 川で。
長い間 / 極東では、おしどりは象徴であった / 良い関係の / 夫と妻の間の。
だから / 良くなかった / おしどりを殺すことは。
しかし / 村允はとても腹が減っていた / それで / 彼は矢を射った / その二羽の鳥に。
矢は / 当たった / 雄鳥に / そして / それ(雄鳥)を殺した。
雌は飛び去った / そして / 消えた。
村允は家に持ち帰った / 死んだ鳥を / そして / それを料理した。
その夜、村允はとても悲しい夢を見た。
彼の夢の中で、美しい女が / 彼の部屋に入ってきた / そして / 立った / 彼の枕のそばに。
それから / 彼女は泣き始めた。
彼女はとても悲しそうに泣いたので / 村允は感じた / 彼の心が裂かれるように。
(so~that~構文)
その女は話した / 彼に。
「なぜ、ああ、なぜ / あなたは殺したのですか / 彼を?
彼は何をしましたか / あなたに?
私たちはとても幸せだった / 一緒にいて / 赤沼で。
なのに / あなたは殺した / 彼を!」
彼女は泣き続けた / 彼女は言いながら、
「あなたはわかりますか / 何をあなたがしたのか?
あなたは殺した / 私も、なぜなら / 私は生きられない / 私の夫なしでは!
私は来た / あなたに伝えるために / これを。」
それから / 彼女は泣いた / さらに大きな声で。
彼女の泣き声はとても悲しかったので / 村允は感じた / それが切り込んだように / 最も深い部分に / 彼の骨の。
(so~that~構文)
その美しい女は / それから / 囁いた、
「私は頼んだ / 彼に / 私と一緒に帰ってきてと / 夕暮れに、でも / 今 / 私は1人で眠る / 川の草の陰で / 赤沼の。
この悲しく、ひどい気持ちは / 私が説明できないものです。」
彼女は言った / もう一度、
「あなたはわからない / そして / あなたはわかることもできない / あなたが何をしたのか。
赤沼に来てください / 明日。
そうすれば / あなたはわかるでしょう。」
それから / 彼女は去った / まだ泣きながら。
村允は起きた / 翌朝 / そして / 彼は思い出した / 彼の夢を。
それは感じた / とても現実のように / それで彼は考えた / 長い間一生懸命に / それ(夢)について。
(so~that~構文)
彼は特に覚えていた / この言葉を。
「赤沼に来てください / 明日。
そうすれば / あなたはわかるでしょう。」
それで / 村允は決めた / 赤沼に行くことを / すぐに。
彼は知りたかった / 彼の夢が現実かどうか。
村允は到着した / 川に / そして / 見た / 雌のおしどりを / 一匹で泳いでいる。
その鳥が彼を見たとき、彼女は逃げようとしなかった。
代わりに、彼女はじっと見た / 彼の目を / そして / 泳いだ / 彼に向かってまっすぐ。
それから / 突然 / 彼女は引き裂いて開いた / 彼女の体を / 彼女自身のくちばしで / そして / 死んだ / 村允の目の前で。
村允は剃った / 彼の頭を / そして / 僧侶になった。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
むかし、陸奥の国の田村の郷に、村允という猟師が住んでいた。
ある日、彼は狩りに出かけたが何も捕まえられなかった。だが、帰り道、赤沼という場所で、二羽のおしどりが川で一緒に泳いでいるのを見た。
極東では長い間、おしどりは夫婦円満の象徴とされてきた。だから、おしどりを殺すのは良くないことだった。
しかし、村允はとても腹が減っていて、その二羽の鳥に矢を射った。矢は雄鳥に命中した。雌は飛び去り、姿を消した。
村允は死んだ鳥を持ち帰り、料理した。
その夜、村允はとても悲しい夢を見た。夢の中で、美しい女が彼の部屋に入ってきて、枕元に立った。そして、彼女は泣き始めた。彼女がとても悲しそうに泣くので、村允は悲しみで胸が裂けるように感じた。
女は彼に話しかけた。
「どうして、ああ、どうしてあなたを夫を殺したのですか?彼があなたに何をしたというのです?私たちは赤沼でとても幸せに暮らしていました。なのにあなたは彼を殺した!」
彼女は泣きながら続けた。
「あなたは何をしたかわかっていますか?あなたは私も殺したのです。私は夫なしでは生きていけない!このことをあなたに伝えに来ました。」
それから彼女はさらに大きな声で泣いた。彼女の泣き声がとても悲しかったので、村允はそれが骨の髄まで突き刺さるように感じた。
それから、その美しい女は囁いた。
「夕暮れには帰ってきてと彼に頼みましたのに、今、私は赤沼の川の草陰で1人ぼっちで眠っています。この悲しく、耐えがたい気持ちは、言葉では説明できません。」
彼女はもう一度言った。
「あなたにはわからない、そして、あなたが何をしたのかわかることもないでしょう。明日、赤沼に来てください。そうすれば、わかるでしょう。」
そして、彼女はまだ泣きながら去っていった。
翌朝、村允は目を覚まし夢を思い出した。その夢がまるで現実のような気がしたので、彼は夢について長い間真剣に考えた。彼は特にこの言葉を覚えていた。
「明日、赤沼に来てください。そうすれば、わかるでしょう。」
それで、村允はすぐに赤沼に行くことにした。あの夢が現実かどうか知りたかった。
村允が川に着くと、雌のおしどりが泳いでいるのが見えた。鳥は、彼を見て逃げようとしなかった。代わりに、彼女は彼の目をじっと見て、彼に向かってまっすぐ泳いできた。
そして突然、彼女は自分のくちばしで自分の体を裂き開き、村允の目の前で死んだ。
村允は頭を剃り、僧侶になった。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
ふー、怖いなぁ。
最後、残されたおしどりが、自分のくちばしで自分の体を引き裂いてしまうという。
Wow!
ちょっと、あの、ゾッとしました(笑)
それでは、 Have a great weekend!