NHKラジオ番組『古典講読』を聴いています。
2024年度は「名場面でつづる『源氏物語』」が放送されています。
源氏物語を、想像以上に楽しく分かりやすく味わえる番組で、聞くだけではもったいないと思い、45分の番組内容を、100字程度に要約しXへ投稿するようになりました。
誰かに読んで欲しいと思ってポストしていたわけではありませんが、その要約が楽しいとおっしゃってくださるフォロワーさんがいらっしゃいましたので、過去のポストをまとめました。
『古典講読』- 名場面でつづる『源氏物語』
源氏物語は、世界で初めて、人の心の動きや感情が書かれた小説です。
番組は、源氏物語独特の心の動きや表現と、江戸時代の2人の研究者の解釈の違いバトルを(北村 季吟 vs 本居 宣長)、丁寧に上品に解説してくれていて、とても興味深く、厳かで雅な番組です。
※ 北村 季吟が書いた源氏物語の注釈書が『湖月抄』
朗読の加賀美 幸子さんは、元NHKアナウンサー。アナウンサー界では”レジェンド”と呼ばれているすごい方だそうです。
私のお気に入りポイントは、解説の島内先生が、上品に淡々と解説しながら、たまにさらっと毒を吐くところです。
各回を100字でザクっと要約
高校の古文の授業や、少女漫画「あさきゆめみし」、宝塚歌劇、映画等から、源氏物語の筋は何となく知っていました。
今回このラジオ番組で、初めてしっかりと源氏物語を聞きました。
季節の描写や心の機微など実に美しい物語で、ストーリー展開も見事で、現代の小説・映画・ドラマにもすごく影響を与えていて、千年を超えてもなお、愛される文学作品である理由が分かりました。
そして、その情緒的な表現や場面、文学的考察など、源氏物語の良さを、跡形もなくバッサリ消した要約を、Xに投稿したのがこちらです。なぜかこれが好評です(笑)
要約は、番組の第5回から始めました。最初の4回分はございませんこと、ご了承くださいませ。
帚木の巻(2)+空蝉
光源氏16歳
人妻に惚れる。空蝉は身分違い&人妻だからと彼を拒む、それがいじらしいとまた寝所に行く、空蝉は後ろ髪引かれる思いで逃げた、偶然いた別の女と致し、空蝉に会いたかったと文を出す、別の女は放置。
読み:帚木(ほうきぎ)
夕顔の巻(1)
光源氏16歳 夏の逆ナン
乳母(惟光母)を見舞いに庶民の住宅街へ、身分を隠していても近隣の女性がざわつく、夕顔が咲く家から扇が届く、差出人不明の文に光源氏も警戒、筆跡をごまかし返歌、後日素性を隠し通う。
結局行くんかーい!
補足:惟光は、源氏の腹心の家来
夕顔の巻(2)
光源氏16歳8月 十五夜
夕顔に入り浸り、十五夜に交わると不吉という迷信も破る、これが悲劇の伏線に。
六条の御息所が嫉妬で源氏の夢に現れる、目覚めると夕顔がぐったり。
家来の惟光も女の所にいて助けが遅れる。夕顔が逝く、丁寧に弔う。
光源氏16歳 10月
空蝉が夫の転勤で都を離れることに。源氏は多くの餞別を送る。彼女が脱ぎ残した衣と文も添えた。空蝉は戻ってきた衣を見て、もう会えないことを実感し、別れと愛を伝える文を返す。拒まれ続けたが本当は愛されていたと知る源氏。
秋の終わりと共に、2つの恋も終わった。
若紫の巻(1)
光源氏17歳
病にかかり祈祷が効かない。凄腕祈祷師がいる鞍馬寺へ。
道中、家来が明石の入道の話をする。源氏はその娘が気になる(出会うのは9年後、明石の君の伏線)
鞍馬寺に着き、僧坊の女性達の中にいた10歳の若紫に目がいく。
源氏、元気やん。
若紫の巻(2)
藤壺(帝の側室、源氏の初恋)が体調を崩し宮中から下がる。源氏は女房に頼み込み密通。翌朝もう会えないのが辛すぎて立てないほど凹む源氏。
