NHKラジオ英語番組「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」
2024年4月19日(金)放送分
2024年10月18日(金)再放送
ルパン ~怪盗紳士~
「ルパンの逮捕 第3話」
全文和訳してみました。
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、直訳寄りにしております。
- 直訳8割、意訳2割を意識しています
- 巻末のword listの訳をできるだけ使用しています
- 英語の語順になるべく沿わせています
- 意訳は私なりの解釈です
- 極端に意訳している部分は直訳文も記載しました
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
It’s Friday!
森崎ウィンです。
毎週金曜日は「Lupin, The Gentleman Thief」
毎月4話完結で、怪盗紳士ルパンの名作をお届けします。
今日は「ルパンの逮捕」の第3話。
ヨーロッパからアメリカに渡る船の中に、ルパンが紛れているという無線が入りました。
ロゼーヌって男がルパンの可能性が濃厚となりましたが、実際どうなのでしょうか。
それでは、Let’s listen!
前回までの『The Arrest of Arsène Lupin』
前回までの2話です。
The Arrest of Arsène Lupin -ルパンの逮捕 第3話-
船の乗客たちは、ロゼーヌがいたずらをしていると思った。
ある乗客が言った。
「ロゼーヌが自分のお金を盗んだのよ、そうすれば皆が自分をルパンだと考えなくなるわ。」
しかし私は知っている、自分で自分の手をそのように縛ることは不可能だと。
そして、ロゼーヌの胸に残されたメモの筆跡は、ルパンのものと全く同じだった。
誰もが恐怖を感じた。今は誰もがルパンになり得る。
アメリカから無線が入り始めたが、船長は、無線が知らせている内容を我々には教えなかった。その沈黙が我々を怖がらせた。
とうとう船上での最後の日になった。時間がとても長く感じられるようだった。
しかし私には、それは楽しい時間だった。
ルパンのおかげでネリー嬢に近づくことができた。彼女は怖がって、保護を求めていたので、私は喜んでそれを与えた。私は、愛と幸せの甘美な夢の中にいるような気分だった。
アメリカの海岸へ近づくにつれて、アルセーヌ・ルパンの捜索は止まった。
誰がルパンなのか知る瞬間を、皆が待っていた。
「あなたはとても興奮なさっているように見えるわ、ダンドレジーさん」
ネリー嬢が私の腕に弱々しく寄りかかりながら言った。
私は同意した。
「考えてみてください!これはとても興奮する瞬間で、それをあなたと一緒に過ごす機会を得たんです。」
我々が船着き場に到着すると、税関職員が船に乗り込んできた。
「ルパンがすでに船から逃げ出していても驚かないわ。」
「そうですね、ネリー嬢。彼はむしろ死にたかったのかもしれません、捕まる代わりに。彼は海に飛び込むことができたかもしれない。」
「あなたは冗談を言って、楽しんでいらっしゃるのね!」
「失敬。待って、あちらを見てください。あの桟橋に立っている小さな老人が分かりますか?」
「傘を持って、オリーブグリーンのコートを着てらっしゃる男性?」
「ええ、彼がガニマールです。」
「刑事の?」
「はい、ルパンを捕まえるのは自分だと言っています。なるほど、だからですね!」
「何をおっしゃっているの?」
「今、理解しました、我々が何の情報も得られなかった理由を。ガニマールは、自分の仕事を秘密にしておくのが好きなのです。」
「それなら今回は、彼がルパンを捕まえると思われますの?」
「さあ?」
(Who knows?は決まり文句。誰が知っているでしょう → 誰も知らない。知らないよ。さあ?)
「ああ、逮捕を見るのが待ちきれませんわ!」
「我慢してください、ネリー嬢。」
乗客たちは船から降り始めた。
多くの乗客がガニマールの前を通り過ぎたが、ガニマールは彼らには何の注意も払わなかった。
そして、ロゼーヌが現れた。彼が船から降りる番だった。
「私はまだ、ロゼーヌさんがルパンだと思ってますの。あなたはどう思われます?」
「ロゼーヌ氏とガニマール刑事の写真を一緒に撮ったら、とても面白いと思います。私は両手がふさがっています。撮影してもらえますか?」
私はネリー嬢にカメラを渡した、だが遅すぎた。
ロゼーヌはすでに刑事の前を通り過ぎていた。
ルパンは彼じゃなかった!
それでは、アルセーヌ・ルパンは誰なのか?
ついに我々の行く時が来た。
しかし、我々が10歩も進まぬうちに、ガニマール刑事が我々の前に歩み出た。
「君、少しよろしいかな。」
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
ロゼーヌがルパンじゃなかった!
ルパンを追うガニマール刑事が声かけたのは、まさかのダンドレジーでしたね。
ダンドレジーは、ルパンについてすごい詳しい様子でしたね。
果たして、これはどうなっていくことでしょうか。
ぜひぜひ来週もお楽しみに。
Don’t forget to come back on Monday!
怪盗紳士ルパン 原書
日本語翻訳版
英語版