NHKラジオ英語番組『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』
2024年6月5日(水)放送分
世界に誇るメイド・イン・ジャパン
「Mosquito Coils -蚊取り線香-」
全文和訳してみました。
英語学習の参考にしてくださっている方もおられますので、訳し方が異なる2パターンで日本語訳をしました。
- スラッシュリーディング訳
英文を前から訳す
意味はほぼ直訳
テキスト巻末のWord Listの訳を使用しています - 自然な日本語訳
英文を後ろから訳す(返り読み)
意訳を含み日本語らしい文章
森崎ウィンさんのオープニングとエンディングトークも、書き起こししています。
お役に立てれば幸いです。
テキストには英文スクリプトのみ掲載されています。
オープニング 森崎ウィンさんのトーク
Enjoy Simple English.
森崎ウィンです。
毎週水曜日は「Japan’s Top Inventions」
今日の発明は「蚊取り線香」
“pyrethrum” という菊の種に含まれる殺虫成分をお線香に混ぜて、蚊取り線香が開発されました。
そして、渦巻き型になったのはある動物がきっかけでした。
早速聞いてみましょう。
【名詞】pyrethrum /pairíːθrəm/ 防虫菊
Mosquito Coils -蚊取り線香-
訳し方が異なる2パターンの和訳をしています。
スラッシュリーディング訳バージョン
英文を前から訳し、意味はほぼ直訳です。
放送を聞きながらや、テキストの英文を読みながら意味が取れるようになっています。
和訳だけを読むと不自然に感じられる部分がありますこと、ご了承くださいませ。
みなさんは、蚊取り線香を見たり嗅いだりしたことがあるかもしれません、日本の夏の期間に。
今日は、この便利な発明の裏にある歴史を見ていきます。
この物語は1885年に始まります。
和歌山県のみかん農家、上山英一郎氏は、事業を拡大しようとしていました、海外へと。上山氏がアメリカ人のビジネスマンに会ったとき、彼は花の種をもらいました、除虫菊という名前の。
この種の中には、化学物質の組み合わせがあり、それは虫を殺すことができます。
蚊は夏の大きな問題でした。
蚊は危険でもありました、なぜなら蚊は病気を蔓延させることに役立つ可能性があったからです。
上山氏は考えました、蚊を殺すことができる何かを作ることは、多くの人々を助けると。
彼はすぐに仕事に取りかかりました。
まず、上山氏は燃やしてみました、除虫菊から取った粉を、火鉢で。
蚊が地面に落ちました。
うまくいきました!
しかし、彼はすぐに気づきました、夏に火鉢を使うのは暑すぎると。
その後、上山氏はヒントを得ました、東京旅行で出会ったある男性から。この男性の家業は、線香、つまりお香を売ることでした。
(補足:,or insect sticks=つまりお香、線香を知らない人向けに説明している)
上山氏は考えました。
「除虫菊の粉を線香に足せるかもしれん!」
和歌山に戻った後、上山氏は試作品を作りました。彼が(試作品に)火をつけました、すると蚊が床に落ちました。
1890年、世界初の蚊取り線香が販売されました。それは輪っか状ではなく、まっすぐな棒状でした。それはよく効きました、でも問題がありました。
燃焼時間が短すぎたのです。20センチの棒は、40分しか燃えませんでした。
上山氏は棒をもっと長くしてみました、でもそれは危険でした、なぜならそれら(長い線香)は簡単に倒れてしまうからです。どうやって彼は燃焼時間を長くできるのでしょうか。
それからある日、妻のゆきさんが庭から呼びました。
「蛇や!」
蛇がいました、ゆきさんの前に。へびは全身とぐろを巻いていました。
ゆきさんが言いました。
「線香を渦巻き状にしたらどう?この蛇みたいに。」
上山氏はすぐに木型を作りました。ゆきさんの名前をその型に書きました、なぜならそれはゆきさんのアイディアだったからです。
その型を使って、渦巻き線香を作りました、それは60センチの長さでした。渦巻き線香はほぼできていました、ですが1つ最後の問題がありました。
渦巻き線香を木の板の上で乾燥させると、線香が板にくっつきました。上山氏は線香を取り外そうとしました、でも(うずまきが)壊れました。
また、妻のゆきさんがアイデアを思いつきました。
「針金の魚焼き網をつこてみたら?」
魚は金網にくっつきません、焼いている時に。
上山氏はすぐに出来立ての渦巻き型蚊取り線香を置きました、焼き網の上に。それから約5日後、彼はゆっくりと線香を焼き網からはずしました。くっついていませんでした!