鞍馬寺から若紫を引き取り育てる。
藤壺が懐妊…
末摘花の巻
夕顔の死後、傷心中。
貧相な家に住む女に興味本位で通う。絶対に顔を見せてくれないが、ある朝一瞬見えて絶句…(容姿の描写がえげつないため以後省略)
解説より…紫式部の悪ふざけにも見える「末摘花の巻」 真剣な恋物語だけだと重い、緩衝材の役割。
紅葉賀の巻
光源氏18歳 2月
藤壺(帝の側室)が源氏の子を産む。帝(源氏の父)は我が子だと思っている。春、藤壺のところに源氏が遊びに来ていた。我が子に初めて会い感動。帝も来た。赤子を抱き源氏に似て美しいと言う。複雑な気持ちの源氏。冷や汗の藤壺。
修羅場…
読み:紅葉賀(もみじのが)
花宴の巻
光源氏19歳
帝主催の桜の宴で見事な舞を披露。お開き後も興奮がおさまらない。藤壺に会いたくなるも錠がかかっている。近くから女の声が。女の腕をつかむ。怖がる女(朧月夜)。優しい声で「この出会いは前世からの宿命」と歌を詠み密儀。
仕事が早い!お見事!
読み:花宴(はなのえん)
葵の巻
光源氏21歳
自然消滅を悟った六条の御息所は未練たらたら。葵上(正室)と揉め事が起きて怒り爆発。お産中に取り憑く。苦しむ葵上に優しく声をかけた源氏に生霊が炎上。出産後、葵上が逝く。
喪が明け家に戻る。14歳に成長した紫の上(元若紫)に女を感じ新枕。
賢木の巻(1)
光源氏22歳秋
六条の御息所は生霊の噂が広まり都に居づらい。伊勢に下向する娘と一緒に行くことを決意。最後の挨拶に行く源氏。恨み言も思い出話も全て話し、わだかまりが溶け、美しい別れとなり、めでたしめでたし。
正室に取り憑いた相手に「永遠に愛している」と本気で言える源氏すごい
読み:賢木(さかき)
賢木の巻(2)
光源氏23歳
藤壺の寝所に突撃。6年ぶりに顔を見て理性を失う。衣と髪を掴まれ逃れられない藤壺。すがる源氏に嫌悪感。院の崩御後、藤壺は掴まれた髪を下ろし出家。
春にナンパした朧月夜は右大臣の娘。密会を続けていた。雨の夜、寝所に右大臣が来てバレる。
花散里の巻
光源氏24歳5月
右大臣の娘(朧月夜)との密会が露見。院(源氏の父)が崩御し後ろ盾がなく辛い。
麗景殿(院の側室)の妹で過去に通った花散里を思い出す。麗景殿を見舞う名目で花散里と会う。
ちなみに道中、一度きりの女の家を通ったため歌を送ってみたが門前払い。
須磨の巻(1)
光源氏25歳3月
朧月夜の件で右大臣が源氏の失脚を画策。僻地へ追放される前に自ら引いた。都からそう遠くない須磨へ。都に戻れた前例はなくこれが生涯の別れ。紫の上が悲しむ。自分の悲しみは堪え明るく発った源氏。 秋の須磨、さびれた暮らしが寂しく辛く涙。
解説によると、「源氏物語」全54帖で、この「須磨の巻」で読むことを諦める読者が多いそうです。
須磨の巻(2)
中秋の名月には宮中を思い出し、殺風景な冬に金の琴を弾くも侘しく、新春には桜の宴を思い出し、都が恋しい。
親友 頭中将も寂しがっていた。須磨を訪れ涙の再会。
ある日、大嵐後の明け方、龍神に海底へ引き込まれる不気味な夢で起きた。
明石の巻へ続く…
解説より:読者は続きが気になり、夢中で”明石の巻”を読み始める。気づいたら「源氏物語」の最大の難所”須磨の巻”を読み終えている。
頭中将:左大臣の息子、源氏のライバルでもあり親友
明石の巻(1)
光源氏26歳3月
嵐が続き屋敷にも落雷。まるで天罰のよう。死の恐怖を感じていると院(亡き父)が夢に。神の導きで須磨を離れるようにと。 直後、明石の入道が夢のお告げで源氏を迎えに来る。明石へ移りもてなしを受ける。
源氏の贖罪はこれで完了したのだろうか?
解説より:源氏の贖罪が完了したと思うかは読者にゆだねられている。解説の島内先生は、不十分、だからこそ40歳を超えてから厳しい人生の真実に向き合うこととなったのだと思う、とのご感想。
源氏の贖罪とは:藤壺(院の側室)と密通し、生まれてきた子を東宮(次期天皇)としたこと。
明石の巻(2)
亡き院が朱雀帝(源氏兄)の夢にも現れ、源氏の処遇に怒りを示す。夢の後、帝が目を病む。
8月、入道の希望で源氏が明石の上の寝所へ。知らされていなかった女は驚いて、奥の部屋に閉じこもるが、あっさり結ばれ深い仲に。年明け身ごもる。
7月、源氏は都に召喚。明石の上と切ない別れ。
明石の上は奥の部屋へ行き、つっかえ棒で扉を開かないように閉じこもったのに、源氏はどうしたものか奥の部屋に入った、とのこと。
どうやって?何でもできる源氏。
澪標の巻
光源氏 27歳10月
内大臣に昇進、明石の君が女児出産。
10年前の予言は、男1帝、男2太政大臣、女1后。
実際に藤壺の子が帝(冷泉帝)になった。后は明石の君の女児のはず。都へ呼ぶ準備を始める源氏。
住吉詣の際、明石の君が、出世後オーラ全開の源氏を見て負い目を感じる。
太政大臣になるのは、葵上(正室)との子、夕霧です。
読み:澪標(みおつくし)
蓬生の巻
この章は『末摘花の巻』の後日談
光源氏 27歳~28歳
源氏が須磨に発って以降、援助が途絶えた末摘花の屋敷は荒れ放題。生活は困窮。
源氏は都に戻っても末摘花の存在を忘れていた。
春、花散里に会いたくなり外出。道中、荒れ果てた家の前を通った時、末摘花の家だと気付き再会。援助も再開。
読み:蓬生(よもぎう)
関屋の巻
この章は『空蝉』の後日談
光源氏28歳9月
空蝉は夫の4年任期後で上洛中
源氏は石山寺詣の道中
大阪の関所で偶然すれ違う一行
12年ぶりの再会で感動するも、人目を気にして社交辞令の歌しか送れない源氏。受け取った空蝉も想いが蘇り歌を詠む。
源氏が石山寺詣を終えた時、右衛門佐(空蝉弟)が出迎えに来て謝罪した。
右衛門佐は、かつて源氏が目をかけていた男。須磨下向時に付いて来ず空蝉の供をした。源氏はそれを根に持っていた。
逆に、権力になびかず須磨に付いて来た者へは、都に戻ってから人事で報いていた。
源氏の「信賞必罰」な政治姿勢が見える一幕。
関屋:大阪の関所にある建物
信賞必罰:厳格で冷酷にアメとムチを使いわける
絵合の巻
光源氏30歳
六条の御息所の娘を養女にし冷泉帝(源氏と藤壺の不義の子)に入内させた。(梅壺の女御)
先に入内していた頭中将の娘(弘徽殿の女御)が寵愛を受けていた。
美術好きの帝の心を梅壺に向けさせるため絵合の会を開く。
最初は劣勢だったが、源氏が書いた須磨絵日記が皆の心を打ち圧勝。
絵合の会:互いに持ち寄った絵を品評し優劣を決める会
番組では、本居宣長が湖月抄の解釈を否定しまくる解説を聞くのが楽しくなってきました。
島内先生がどちらの解釈を取るか、冷静にキレ良く判断されているのも楽しいです。
松風の巻
光源氏30歳
明石の君と娘(3歳)を迎えるため自宅を増築。だが2人は親族の元住居に住む(嵐山付近)。
源氏は月2回、嵯峨詣と称し通う。紫の上が嫉妬。
源氏は娘を養女にし入内させたい。実の娘として育てて欲しいと紫の上に打診。子供を持てることは嬉しい紫の上、快諾。(源氏と紫の上の間に子は授かっていない)