(補足:蚊取り線香を作っている再現動画を見ると、このシーンがイメージしやすいです。和訳の下にリンクを貼ったNHK WORLD JAPANの動画の13分頃にあります。)
ついに、彼の製品は完成しました。
世界初の渦巻き型蚊取り線香は1902年に販売されました。
それ以来、この商品は世界中の多くの国や地域で使われています。それは(蚊取り線香は)今でも蚊を取り除くための人気の方法です、暑い夏の日の。
自然な日本語訳バージョン
英文を後ろから訳し(返り読み)、意訳も含み日本語らしい文章にしています。
日本の夏に、蚊取り線香を見たり匂いを嗅いだことがあるかと思います。今日はこの便利な発明品の裏にある歴史を見ていきます。
この物語は1885年に始まります。
和歌山県のみかん農家、上山英一郎さんは、海外への事業拡大を目指していました。彼がアメリカ人のビジネスマンに会ったとき、除虫菊と呼ばれる花の種をもらいました。この種の中には、虫を殺すことができる化学物質の組み合わせがあります。
蚊は夏の大きな問題でした。さらに、病気の蔓延の原因ともなり危険でした。上山さんは、蚊を退治できるものを作れば多くの人々の助けになるだろうと考えました。彼はすぐに取りかかりました。
まず、上山さんは火鉢で除虫菊の粉末を燃やしてみました。すると、蚊が床に落ちました。効果がありました!しかし、夏に火鉢を使うのは暑すぎることにすぐに気づきました。
その後、上山さんは東京旅行で出会ったある男性からヒントを得ました。その男性の家業は、線香の販売でした。
上山さんは「線香に除虫菊の粉を混ぜれるかもしれん!」と考えました。和歌山に戻ると、上山さんは試作品を作りました。試作品に火をつけてみると、蚊が床に落ちました。
1890年、世界初の蚊取り線香が発売されました。それは渦巻き状ではなく、まっすぐな棒状でした。とても効果はありましたが、問題がありました。燃焼時間が短すぎたのです。20センチの線香は40分しか燃えませんでした。上山さんは線香を長くしようとしましたが、倒れやすくなってしまうため危険でした。どうすれば燃焼時間を長くできるのでしょうか。
その後、ある日、庭から妻のゆきさんが呼びました。
「蛇や!」
ゆきさんの前に蛇がいました。へびは全身とぐろを巻いていました。ゆきさんは「この蛇みたいに、線香を渦巻き状にしてみたら?」と言いました。
上山さんはすぐに木型を作りました。これはゆきさんのアイデアだったため、彼女の名前が型に書かれています。その木型を使って、長さ60センチの渦巻き線香を作りました。
渦巻き線香はほぼ完成していましたが、最後に1つ問題がありました。線香を木の板で乾燥させると、板に張り付いてしまうのです。上山さんは剥がそうとしましたが、渦巻きが壊れてしまいました。ここでも妻のゆきさんがアイデアを思いつきました。「魚焼く金網をつこてみたら?」
魚を焼くとき、金網に魚はくっつきません。
上山さんはすぐに作ったばかりの渦巻き型蚊取り線香を金網の上に置きました。そして、約5日後、ゆっくりと金網から線香を外しました。くっついていませんでした!ついに製品が完成しました。
(補足:蚊取り線香を作っている再現動画を見ると、このシーンがイメージしやすいです。和訳の下にリンクを貼ったNHK WORLD JAPANの動画の13分頃にあります。)
世界初の渦巻き型蚊取り線香は1902年に発売されました。それ以来、この商品は世界中の多くの国や地域で使用されています。暑い夏の日には、今でも蚊を退治する人気の方法です。
参考資料
ストーリーの元となったNHK WORLD JAPANの番組動画です。
(動画の16分頃) 蚊はマラリアやデング熱など様々な感染症を媒介する。蚊によるウイルス媒介は動物や人間の死亡リスクを高める。東南アジアでは蚊取り線香は非常に人気。気候変動により蚊の生息域が広がっており、日本でも北日本にまでヤブカ(tiger mosquito)が見られるようになった。蚊の対策はこれからも重要課題。
和訳にあたり、金鳥(大日本除虫菊株式会社)のHPを参考にしました。
エンディング 森崎ウィンさんのトーク
上山さんの妻のゆきさん、すごいですなー。
いやー、いいアイデア出しましたねー。
それでは、Join us again tomorrow.