源氏が紫の上に嫉妬しているか聞くのですが、紫の上は「源氏のために嫉妬しているフリをしている」と強がります。そういうところが男心をくすぐるのかと勉強になりました。
(今さら男心をくすぐる状況はこないと思いますが笑)
薄雲の巻
光源氏30歳
伝染病&政治不安定。日食月食など天界が不穏だと人々は大騒ぎ。陰陽道は、帝の父の不当な扱いが原因と奏上。
藤壺(36歳)の見舞いに行った源氏。帝(源氏と藤壺の不義の子)を案ずる話の途中で藤壺が息を引き取る。臨終には立ち会えたものの、藤壺の逝去に言葉もないほど嘆き悲しむ。
僧が冷泉帝に「父は源氏」と告げる。
帝も源氏も激しく動揺。
朝顔の巻
光源氏31歳
源氏を拒んだ唯一の女性、朝顔。
ある夜、朝顔の屋敷の正門へ。錠が開かず困る門番。朝顔の父の死後、正門は使われなくなり錆びていた。
自分も華の時期はあっという間で30歳を過ぎた。錆と重ねて自分の人生をしみじみ振り返る源氏。
朝顔にはつれなく拒絶され帰宅。
朝顔の屋敷に訪問する場面の解説を始める前に、島内先生が一言、
「ここは、マイ フェイバリット シーンです。」
とおっしゃって、びっくりしてむせました笑
少女の巻
光源氏32歳
息子夕霧の教育問題。自分は内大臣にも関わらず学が浅い。夕霧には大学で学んでほしい。
光源氏34歳
広大な六条院が完成。4方位の女主人は以下
南東(春&晩秋):源氏、紫の上、明石の姫君
南西(秋):梅壺
北東(夏):花散里
北西(冬):明石の君
夕霧:故葵上(正室)と源氏の子
玉鬘の巻
光源氏35歳
頭中将と夕顔の娘玉鬘
夕顔が急死後、乳母と九州にいたが豪族に求婚され、海路で都に逃げ戻る。
長谷寺詣の際、紫の上に仕えている右近と出会う。彼女は過去に夕顔に仕えていて、玉鬘を探していた。
源氏が玉鬘の存在を知り、養女として六条院に迎える。
初音の巻
光源氏36歳元日
六条院が落成し、玉鬘も迎え、女君が全員揃った記念すべき正月。
春の御殿で紫の上と新年の挨拶をした後、明石の姫君(9歳)と会う。実母(明石の君)から祝いの品と歌が届いていた。姫が詠んだ返歌に成長を感じ、娘に会えない明石の君を想う。
他の御殿にも挨拶。
最後は冬の御殿、明石の君の元へ。
源氏の気配を感じ隠れた明石の君。
姫への想いが書かれた紙を見て、教養に感心する源氏。(悲劇の母の演出成功)
様子を見ていた明石の君が姿を現す。
書き物には本心が表れているが、源氏には何も言わない所が源氏の心をくすぐる。
元日は、正妻格の紫の上と過ごすのが習わしだが、つい明石の君と一夜を過ごしてしまう。
噂が六条院を駆け巡る。
2日、暗いうちに紫の上の元へ戻った源氏。
「ついうたた寝をしてしまった」と下手な言い訳。紫の上の嫉妬はおさまらない。
来客対応に忙しいのを口実に紫の上とは顔を合わせないようにした。
読み:初音(はつね)
明石の君は、聡明な女性として描かれ、源氏はそこに惹かれます。私には強かであざとさが目立つ女性です。六条院の女房たちがあれこれ言う場面は私を代弁しているようで…女って怖い(笑)
胡蝶の巻
光源氏36歳 晩春~初夏
春の御殿が見事な見頃。源氏が作らせていた豪華な船に、秋の御殿から女房らが乗って来て美しさに圧倒される。
翌日、紫の上が春の御殿を自慢する歌を梅壺に送る。昨日誘ってくれなかったと返歌する梅壺。
紫の上と梅壺のバチバチバトル
梅壺=秋好中宮、秋の御殿の主
蛍の巻
光源氏36歳夏
源氏の弟、兵部卿宮は玉鬘が好きだった。ある夜、3人が一緒にいる時、源氏は袖から蛍を放ち、兵部卿宮に玉鬘の美しさを見せ、弟をさらに焚きつける。
別の日、源氏と玉鬘が物語論を繰り広げる。
源氏の台詞は、実は紫式部の本音。
- 神々の時代から人間が生まれた現代まで物語には様々な事が書かれている
- 漢文で書かれた日本書紀は我が国の文化を知る最高の資料
- 日本書紀は歴史の一部しか扱っていない
- ひらがなで書かれている物語は論じている対象が広い
- 物語の方が、我が国を形作る根幹である政に関する有益なことが書かれている
- 物語は様々な人物が登場する
- 登場人物が実在しているかはあからさまには書いていない
- 好意的な人物もいれば、読者を呆れさせる滑稽な人物もいる
- 物語は人々の実態に即している
- 物語内の素晴らしい人物は、長所を全て持ち合わせているように書かれるが、実際にそんな人間はいない
- かといって、実在している人物の良い点を集約して描かれているから、空言でもない
- 人々の滑稽な点も1人の人物に集約して描かれている(例:末摘花)
- 物語に登場する良い人も悪い人も、実際にはこの世にいる人ばかりである
- 物語は仏の教えを受け最高の物語を書いている
- 物語は全て空言ではなく真実であるともいえ、仏法と同じと結論づけた
常夏の巻
光源氏36歳夏
玉鬘は頭中将(内大臣)の娘だが頭中将は知らない。周囲にも源氏の娘ということになっている。
源氏が玉鬘に、いつか父親に会わせてあげたい、16歳の時に頭中将と夕顔の仲を知りながら通ったことなどを話す。玉鬘が控え目に父への想いを語る様子に、恋心が募る源氏。
(玉鬘23歳、紫の上29歳、明石の君28歳)
頭中将の娘 雲居の雁は、源氏の息子 夕霧と恋仲。
頭中将は娘を入内させたいので悩んでいた。
娘を訪ねると、薄着で昼寝中。女房達まで昼寝中で誰も気付かない。
起こして娘に説教。 途中から、源氏のお妃教育批判にすり替わる。
篝火の巻
光源氏36歳初秋
人恋しくなる秋。夫気分の源氏は玉鬘を訪ねて1日過ごす。
暗くなると、周りの目もあるし帰ろうとするが帰りたくない源氏。
かがり火を見て、あの炎のように私の心は燃えていると告白。
玉鬘は困惑しながらもやんわり拒否る。
解説より:源氏の好色に毛嫌いした読者もいるかもしれない。名誉のために補足すると、源氏と玉鬘には1度も男女の行為はなかった。
読み:篝火(かがりび)
野分の巻
夕霧16歳、紫の上29歳、源氏36歳秋
源氏に挨拶しに春の御殿へ来た夕霧。父不在。
風が強く御簾が舞い上がり紫の上を初めて見た夕霧。あまりの美しさと気品に驚嘆。
父戻る。話す2人の姿は美男美女。
夕霧はわかった、父が紫の上に会わせてくれなかった理由を。
行幸の巻
光源氏(太政大臣)36歳冬
頭中将(内大臣)と久々の対面。
源氏の目的は、
・玉鬘が頭中将の娘であることをカミングアウト
・源氏の息子(夕霧)と頭中将の娘(雲居の雁)の結婚
まずは、今でも友人だと切り出し場を和ませる源氏。
腹を探りつつも源氏には勝てないと降参の頭中将。
藤袴の巻
光源氏37歳夏
髭黒から求婚されている玉鬘。
夕霧は、源氏と玉鬘が添い寝しているのを見たことがある。
夕霧が父を責める、2人は男女の仲で、玉鬘を愛人にしようとしている、頭中将も同じことを言っていたと。
源氏は路整然と夕霧に答える、養父の自分ではなく実の父である頭中将が決めれば良いと。
真木柱の巻
光源氏37歳
玉鬘は髭黒の側室になった。
髭黒の正室は紫の上の異母姉妹。
妻がもののけに苦しんでいたのに、髭黒は玉鬘に夢中。
妻は子供を連れ実家に帰ることにした。父に溺愛されていた娘はごねる。母急かす。
娘は、いつも背もたれにしていた思い出の柱(真木柱)の割れ目に、別れの歌を差し込み家を出る。
髭黒:政治の有力者、東宮の母方の叔父
読み:真木柱(まきばしら)
梅枝の巻
光源氏39歳春
明石の姫君の入内準備が進行中。嫁入り道具に仮名文字のお手本も用意された。
源氏が紫の上に語る、元カノの仮名文字の印象を。
- 六条の御息所:自然な筆使いが絶品
- 藤壺:品性あり、奥行きなし
- 紫の上:現代の代表美文字
六条の御息所は、源氏の心が離れたと考えていたが、自分は彼女をずっと愛していた、と話す。
自分の文字を褒められて謙遜する紫の上。
歴代の元カノの話をする源氏。
それを黙って聞き、自分の文字を褒められ謙遜する紫の上。
なるほど(笑)
読み:梅枝(うめがえ)
藤裏葉の巻
光源氏39歳
明石の姫君(12歳)が東宮に入内。
実母である明石の君が、宮中の世話役になり娘とやっと対面。
養母の紫の上と明石の君も初対面。
長年しこりがあったが和解。お互いの人柄に触れ、源氏が惚れるのも納得した両者。
源氏は准太上天皇となり栄華の頂点。
上皇や冷泉帝も揃った華やかな秋の宴が催される。
源氏(39歳)、冷泉帝(22歳)、夕霧(19歳)、容姿が素晴らしい。
ん?3人そっくりじゃない?
解説より:もしここで源氏物語が終わっていればハッピーエンドだった。
だが紫式部には、ハッピーエンドで筆を置くつもりは最初からなかったと思われる。
冷泉帝:桐壺院と藤壺の子、実は源氏と藤壺の不義の子(知っているのは源氏と藤壺だけ)
読み:藤裏葉(ふじのうらば)
若菜上の巻(1)
拝聴後、追記します。
若菜上の巻(2)
拝聴後、追記します。
若菜下の巻(1)
拝聴後、追記します。
若菜下の巻(2)
拝聴後、追記します。
古文を要約したら英語学習にも効果が出た
こちらのブログは、英語ブログですので、古文『源氏物語』に関する記事は不釣り合いだと思われたかもしれません。
確かに、大河ドラマ「光る君へ」の影響を受け、娯楽で聞き始めたラジオ番組です。
ですが、「45分という長い番組で聞いた物語のあらすじを、たった140字にまとめる」という毎週のルーティンが、英語学習にも意外な効果がありました。
その感想もXにポストしました。
同じ日本語なのに現代文と古文は全然ちがう。
— 藤子 (@perapera_recipe) August 25, 2024
古文で聞いた物語を短い文章でまとめる作業は、英語の読解にも活きてきてる。実際、ラジ英やESEでストーリー展開が理解しやすくなったのは、このおかげな気がする。何が功を奏するか…何となく始めたことが、そんなに効くの?という驚きはおもしろい。
一見、英語学習とは何の関係がないようでも、情報を整理して要点だけを伝えるという作業が、英語の読解力や理解力にもつながる、と新しい発見でした。
2024年度、英検は試験内容がリニューアルされ、要約問題が新設されました。受験するかどうかはさておき、いつかこの経験が役に立つかもしれないなと思ったりしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。